抜け駆けはダメ?長寿祝いはみんなでお祝いしよう!
長生きをすることは、どの時代であってもすごいことです。確かに昔に比べれば、長生きすることの大変さは変わりましたが、それでも1日でも長く生きてくれることはとてもありがたく、喜ばしいことです。
その際に行う長寿祝いのほとんどはみんなでお祝いすることになりますが、中には、自分だけサプライズを仕掛けて喜ばせようとする人がいて、様々なトラブルの原因になりがちです。
なぜ抜け駆けするとトラブルになりやすいのか、なぜみんなでお祝いをすべきなのか、そのあたりを解説します。
目次
抜け駆けでのお祝いはこんなトラブルを呼ぶ!
抜け駆けという言葉はよくありませんが、要は誰にも何も相談をせず、1人でお祝いをすること、計画を立てることは、周囲にとってみれば愉快な気持ちにはならず、腹立たしさを感じるのみです。
これが兄弟姉妹、親戚など属性によって、トラブルの中身も変わってくるものです。
兄弟姉妹間でのトラブル
自分の両親や祖父母の長寿祝いをする際、兄弟に何も言わず、自分だけ用意してそれを渡して周囲にアピールするケースがあります。
他の兄弟にしてみれば、親不孝者のような感覚を覚え、なぜ相談をしてくれなかったのかと腹立たしい気持ちになります。
一方、兄弟姉妹でお金を出し合って1つのものをプレゼントしたいという意向があった場合に、1人が抜け駆けすることはせっかくの計画を破綻させることにつながります。
こうしたトラブルは、元々兄弟姉妹間でのコミュニケーションが成熟しておらず、最初からみんなで揃えるという概念がなかったり、協力して贈ろうとしたりする気持ちがないために起こりがちです。
抜け駆けとは関係ないものの、額面の違いなどで揉めるケースも見られます。お祝いのために兄弟姉妹でいがみ合うのは避けたいところです。
親戚同士でのトラブル
地方では、1人が還暦などを迎えれば、みんなでお祝いをする傾向にあります。
みんなでご飯を食べたり、プレゼントを渡したりして盛り上がることになりますが、この時に起こるトラブルは、親戚間での主導権争いです。
何をプレゼントすべきかで揉め、俺はこれがいい、いや、あれがいいとお互いに折れず、周りが制止するも言うことを聞かず、トラブルになってしまうことがあります。
これには複数の要因があり、悪意一切なし、善意の気持ちで段取りを行いたい人と、そんなもんは自由にやらせてほしいと自由きままにやる人で分かれます。
もちろん、その人によく思われたいからと主導権を握りたがる人もいますが、どちらかといえば善意でやっている人の方が多いです。
善意でやっている分、なかなか引くことができず、お祝いどころではなくなったというのでは、長寿祝いをされる側として複雑です。
嫁姑でのトラブル
旦那のお父さんお母さん、いわゆる義父義母へ長寿祝いのプレゼントを渡す際に、年代の違いに伴う還暦祝いなどの価値観を巡る問題が浮上することがあります。
たいていは旦那と一緒に渡すのが一般的で、子供と連名で1つのプレゼントを渡すぐらいがちょうどいいです。
しかし、旦那だけが抜け駆けをする、お嫁さんだけ何かしらプレゼントするなどの状況は、どちらにしても最終的にはお嫁さんが悪いようなことになり、不憫な思いをさせがちです。
実際は抜け駆けをしているわけではないものの、例えば、渡したプレゼントがお気に召さないという場合に、直接2人に言えばいいのに、お祝いとしてもらったお金が少ないとか、プレゼントが趣味に合わない、粗末だったとお嫁さんには言わず、息子である旦那にグチとして言い、旦那からお嫁さんが聞いていら立ちを募らせ、関係がこじれてしまいます。
どちらかが悪者になってしまう状況は、いい関係を生みません。
職場でのトラブル
職場で還暦祝いなどをする場合、誰が主導権を握るかで神経をすり減らします。
お祝いしたい人だけでやろうとすれば、お祝いをしない人に対する冷たい視線が当然出てくる他、勝手に抜け駆けして贈り物を渡すと、自分の方がいいものを渡そうと競争のような状態になります。
これでは、その人の長寿をお祝いするという感じがなく、とにかく目立って出世がしたいような人でいっぱいになります。
人によっては、その手のプレゼントは受け取らないと宣言し、あえて負担を軽くさせようとする人もいますが、その意図を読まずに自分だけプレゼントを渡すことで、周囲の人間は抜け駆けをしたと感じることでしょう。
家族の場合は、しょうがないの一言で済ませられますが、会社の場合は出世や人事なども絡み、しょうがないでは済まないことも。
単独行動をすることはいい評価を得ないものですが、この場合でもそれは同じです。
みんなでお祝いをすれば、トラブルが起きにくい!
