還暦って何歳でお祝いするの?長寿祝いギフト店スタッフが分かりやすく解説
現在では満年齢で年齢を表現しますが、高齢の方は数え年で年齢を表現される場合もあります…と書くと、この時点ですでに理解に苦しむ人が出てきます。
満年齢ってなに?数え年ってなに?私には2つの年齢があるって事なの?
現代では2つの年齢を区別する必要がないから頭の中が「???」だらけになるよね。今の年齢の数え方は「満年齢」だけ。でも、ちょっと前までは「数え年」という年齢の考え方もあったんだよ。これから簡単に「満年齢」と「数え年」の違いを説明するね!
目次
還暦の疑問点、其の一:「満年齢」とは?
満年齢は、現在での年齢の表し方です。
今では誰もが疑うことなく、赤ちゃんが生まれた年は0歳で表します。
例えば、公園などで「あらー、大きくなったわね。今いくつ?」と聞かれると若いお母さんが「まだ○か月なんです〜♪」なんて答えている微笑ましい光景を目にすることがあります。赤ちゃんは生まれてから1年未満は1歳ではなく0歳なので「月齢」で表現されます。これが「満年齢」です。
この「満年齢」以前に使われていた年齢の表し方が「数え年」です。
還暦の疑問点、其の二:「数え年」とは?
数え年で年齢を表す人は現代ではごく少数派になりました。主に冠婚葬祭関係で使われるだけなので、一般の方には馴染みのない言葉です。
満年齢を使う現代では生まれた年を0歳と設定しているのに対して、数え年では赤ちゃんが生まれ落ちたその日から「1歳」と称します。その後、お正月が来るたびに1歳が加算されます。
従って大晦日に生まれた赤ちゃんは、なんと翌日には2歳になっていたのです!
生まれたばかりの赤ちゃんを2歳児と同じランクに置くなんて現代の親御さんには猛反対されそうですが、仏教では生命の誕生は受胎の瞬間にあると捉えるので誰も異を唱えなかったものと思われます。
…ということは、昔は生まれた日を祝ってもらえなかった
じゃあ数え年がメインの時代はお誕生日パーティーはどうしていたのかな?
わしも小さいころおばあちゃんに聞いてみたんだけど、生まれた日に誕生日祝いをしてもらった記憶はない、って言ってたよ。まあ、家庭にもよるかもしれないけどね。
僕はまとめてお正月に祝われてもいいけど、やっぱり僕だけの誕生日にもプレゼントが欲しいよ〜!
年に2回も誕生日プレゼントをもらいたいなんて欲張りだね。それじゃ、1年で2歳も年取ることになるかもね。
えーっ!前言、取り消しま〜す。
数え年世代の家庭では、「お正月が家族みんなのお誕生日」みたいなもの。
除夜のことを「年取り」と称するのはここからきています。プレゼントだのパーティーだのを家族のメンバーごとに用意する手間が省けて良かったのかどうかは考え方次第ですが…。
では、数え年世代は本当に生まれた日を祝わなかったのか、というと、博士さんが言うようにお祝いされていた人は少なかったようです。数え年とは生まれた日が曖昧な人が多かった時代の年齢の数え方でもあったので、生まれた日は一般的に重要視されていなかったからでしょう。
子供の成長を祝う七五三などでも原則として数え年を節目として祝っていましたが、最近では「満年齢」と「数え年」のどちらでもいいことになっています。
なぜ現代では「満年齢」が主流になったの?
数え年は明治以前から使われていましたが、1902年12月22日に「年齢計算ニ関スル法律(明治35年12月2日 法律第50号)」が施行され、「加齢する時刻は誕生日前日午後12時」であることを初めて明文化しました。数え年の習慣がない欧米と足並みを揃えるためです。
しかし、法律施行後も数え年が満年齢と併用して使われ続けたため、新たに1950年1月1日に「年齢のとなえ方に関する法律(昭和24年5月24日 法律第96号)」を施行。国と地方公共団体に満年齢の使用を義務付けて数え年を用いる場合は明示するようにしたため、しばらくの間は満年齢と数え年が併用されていましたが、現在では数え年を使う人は少数派になりました。
還暦は、結局満年齢で祝う?数え年で祝う?
それで、還暦を祝うのは満年齢?それとも数え年?
お好きなように、って事かな。
さて、懸案の「還暦はどちらの年齢で祝うべきか」ですが、博士さんによると、
とのことですが、そう言われても不安な方に根拠を説明いたします。
『冠婚葬祭のすべて』(神宮館❓)によると、
とあるので、柔軟に考えてもいいのではないでしょうか。
還暦は満年齢?数え年?悩んでいる方はこちら↓
還暦祝いを行う具体的な日はいつがいい?
さて、還暦祝いをどのタイミングで行うべきかですが、最近では満年齢(実年齢)60歳を迎えた年の、
- •誕生日、正月、ゴールデンウイーク、お盆、シルバーウイークなど
- •大安吉日
- •家族や親戚が集まりやすい日
などがおすすめされています。しかし、現代人は多忙です。
今は海外出張中で帰国できない、うっかり忘れてしまった、あるいはお祝いをする心理的経済的余裕がない、などの様々な事情が発生することもあるでしょう。そんな場合でも60歳を挟んで前後2年間の幅を持たせて還暦祝いをする柔軟対応でも大丈夫!
皆さんが還暦を迎える方を心置きなく祝って差し上げ、楽しく笑って過ごせる日をお選びになれば誰も文句なんて言わないでしょう。
還暦を迎える方も皆が一同に集まってお祝いしてくれるのならいつでも大歓迎だよね!還暦祝いはして欲しくない、って人でも、パーティ気分で祝ってもらえば「ドーパミン❓」が分泌されて脳が元気になって、やる気が出て、脳卒中や認知症の予防になって…
ハイハイ、そこまで。でも、還暦祝いの開催時期は地域によっては独特の決まりのようなものがあるのも確か。その点については後述しているから参考にしてね。
還暦という表現が嫌な方には「華甲」の名で祝っても◎
通常60歳のお祝いは「還暦」と言い表されることが普通ですが、「華甲(かこう)」の言葉でお祝いすることもできます。
華甲とは、
- 「華」の文字6つの「十」と1つの「一」に分解されるので61を表す
- 「甲」の文字甲子(きのえね)を意味し、十干十二支(じっかんじゅうにし)の第一位にある。このことから十干十二支が一回りして最初の「甲子」に戻ってきためでたい日を意味する
「還暦」の言葉に抵抗がある方には「華甲祝い」と称してお祝いの席を設けてはいかがでしょうか。華甲には還暦とは違った華やかなイメージが伴うので、すんなりと受け入れてもらえるかもしれません。
還暦祝いの時期について悩んでいる方はこちらも参照↓
「華甲祝い」ってステキな響き♪ 僕が60歳になったら還暦祝いじゃなくて華甲祝いにしてもらおっと!
助手くんの還暦祝いはまだまだ先だよ。還暦を迎える前に美味しい日本酒を研究するお仕事があることをお忘れなく。