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古酒ができるまで

通常の酒よりもさらに熟成を進めた古酒は、もとの酒からは想像できないような香味と色調へと変化しています。古酒の製造では、目的とする酒質に応じた酒をまず醸造し、火入前に使用する活性炭の量を控えめにし、熟成がほどよく進むよう、貯蔵温度も低すぎないようにします。 貯蔵中、酒中の成分は酸化・分解などさまざまな化学・物理反応をゆるやかに起こし、年数を経るごとに淡黄色から褐色へと着色度を増します。新酒にはない複雑で多様な香味、例えばシェリー・老酒・バター・キャラメル・糖蜜・きのこ・シナモンのような重厚でほどよい苦みや、まろやかさが感じられるようになります。

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古酒は体に優しい

新酒に比べ、熟成を経た酒はアルコールと水の分子が完全に融合して一体化する。そのため内臓の粘膜への刺激も少なく、かつ体内に吸収されてからの分解速度も速く、多少飲み過ぎても、宿酔しにくいです。
新酒ではアルコールがむき出しの状態で存在するため、エタノールの刺激臭が強く味もきつくなり、熟成古酒になると水のクラスター(結合塊)が小さくなり、アルコール分子を取り囲むため、アルコールが水に包まれた状態で鼻や舌に感じられ、香りも味もやわらかくなるのではないか、そう考えられています。また最近の研究で、古酒の方が体内に発生する「活性酸素」の量が少ない(東京農業大学 吉沢潔教授のお話より)といわれており、注目されております。

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世界の古酒

世界の文化の発達した所には必ず素晴らしい古酒が存在します
・フランスのコニャック
フランスのコニャック周辺で産出される高級ブランデーであり、樽による熟成の度合いによって、V.O.、V.S.O.、V.S.O.P等級に分類されます。
・スペインのシェリー
熟成期間は最低でも3年、長いものでは100年以上に及ぶこともある非常に長命なワインです。
・ポルトガルのポートワイン
伝統と熟成が育む「ポルトガルの宝石」と呼ばれるワイン。年数表示のあるものは高級品で、10年、20年、30年、40年以上の4つが規定です。
・中国の紹興酒
蒸したもち米と小麦こうじなどを原料として醸造したもので、中国では浙江省紹興産のものを「紹興酒」といい、それ以外のものは「黄酒」といいます。

これを長期間貯蔵したものを老酒(ラオチユー)です。

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雪室貯蔵とは

新潟は雪の国。降り積もる雪に困りながらも、昔から雪を暮らしに生かしてきた伝統的な知恵として雪室貯蔵があります。
天然の貯蔵庫「雪室」では電気を使わないために、温度・湿度の変化や振動等は一切なく、雪で囲まれているために遮光性も保たれます。
お酒の熟成にはこれ以上ない最適な条件です。冷蔵庫での保管に比べ、口当たりがまろやかになります。
越後の深雪ならではの美味しいお酒です。

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古酒(泡盛と日本酒)

泡盛と日本酒の違いは、その製造過程にあります。日本酒は主に、果物や穀類を酵母菌の働きによって発酵させる「醸造酒」といわれる種類に分類され、ワインやビールがその仲間とされています。
泡盛は、醸造酒をさらに蒸留した「蒸留酒」の種類になります。ウォッカやテキーラ、ウイスキー、ブランデーがあり、泡盛は焼酎の仲間に分類されています。昨今の焼酎ブームにより沖縄の泡盛の「古酒」というと沖縄の泡盛のを思い浮かべるという方が増えてきました。

しかし日本酒の古酒は少なくとも焼酎よりも遥か昔に存在していたと思われ、古くは鎌倉、室町、江戸と渡り、琥珀色や山吹色の古酒が造られていた。このことから「古酒」とは、実は日本酒をさしていると言えます。

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