日本人はスタンドプレーをかなり嫌いますが、それだけ和を重んじる日本人の良さが根底にあります。
長寿祝いも同じで、みんなでお祝いし、みんなで計画を立てていけば、トラブルは起きにくくなります。
先ほどの兄弟姉妹間、親戚間、嫁姑間、職場において、どのような対処法があるのか、解説します。
兄弟姉妹で集まり、計画を立てて、方針を定める
長寿祝いなどは、基本的に日程がかなり前から決まっています。還暦であれば、60歳の誕生日近辺で長寿祝いのパーティーなどを計画し、それに向けて動けばいいからです。
できれば、還暦を迎える半年前ぐらいに兄弟姉妹全員で集まって、還暦祝いをどうするか話し合います。
みんなでお金を出し合って温泉旅行やクルーズ旅行をプレゼントするとなれば、均等割りで出すのか、それともお金に余裕がある人が多めに出すのか、話し合いで決めます。
ここまでになれば、悪意を持ってわざとやらない限りは、抜け駆けするような状況にならないでしょう。
個々にプレゼントを渡すにしても、1人は赤いちゃんちゃんこを用意する、もう1人は名入りのお酒を用意するというように分担させておくことも1つの手です。
なぜ抜け駆けが起きるかといえば、意思疎通ができておらず、話をロクに聞いていない人がいるから。
そうさせないために、多少細かくでもいいので何度も話をして、統一した目標に向けて動き出せるようにするのが一番です。
親戚間で額面の優劣がつかないように調整する
親族同士で主導権争いになってしまうのがダメで、お互いに協力して長寿祝いを行っていくぐらいがちょうどいいです。
なぜ主導権争いになるかといえば、結局は額面の問題で、誰が一番多く出したかに、メンツをかけてしまうような状態が生まれます。
そうならないためにできること、それは長期的な目でお祝いの計画を立てることです。
具体的には、今回はあの人が多めに出してくれたから、次は自分たちが多めに出すと、順番で決めていくような形にし、それを承認すれば、揉めることはありません。
あそこの家は10万円分の何かを出して、自分たちは8万円分だったというのであれば、次回はその逆で十分。こ
れをしっかりと話し合い、そのような方針を定めておけば、別のお祝いの時などにスムーズです。
核家族化、都市化が進み、親族同士で主導権争いなんてのは限られてきますが、次は自分たちが多めに出すと心の中で思っていれば、無用なバトルをせずに済みます。
義父義母の要望を聞き、サプライズは仕掛けない
結局のところ、この手の争いはほとんどがコミュニケーション不足であり、話を聞かない、聞く気もないという態度がトラブルを発生させます。
そして、独りよがりな状態を生み、自分が悪いはずなのに他人のせいにするような人ばかりになるわけです。
この場合では、義父義母の要望を聞いていなかったというのが一番で、その中でサプライズを仕掛けようとすると、思ったような反応にならないことが考えられます。
何が欲しいのかをヒアリングし、それに向けて準備を進めれば、安っぽい、お金をかけてない、趣味に合わないなどのグチにはつながりません。
サプライズを仕掛けてもロクなことにならず、不満を募らせるだけです。
長寿祝いをされるということは、自分が老いているということだと捉え、長寿祝いそのものを嫌う人もいるぐらいですが、話をしっかりと聞き、要望通りのことをすれば、大切に思ってくれていると相手が捉え、評価を下げずに済みます。
部署単位で贈り物を渡すのがベター
還暦を迎えた人に還暦祝いをするとして、みんなでバラバラにやれば、荷物がそれだけ増えて、持ち帰るのが大変です。
トラブルを起こさせない方法として、プレゼントの類は一切もらわない、渡さないことを徹底するものがありますが、それはなんとも味気ないです。
ベストとは言えないまでも、部署単位で贈り物を渡し、経理部一同みたいな書き方をしておけば、揉めずに済みますし、何より渡す側ももらう側も楽です。
みんなで少しずつ出せばいいので、財布の負担も減りますし、まとまったお金になりやすく、その人の好きなもの、趣味に合わせて選べます。
部署単位がベターなのは、それ以外の人が渡したい場合に結局、個人で渡すことになるからです。
理想は、お祝いをするための集まりを作り、そこにお金を集めて、欲しいものをプレゼントする形がベストですが、仕事で忙しい人がほとんどで、管理する側が大変です。
できるだけ人数をまとめて贈る方が、トラブルを減らさせます。
赤いちゃんちゃんこは誰が渡すのかも事前に決めるべし
赤いちゃんちゃんこは、還暦祝いには欠かせず、長寿祝いにはそのお祝いにぴったりなカラーのちゃんちゃんこを購入すれば大丈夫です。
ただ、まだ自分は現役とばかりに、ちゃんちゃんこを断る人もいます。誰が赤いちゃんちゃんこを渡すべきか、理想は子供、その次が女性です。
子供に赤いちゃんちゃんこを持たせ、おじいちゃん着てみて!と声をかければ、心の中では嫌でも、孫の手前、そのようなことは言えず、ちゃんと着てくれます。
おじいちゃん似合ってる!の一言でもうゴキゲンです。
職場で上司が還暦を迎えたのであれば、若手の女性が赤いちゃんちゃんこを持ってきて、着るように促せば周りも盛り上がり、いい雰囲気のまま、話が進みます。
これが男性となると、なぜかいい気がせず、上から見られているような感覚になりがちです。
家族でお祝いする場合には子供に大役を担わせる、職場でお祝いするのであれば、若手の女性に渡してもらう、そして、赤いちゃんちゃんこを着たら、できるだけ本心で似合っていると言ってあげる、これで解決します。
まとめ
抜け駆けがダメというよりは、せっかくいい計画があっても、1人のスタンドプレーでその計画が崩れてしまい、グダグダなことになってしまうからです。
還暦や古希、喜寿などはその人にとって1回しか経験できないこと。毎年やってくる誕生日とは訳が違います。
だからこそ、綿密に計画を立てて、心からお祝いをする必要があります。
せっかくのお祝いが、抜け駆けされたの一言で全部が台無しになる、誰だってそんな事態は経験したくありません。
とにかく周囲とコミュニケーションをとる、当事者の話をしっかりと聞いて要望を知る、サプライズはできるだけやらない、計画を立ててアドリブで行動しない、これだけ守っていれば、抜け駆けと指摘されることはまずありません。
1人でも多くの人とお祝いを盛り上げようとする姿勢は、とても大事なことです。