還暦と干支の関係

干支の人形

なぜ、還暦=60歳を祝うのでしょうか。それは干支に大きな関係があります。

一般的に「干支」といえば、子(ね)から始まる12種類だけを考えてしまいますが、正式な干支とは、「甲(きのえ)」から始まり、「癸(みずのと)」で一回りとなる「十干」が組み合わさった「十干十二支」を指します。

一例をあげれば「丙午(ひのえうま)」。あまりうれしくない使い方をされることが多いのですが、十干十二支の言い方の中で一番知られているものでしょう。

この十干と十二支それぞれを同じ年をスタート地点にして順番に当てはめていくと…10と12ですから、11年目からは組み合わせが段々ずれて変わっていきます。

そして60年で一巡り。これが、暦が回って戻る、すなわち「還暦」です。同時に、還暦を迎えられた方は新しい暦を刻むための出発点に立ったことになります。

つまり還暦とは、60年の大きな節目を祝うだけでなく、新しい門出をも祝う誕生日でもあるということ。昔からの人々がこの習慣を大切に伝えてきたこともうなずけますね。

還暦の歴史や由来

還暦を祝う習慣が日本で始まったのは飛鳥時代とも奈良時代とも言われ、当時の中国の地から伝わったとされています。

奈良時代の頃には、日本でも長寿を祝うようになりましたが、その頃は日本人の寿命は現在のように長くなく、40歳くらいが初老と言われており、10年ごとにお祝いが行われていたのです。

寿命が延びて、満60歳の還暦から長寿と呼ぶようになったのは、室町時代くらいからで、この頃の長寿のお祝いが定着して現在まで引き継がれているのです。

当時、日本は遣隋使や遣唐使を送り、大陸のさまざまな文化を取り入れていました。その中に、還暦と大きく関係する「干支」や、還暦を祝う習慣もあったのではないかと考えられています。

還暦の意味

還暦

還暦の還の字はかえるを意味し、歴は干支を意味しています。

60干支が一巡して、61年目に生まれた年と同じ暦に還るため、数え年61歳、満60歳を還暦と呼び、そのお祝いを還暦祝いと言うようになりました。

干支は、十干と十二支の掛け合わせから成り立っています。十干の干は、木の幹が語源です。一方、支は幹の枝をあらわしています。

古代中国では、天の方角を12に分けて、それぞれの方角の記号に動物の名前を付けたと言われています。

この十干と十二支を組み合わせていくと、60種類の組み合わせができるのです。この一巡を年にあてはめると、60年かかることになります。

還暦祝いは「数え年」と「満年齢」のどっち?

日本では1955年までは年齢を数え年で表現していました。

しかし、現在では数え年ではなく、満年齢を使うことが多くなっており、還暦祝いを、満60歳の誕生日を中心に行う家庭がほとんどです。

満60歳のお祝いということで、子供達や孫が集まってお祝いをする家庭も少なくありません。欧米では、ダイヤモンドを60周年のお祝いとして送る風習があります。

還暦祝いのプレゼントカラーは「赤」

のし

長寿の祝い事にはそれぞれ適した色があるとされています。その中でも還暦の赤色はとくに有名であるといえます。

還暦祝いのプレゼントとしては、以前は「赤いちゃんちゃんこ」というイメージが強かったものの、さすがに長寿社会の今となっては、これらに抵抗のある方も…。

近年では赤いものや赤系の色のものを贈るのが主流となっています。また普段の生活でも使えるようにと臙脂色やワイン色などを選ぶことも多くなっています。

還暦に、赤いちゃんちゃんこを身につけるという風習があるところもあれば、赤い頭巾をかぶる、赤い扇子を持つなど地域によって風習も異なります。

なぜ赤なの?

赤いものを身につけたり贈るという風習は、暦が一周することで赤ちゃんに戻るということから、赤いものを贈ることが習慣になったといわれています。

同時に赤は、神社の鳥居などを見てもわかるように「魔除けの色」。新しい人生を災いなく過ごし、もっともっと長生きしてほしいという願いが、この赤い色に込められてきました。

加えて最近では、赤色は情熱の色、積極性や行動的な心を起させる色という考えもあります。つまり現代社会の今も赤色は、「元気で長寿」の願いを託すことができる色なのです。

最近の還暦祝いギフトの傾向は?

