皆さんはビールに対してどのようなイメージを持っていますか?

ポジティブな印象としては、

「スッキリとした味わいと喉越しの良さから爽快感が得られる。」

「仕事の悩みやストレスを忘れさせてくれる。」

などがあります。

一方でネガティブな印象としては、

「苦くて美味しくない。」

「糖質が含まれているから飲むとビール腹になってしまう。」

などがあります。

今回は本当にビールを飲むと太ってしまうのか、ビールをメインにアルコール飲料にはどれくらいのカロリーがあるのかについて解説したいと思います。

皆さん誤解しやすい内容なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ビール腹の正体とは?

Beer belly

ビール腹とは、お腹がぽっこり出ていてベルトの上にお肉がたくさん乗っているお腹のことです。

ビール腹と呼ぶのは日本だけでなく、世界各地でこのように呼ばれています。(英語の場合には、beer belly)

ビール腹という言葉があることで、ビールを飲むと太るというイメージが浸透しています。

果たしてビール腹は本当にビールの飲み過ぎが原因なのでしょうか?

2009年に発表されたドイツとスウェーデンの研究者による研究では、2万人を超える男女を対象に行われ、内容はビールを飲んだグループとビールをあまり飲まなかったグループのウエスト周りを比較するというものでした。

8年以上に及ぶ調査の上、ウエスト周りに脂肪がつくビール腹になる確率はどちらのグループでもあまり変わらなかったという結果が出ました。

2011年には日本で同じような研究が行われ、ビールを主に飲む人とビール以外のお酒を主に飲む人とではウエストに差がないという結果が報告されました。

上記のように、ビールとビール腹には関連性がないという研究結果が近年数多く報告されています

こうした研究結果から、ビール腹の原因は食生活や運動不足にあるのではないかと推測されています。

ビールとビール腹には直接的な原因はありません。

しかしビールをたくさん飲み、おつまみをたくさん食べる人ほど肥満傾向にあることは研究結果からも明らかにされていることなので、ビールを飲む際には飲み過ぎ、食べ過ぎに気をつけなければいけません。

 

アルコールのカロリーは高い?低い?

Is alcohol high in calories?

アルコール=肥満の原因というイメージを持っている方も少なくありません。

果たしてアルコールは本当に肥満の原因になっているのでしょうか?

ここからは、アルコールと肥満の関係性について紹介していきたいと思います。

まずアルコールのカロリーから確認してみましょう。

アルコールのカロリーは、1gあたり7キロカロリーです。

糖質やたんぱく質は1gあたり4キロカロリー、脂質は1gあたり9キロカロリーなので、ちょうど真ん中に位置することになります。

アルコールが糖質やたんぱく質、脂質と異なるのは、全てが体内で利用されるわけではないという点です。

一部はアルコールを摂取したことによる酸素消費量の増加や体温上昇に使われるため、そのまま呼気や尿などから排泄されます。

そもそもアルコールは体内に蓄積することができないため、残りのアルコールもすぐに代謝されているのです。

アルコールの摂取と肥満の関係性についてはこれまでさまざまな研究が行われてきました。

研究によって結果はさまざまなのですが、お酒を飲むことにより短期間で体重が変化することはないが、長期間では肥満に関係するという結果が多いという点は注目すべきポイントだと言えます。

つまり、お酒を長期的に飲むことで肥満になるリスクが高くなるということです。

アルコールを長期間摂取することで肥満につながるのは、アルコールの消化が関係しています。

アルコールは体内に入ると肝臓で消化されます。肝臓ではアルコールの消化が優先的に行われるため、糖や脂質の消化が後回しになり、体脂肪の分解も抑制されてしまいます。

この流れが長期的に続くと、結果として体脂肪が督責されていき、肥満の原因になってしまうのです。

先ほど紹介したように、アルコールは1gあたり7キロカロリー程度のカロリーしかなく、さらに全てがエネルギーとして使われるわけではありません。

そのためアルコールのカロリーは低いと判断してもいいような気がします。

 

アルコールのカロリーについて知っておきたいポイント

About the calories of alcohol

前述の内容からアルコールのカロリーはそれほど高くないことがわかっていただけたと思います。

ここからはアルコールのカロリーに関して、ビールを中心により具体的に紹介していきます。

ビール、発泡酒、第3のビールの糖質量は?カロリーは?

