子供用ちゃんちゃんこの選び方を徹底解説! スリーパーなど周辺情報も
寒い冬。室内がちょっと冷えるとき、子供に何か羽織らせたいと考えるパパやママも多いことでしょう。
そんなとき便利なのが「ちゃんちゃんこ」です。
ちゃんちゃんこはお年寄りが着るもの、と思っている方が多いようですが、実は子供用の防寒着。暖房のなかった時代、冬の定番として大活躍していました。
そこで今回は、現代の子供用ちゃんちゃんこの選び方やどこで買えるかといった話を中心に、手作り方法や半纏・スリーパーとの違いなど、周辺情報と併せてお伝えします。
子供にちゃんちゃんこってかわいいな、と思っている方のお役に立てれば幸いです。
目次
ちゃんちゃんことは?
ちゃんちゃんことは本来、子供用の袖なし羽織のことをいいます。冬の室内用防寒着として綿入れになっているものが一般的で、羽織る和風ベスト、といったところでしょう。
半纏との違い
ちゃんちゃんこは半纏(はんてん)と混同されがちですが、違いは袖の有無にあります。
半纏は袖のある綿入れ羽織をいい、袖のない綿入れががちゃんちゃんこです。
袖がある分、半纏のほうが保温力高めですが、動きづらいという側面があります。
一方、ちゃんちゃんこは袖がないため家事や作業の邪魔にならず、保温性と機能性を兼ね備えているのが特徴です。
どうしてちゃんちゃんこは子供向けの防寒着なのか?
ちゃんちゃんこというと還暦の赤いちゃんちゃんこを連想するように、お年寄りが着るイメージがありますが、なぜ子供用なのでしょうか。
ちゃんちゃんこの由来は飴売り子の衣装
ちゃんちゃんこは江戸時代、チャンチャンと鉦を鳴らしながら飴を売り歩いていた清国の子供の衣装に由来しているといいます。
そのため子供用の衣服として、袷(あわせ。裏地のある着物のこと)や綿入れにして家庭着や防寒着として用いられ、それが老人にも使われるようになったのです。
ちゃんちゃんこは子供とお年寄りの着るもの
還暦の赤いちゃんちゃんこには、60年かけて干支がぐるりと一巡することで、再び子供にかえる意味が込められています。
そのため赤ちゃんが着る魔よけの赤いちゃんちゃんこを身に着け、人生を再スタートさせる長寿のお祝いの儀式となっているのです。
現在の中高年世代が子供だった頃は、子供がちゃんちゃんこを着て走り回り、祖父母が半纏を着て炬燵に当たっているのが冬の日常の光景でした。
現役世代は家事や仕事の邪魔になるためどちらも着ていないか、寒さの厳しいときにちゃんちゃんこを羽織る程度。
防寒着としてのちゃんちゃんこや半纏は、基本的に仕事をする必要のない子供やお年寄りのものだったのです。
子供用ちゃんちゃんこを選ぶ7つのポイント
現代のちゃんちゃんこはバリエーションが大変豊富。どれを選んだらいいか迷ってしまいます。そこで、次のような選び方の7つのポイントを紹介いたしましょう。
- 中綿の素材
- 裏地・表地の素材
- 袖の長さ
- サイズ
- 色柄
- デザイン
- 価格
1. 中綿の素材は綿が多いほど温かい
ちゃんちゃんこにしろ半纏にしろ、温かさのポイントは中綿の素材。綿の割合が多いほど保温性が高くあたたかです。
しかし子供用はほとんどがポリエステル100%。
重い綿より軽いポリエステルのほうが子供にとってはいいのかもしれませんが、温かさの点では綿に劣ります。
値段が少々高くてもかまわないなら、伝統的な久留米半纏はおすすめです。
綿70%、ポリエステル30%と綿の割合が高い中綿を使用しているためふっくらと厚く、とても温かいのが特徴です。ただし、幼児には軽いポリエステル製のほうがいいでしょう。
2. 裏地や表地の素材も要チェック
フリースやフランネル、ボア、キルティングなど裏地の加工はさまざまですが、素材は表地が綿かポリエステル、裏地はほぼすべてがポリエステルです。
中綿が入っていないタイプはフリースやボアで保温性を高めているようです。
しかしせっかくちゃんちゃんこを買うのなら、布団を羽織ったような温かさのある中綿入りをおすすめします。
3. 袖の長さはどれくらいがいいか
前述したように昔の子供はじっとしていなかったため、半纏よりはちゃんちゃんこを着ていました。現代の子供はゲームなどでじっとしていることが多いため、半纏でいいかもしれません。
または半纏とちゃんちゃんこの中間にあたる、肩が隠れるくらいの長さの袖が付いた奴(やっこ)という種類もあります。