赤いスカーフや赤いブラウス、シャツ、バッグや小物の赤など、現代に合ったかたちの赤色のプレゼントを選ぶのが最近の傾向。

ルビーに代表される赤い貴金属や、「赤」の付く地名のところへの旅行などを選ぶ方もおられます。もちろん、赤色にこだわらないこともお祝いのかたちの一つ。

人気のあるものとしては名前やメッセージを入れたお酒や食器、時計など、この世でたった一つしかないアイテムが人気となっています。

そして品物ではなく、家族みんなで旅行をするなど思い出のプレゼントも、よく選ばれています

要は、還暦を迎えられた方に心から喜んでいただけることが何より大切であることは言うまでもありません。

特に核家族化した現代ではギフトよりも家族と一緒に過ごす 食事会のほうが何倍も嬉しく、記念写真を飾れる思い出となることがプレゼントともなるのです。

あくまでもプレゼントはサプライズで主役は家族と過ごしたひと時と写真となります。

現代における還暦祝いの考え方

笑顔のシニア夫婦

還暦とは60歳を迎える人の節目となるタイミングのことです。

日本ではおめでたい区切りと認識されていますので、イベントやプレゼントなどでお祝いをするのが一般的となっています。

そもそも還暦がおめでたい節目とされているのは長生きの証だからです。

ひと昔前では60歳まで生きられることは少なかったですから、当時からすると長生きの部類に入り、それゆえに還暦を迎えるのはおめでたいという認識があったのです。

しかしながら現代では60歳を迎えるのは珍しいことでもありません。

高齢者にも該当しない年齢でもあるため、本来の長寿を祝う風習というよりも、形式的なお祝いごとになっていると言えるでしょう。

それでも60歳を迎えたのはひとつの大きな節目に違いありませんから、お祝いをするのが現代の風潮です。

還暦祝いの注意点

ばつサインをする若い女性

最近では60歳と言えば定年退職という区切りを迎えられる方もおられる反面、職種や立場によっては、「まだまだ現役」という方や、定年から新しいことを始めようという方も少なくありません。

そして前述の通り60歳を迎えるということ自体も珍しいことではなくなっており、今の還暦世代の方々は還暦祝いで年寄り扱いされることを嫌います。

60歳でもまだまだ現役でいる人が多い世の中ですので、年寄り扱いをされることに抵抗を示す人が増えているのが実情なのです。

還暦祝いのメッセージにNGワードがある

その点を踏まえた上で、メッセージを伝える時にも、例えば「老い」や「終わる」、「散る」など、年齢を実感させてしまうような内容にはしない方が良いでしょう。

これからの活躍を願う前向きなメッセージを用意した方が失敗が少ないです。

還暦祝いのプレゼントに向いていないもの

還暦のプレゼントにも同様の注意が必要です。還暦の象徴とも言える、赤いちゃんちゃんこなども身に着けたくないという意見も少なくありません。

そのため、お祝いをする側も年齢を感じさせるようなメッセージや赤い物の準備などには注意した方が良いと言えます。

例えばお茶ですと香典返しによく用いられていますので適しておらず、老眼鏡も老いを感じさせますからあまり良くないと言われています。

他にも時計や鞄なども勤勉なイメージが付いて回るため、還暦祝いには向いていない面もあります。

何気なく伝えるメッセージや贈るプレゼントが失礼に当たることもあるため、お祝いをする側には配慮のある行動が求められます。

還暦祝い、どうやって祝う?

寄り添う二世帯の家族

日本が長寿社会となった今、還暦のお祝いはご家族や内輪で行うことが多くなっているようです。

考えられる祝い方としては、自宅やレストランでお祝いする方法、温泉旅館などへ家族で出かけてお祝いする方法、そして遠方に住んでいるなどの理由で集まることが難しい場合には、食事会などは行わずにプレゼントだけを渡すという場合もあります。