350mlの缶ビールは、どんなに安く購入できたとしても1本あたり200円程度です。

週に1〜2回しかビールを飲まない人にとっては問題ありませんが、毎日ビールを飲んでいるという人にとってはかなりの出費となります。

そこで人気を集めているのが、発泡酒や第3のビールと呼ばれるビールテイストアルコール飲料です。

ビールと発泡酒の違いはどのような点にあるのでしょうか?

ビールと発泡酒の違いは、麦芽の使用量にあります。日本には酒税法という法律があり、ビールと呼ぶためには原料である麦芽の使用率が3分の2以上でなければいけません。

発泡酒の麦芽使用率は25%程度のものが主流となっているため、ビールよりも酒税が低く原価も抑えられるため安く提供されているのです。

発泡酒の特徴は安いだけではありません。発泡酒は麦芽の使用量が少ない分、香りやコクはビールに及ばないものの、スッキリとした爽快な味わいが楽しめます。

最近では若い人を中心にビール離れが進んでおり、ビールの風味が苦手だという人も増えています。

そういった方にとって発泡酒は、ビールよりも美味しく飲めてなおかつ安い、コストパフォーマンスが高い飲み物となっているのです。

第3のビールには、原料に麦も麦芽も使用していません。

そのため酒税は発泡酒よりもさらに抑えられます。では第3のビールにはどんな原料が使われているのでしょうか?

答えは、大豆タンパクやトウモロコシです。原料に大豆タンパクやトウモロコシを使用しているため、よりスッキリとした飲み心地が特徴です。

ここでポイントとなるのは、ビールも発泡酒も第3のビールもカロリーや糖質量はそれほど変わらないということです

香りやコクが少ない分、発泡酒や第3のビールはカロリーや糖質量が少ないように考えがちですが、そんなことはないためしっかりと把握しておく必要があると言えます。

ノンアルコールビールは、アルコールが含まれていない分カロリーは低くなりますが、糖質量はビールとあまり変わらないので、合わせて覚えておきましょう。

カロリーオフ・糖質ゼロの良い点・気をつけたいポイント

発泡酒や第3のビールには、「カロリーオフ」「糖質オフ」「糖質ゼロ」などの表示がよく見られます。

ここからはカロリーオフや糖質ゼロ商品の良い点、気をつけたい点について紹介していきたいと思います。

アルコール飲料は、糖質量やアルコール度数が高いものほどカロリーが高くなる傾向にありますが、原料に含まれる糖質の「発酵度」を高めることで残糖を少なくすることができます。