お住いの地域の気候にもよりますが、幼児には食事の邪魔にならず着脱のラクな、ちゃんちゃんこか奴がおすすめ。小学生低学年なら奴、高学年以上なら受験勉強の時に重宝する半纏がいいでしょう。
子供の性質や年齢、用途に合わせて選んでくださいね。
4. 大きさはジャストサイズがワンサイズ上を
ゆったり目に作られているためジャストサイズでOKです。しかし子供はすぐ大きくなるため、いつものサイズより一つ上でもいいかもしれません。
ただし大きすぎて子供の負担にならないよう、たとえば幼児の場合、大きめの奴を買って半纏代わりに着る、といった方法もいいでしょう。
5. キャラクターなど現代風な色柄使いか伝統的なタイプか
人気のキャラクターがプリントされたものや、ギンガムチェック、ヒッコリー、デニムなど現代的な色柄使いは人気。
また、伝統的な井桁や縞、刺し子など和の色柄使いもあります。子供の年齢や好みに合わせて選んでください。
6. 凝ったデザインより実用性を
胸紐を結ぶ本来のデザインの他にも、ボタン留めや、ひもなしで羽織るだけなどデザインもさまざまです。
自分で着る年齢なのか、親が着せてあげる年齢なのかによっても変わってきますが、基本的にサッと羽織れるシンプルなタイプがベスト。外ポケットのついた実用的なデザインがおすすめです。
7. 綿が入っているほど高価格
綿が使われている割合が高いほど値段も高くなります。
フリース素材なら1000円台からありますが、ポリエステル100%の中綿入りなら2000~3000円台、久留米半纏のような綿70%以上の中綿入りとなると子供用でも4000~5000円台以上します。
また、素材的に安いものでもキャラクターがついていると値段が上がります。
平均相場は2000円ほど。子供はすぐに大きくなるため安いほうがいいと考える人が多いようです。
子供ちゃんちゃんこ・半纏はどこで売っているか
幼児サイズなら量販店に
住んでいる地域にもよりますが、トドラーサイズ(100~120cm)なら、子供服の西松屋やイオンのような大手スーパーにあります。
しまむらには大人用はあっても、子供用はあるところとないところがあるようです。またホームセンターにもあります。
ただ、こうしたところのちゃんちゃんこはカジュアルで現代風のものが多く、中綿がしっかり入った昔ながらのちゃんちゃんこや半纏は、あまり扱われていません。
また、小学生サイズがなかなか売られていないことが多く、あってもアイテム数が少なかったり、デザインに偏りがあったりするようです。
その一方でローティンサイズ(150~160cm)はキャラクターものの半纏など受験需要で豊富に取り揃えているところもあります。
意外な穴場?布団店
伝統的なちゃんちゃんこは、意外にも地域の布団店で売られています。
しっかりと厚く中綿が入っており保温性は十分。値段は量販店のように激安というわけにはいきませんが、品質の確かなものを扱っているのでおすすめです。
または布団を扱う洋品店や呉服店でも扱っています。(ただし地域によりこの限りではありません)。
ネット通販がおすすめ
地元に布団店や呉服店がなく、また量販店での取り扱いがなくてもネット通販ならたくさんあります。「ちゃんちゃんこ 子供」で検索するとヒットするので、ぜひお試しください。
子供用ちゃんちゃんこを手作りしてみよう
子供用ちゃんちゃんこや半纏が手に入りにくければ、自分で作るという手もあります。
好みの柄や色で作れば子供も喜ぶ一品に。ネットに載っているものの中から、半纏の作り方をご紹介いたしましょう。
(出典:https://www.handful.jp/curation/3992)
1. 半纏の型紙や材料を準備する
市販の親子半纏の型紙が便利。手芸店もしくはネットで手に入ります。中に入れる綿も準備します。こちらもネット購入がラクです。
2. 布を裁断する
布は和服の反物でなくとも90cm以上の幅がある好みの生地でOKです。カーテン用生地などでもいいかも。
3. ミシンで縫う
裁断した布を縫い合わせます。和裁は手縫いが基本ですが、ミシンを使っても全く問題ありません。全て直線なのでラクです。
4. 仕上げの襟をつける
最後に襟をつければ完成。身頃とは違うかわいい布地で目立たせるのがおすすめです。好みでポケットやアップリケをつけてもいいですね。
赤ちゃん用ちゃんちゃんこ?寝るときに便利なスリーパー
子供用ちゃんちゃんこをネットで購入しようとすると、「スリーパー」という単語も出てきます。スリーパーとちゃんちゃんこ、どちらがいいのでしょうか。
スリーパーとは?