そんなシーンでは、ご本人のご挨拶もお祝いのメッセージも、形式ばった堅苦しいものではなく、少々くだけていても、心の込もった言葉のほうがうれしいもの。

次の項から還暦祝いに使える定番でシンプルなメッセージ例・実例をご紹介します。

還暦を迎えるご本人の挨拶例

シニア夫婦が挨拶例と書かれた板を持っている

還暦フレーズ例1

「還暦」、すなわち暦を一巡りしたことを指します通り、振り返れば、数々の笑顔のシーン、時にまじる苦労すらも今となっては、大切な思い出となって心の中を巡ります。

還暦フレーズ例2

還暦と言えば、暦が戻って赤ん坊に返るとの意味合いもあるとか。ならば、これを機に、新しい何かに挑戦してみることも充実の生涯ためと考えています。

還暦フレーズ例3

「60歳なんて、まだまだ若造!」とか、「人生これから!」という諸先輩の叱咤激励の声もあちらこちらから聞こえてきます。

いやはやまったくもってその通りと頷ける自分でありたいものと、実は最近…(新しく始めた事柄があるなら、その内容を簡単に紹介)。

ポイント

★上記の他、昔の思い出やエピソードを語ったり、家族みんなの幸せを願う気持ちを加えたりすることで、内容をホットなものにすることができます。

★普段、頻繁には連絡を取られていない方に手紙などでお礼を述べる場合には、簡単な近況報告も。

また、親しくされている方でも、サプライズとして改めての決心などをお伝えすれば、次に会われる機会などに会話がいっそうふくらむことでしょう。

★還暦を改めてお知らせするのには抵抗があるという場合は、還暦を迎えられる年の年賀状の中にさりげなく記しておくという方法もあります。

●今年は還暦を迎えることでもあり…

ちょっとしたメッセージを添えて還暦を祝おう

メッセージ

60歳になると、周りの人たちから還暦祝いがたくさん寄せられます。また、周囲に60歳になる人がいるときには、還暦祝いをしなければなりません。

特に会社の上司や、付き合いの長い人などで60歳になる人がいれば、忘れずに行う必要があります。

また、家族で60歳になる人がいる場合にも同様です。特に何もせずに過ごしてしまうと、良好な関係を保つのが難しくなってしまいます。

還暦祝いは、一言メッセージを添えるだけで問題ありません。何もやらないよりはだいぶ効果があるでしょう。

ちょっとしたメッセージでも、祝ってもらった人にとってみれば嬉しいものです。ただ、どんなメッセージを送ればいいのか分からないという人も少なくありません。

印象に残るメッセージを考えている人も多いですが、相手が上司などの場合には、なるべく無難なメッセージを送りたいでしょう。

還暦には健康第一を願った内容のメッセージで

ウォーキングをするシニア夫婦

60歳というと定年退職が近づく時期です。そのため、会社の上司など仕事関係の相手であれば、これまで仕事を頑張ってきたことを称えるような内容のメッセージが無難です。

管理職の人であれば、部下の面倒を見てくれていることを称えるのもいいでしょう。

また、60歳くらいになると、健康状態に不安を抱えるている人も多いです。高血圧などで通院していたり、常備薬のある人もいるでしょう。

一方で健康な人の場合には、そのことを還暦祝いのメッセージに添えて祝うといいです。

健康のために運動をしている人であれば、そのことを称える内容でもいいでしょう。メッセージを受け取った側も、運動を長く続けて健康を維持しようという気持ちになれます。

これからも健康第一を願う旨のメッセージなら喜ばれます。他に孫がいる人へ向けたメッセージなら、孫のことを織り交ぜたメッセージにするというのもいいです。

還暦を迎えた方へ贈るメッセージ例

メッセージ例

付き合いの長い人なら、若い頃のエピソードを絡めたメッセージにすることもあります。

そして、どんなメッセージでも共通して言えることは、当たり前ですが60歳になったことを祝うことです。

還暦フレーズ例1

○○さんは今もとても輝いて見えます。きっと、それは、60年という時間の中で磨きぬかれてきた豊かな人間性のためなのでしょうね!

還暦フレーズ例2

私も、時間が巡って私が60歳になったとき、○○さんに負けないくらいに素敵な60歳でありたいと思います。どうぞ、これからも、今以上に魅力的な○○さんでいてください。

還暦フレーズ例3

体力的にも精神的にもまだまだ現役の○○さんのことですから、還暦は単なる通過点。それでも、これまでの功績は決して軽いものではないことを私たちは知っています…

ポイント

★上記の他、還暦を迎えられたご本人と祝われる方に関する思い出やエピソードをまじえることでホットな内容のメッセージとすることができます。

★季節柄の言葉を入れることで内容をふくらませることもできます。

●青葉のように、いつまでも若々しく
●海のように大きな心で…
●花のように美しく華やかなままで…etc.

 

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