カロリーオフ商品は、糖質を減らしたりアルコール度数を低くしたりすることで、ビールや他の発泡酒よりもカロリーを抑えています

糖質オフ商品を選ぶ際には、アルコール度数に注目しましょう。

糖質オフと表示されていてもアルコール度数が高くなっている商品に関しては、カロリー自体はビールよりも高くなっている場合があります。

糖質オフ=低カロリーではないことをしっかりと覚えておきましょう。

糖質ゼロ商品とは、原料の含まれる糖分が残らないように製造されたものです。

100mlあたり残糖が0,5g未満であれば糖質ゼロと表示することができます。

糖質ゼロ商品は、糖質が全く含まれていないというわけではないことは覚えておきましょう。

また糖質オフ製品と同様に、糖質ゼロ商品もアルコール度数によってカロリーが変わってきます。

アルコール度数が高いほどカロリーが高くなってしまうので気をつけておきましょう。

糖質オフ商品や糖質ゼロ商品は、ビールよりもカロリーが低いものが多いです。

そのため、ダイエット中でビールを飲みたいという方にはおすすめできる商品だと言えます。

しかし、あくまでもそれは適量の場合であり、カロリーや糖質が低いからといってたくさん飲んでしまっては肥満の原因になってしまいます

糖質オフや糖質ゼロの発泡酒でも、適量を意識して楽しむようにしましょう。

成分表とアルコールのカロリーについて

アルコール飲料は残糖量によって糖質量が決まるため、甘口のお酒ほど糖質量が多くアルコール度数が高くなります

またアルコール度数が高いお酒ほど、カロリーが高くなる傾向があります。

そのため、一般的には甘口のお酒ほど残糖量が高く、カロリーが高くなると言えます。

一般的にアルコール飲料のカロリーを調べる場合、食品成分表を参考にすることができます。

しかし成分表の栄養成分は標準成分値が記載されており、種類によっては正確なカロリーを算出することができません。

ここからは、種類別に実際のカロリーを見極めるポイントを紹介したいと思います。

●日本酒

Sake

日本酒には甘口・辛口がありますが、ワインのように甘口=残糖量が多いというわけではありません。

日本酒の甘口・辛口は残量量ではなく、酸度とのバランスで示されており、残糖量が多い日本酒でも酸度が高ければあまり甘みは感じません。

日本酒は、飲んでみて甘みを非常に感じる場合にはカロリーが高いと判断しましょう。

●ワイン

ワインのには、残糖量は1Lあたり0gに近いものから200gを超えるものまでさまざまです。

またアルコール度数に関しても、7%〜15%と範囲が広くなっています。

ワインは、甘口でアルコール度数が高い場合にはカロリーが高いと判断しましょう。

●果実酒

Fruit wine

梅酒などの果実酒は、漬け込む際の糖量によってカロリーが大きく変わります

例えば砂糖を一切使わずに漬けた場合にはお酒自体のカロリーに近くなり、砂糖をたくさん使った場合には成分表のカロリーよりもずっと高くなります。

甘みを強く感じる果実酒は、カロリーが高いと判断しましょう。

●ビール

先ほど紹介したように、ビール、発泡酒、第3のビールはほとんど同じ糖質量・カロリーです。

そのため成分表通りにカロリーを考えても問題ありません。

 

アルコールの適量ってどれくらい?

The appropriate amount of alcohol

アルコールは「適量」摂取することが望ましいという表現はよく見られます。

では「適量」とは一体どのくらいの量なのでしょうか?

アルコールに関してはこれまでたくさんの研究が行われてきました。

さまざまな研究結果を踏まえて考えると、一般的に最もリスクが少ないと推奨されている1日あたりのアルコール摂取量は20gです。

アルコール量20gをビールで換算すると約500mlです

つまり、ロング缶1本が1日に摂取する適切なアルコールの量ということになります。

1日あたりロング缶1本では足りないという場合には、休肝日を設けることをおすすめします。

先ほども紹介したように、一般的に推奨されているアルコールの適量は1日あたり20gです。

これは最も病気のリスクが少ない量であり、超えると危険な数値ではありません。

多くの研究では、1週間に300gを超えるアルコールを摂取すると身体に危険を及ぼす可能性が高くなると分析しており、この数値を守ればそれほど危険性はないと言えます。

1日にロング缶1本以上を飲みたいという場合には、休肝日として週に2日はアルコールを摂取しない日を設けましょう。

そうすることで、病気のリスクをかなり低くすることができます。

休肝日を週に2日設け、1日あたりのアルコール摂取量を60g以下に抑えればとりあえず安全範囲と言えるでしょう。

アルコールをたくさん飲むことが習慣になっている方は、まずこの基準を目指すことをおすすめします。

 

まとめ

Summary of causes of beer belly

今回はアルコールのカロリーについて、ビールを中心に紹介してきました。

一般的にアルコール=太ると認識されていますが、アルコール自体のカロリーは低く、直接的な影響は薄いと言えます

しかし長期的にアルコールを摂取してしまうと、肥満の原因となってしまう可能性が高いため、アルコールは適量を守って摂取するように心がけましょう。

 

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