その名の通り、寝るときに着せる布団のようなものです。
赤ちゃんは布団をかけてもすぐに剥いでしまいますよね。また、顔に布団がかかることで呼吸ができなくなって死んでしまう乳幼児突然死症候群(SIDS)になることも。
こうしたことを防ぐためにスリーパーは欧米から入って来たもので、今では日本でもすっかりおなじみとなっています。
おくるみのように1枚の布で体を包むのではなく、赤ちゃんにちゃんちゃんこのような袖のない羽織を羽織らせ、前をファスナーでとめるのが一般的な形。
手足をばたつかせたり寝返りを打ってもはだけず、体に布団がかかっているような状態が維持できるため寝冷えを防ぎパパもママも安心です。
生後3か月くらいから、動きが活発な幼児期にかけて活用する人が多いようです。
スリーパーとちゃんちゃんこの違い
スリーパーは寝るときに着用しますが、ちゃんちゃんこは逆に、寝るときには脱ぐのが一般的です。
中綿の詰まった昔ながらのちゃんちゃんこでは背中がゴロゴロして暑すぎ、かえって眠れません。
スリーパーはちゃんちゃんこのような中綿は入っておらず、冬用にはフリースやキルティングが多いようです。
スリーパーはどこで買える?
デパートや量販店のベビー服コーナーか、ネット通販で買えます。
子供用スリーパーを選ぶポイント
① 月齢/年齢によってデザインを変える
前開きファスナータイプの他に、前開きスナップタイプ、肩スナップタイプなどもあり、袖のあるものや足が覆われるタイプなど、機能によりデザインがいろいろあります。
年齢や月齢、また動きが活発か否かなどによって決めましょう。
②素材に注意
赤ちゃんの肌に触れるものなので素材選びは大切です。柔らかいガーゼ素材なら保温力も吸湿力もあるので、デリケートな赤ちゃんにおすすめです。
綿素材かポリエステル製かも重要なポイント。アトピーなど肌の敏感な子供の場合は綿製がいいですね。優しい素材を選ぶようにしてください。
③子供の動きを阻止しないものを
たとえば保温性の高いデザインのせいで寝返りが打ちづらくなるなど、子供にとって窮屈な感じを与えてしまうものがあります。
それが原因で寝るのを嫌がったりむずがったりすることもあるため、赤ちゃん本来の動きを妨げない軽くて優しい素材の動きやすいデザインのものを選びましょう。
スリーパーとちゃんちゃんこ、どちらがいい?
スリーパーは夜、ちゃんちゃんこは昼着るものとして両方あってもいいかもしれません。
ただし、子供が着るのを嫌がるようならやめましょう。子供は大人が思う以上に暑がりです。必要以上に着せると汗をかき、かえって風邪をひかせてしまう原因に。
少なくともちゃんちゃんこやスリーパーを着用するときは暖房を切りましょう。しんしんと冷える室内で着るのが基本です。
まとめ:保温力が高いから暖房要らず
ちゃんちゃんこにしろ半纏にしろ、綿入れは「着る布団」ともいえるため大変温かく、暖房のない時代の必需品でした。現代でも綿入れを羽織れば暖房要らずの温かさであることに変わりはありません。
たまには暖房のスイッチを切り、子供にちゃんちゃんこを羽織らせてあげませんか。
新鮮な装いに子供も喜ぶことでしょう。しかもエコであるうえ電気代の節約にもなります。忘れかけていた古き良き和の暮らしを取り入れてみることを見直してみてもいいかもしれませんね。