ベル・ハーベンはイギリスのビールで、日本でも輸入販売が行なわれています。
分類的にはいわゆるエールビールで、フルーティーな香りや味を楽しむことが可能です。
スッキリとした味わいではありませんが、味わって飲める魅力があることから、ワインに近い感覚で楽しめるようになっています。
味に個性が出やすい種類ですから、このベル・ハーベンも独特の特徴や他にはない魅力が備わります。
スコティッシュエール
このブランドは複数の商品展開を行っており、それぞれ異なる個性が魅力となっています。
スコティッシュエールはカラメル風味で、口の中に麦やローストの香りなどが広がります。
色は濃いめのブラウンといったところで、発泡酒の薄い色味とは正反対です。
アルコールのニオイは少ししますが、それほど気にならないので、濃いお酒が苦手であっても大丈夫でしょう。
後味には焦がしたビスケットのような香りと甘さが残り、発泡酒では表現することのできない味わいが得られます。
癖らしい癖はありませんが、イギリスのエールを飲み慣れている人であれば、イギリスっぽさに気が付けるはずです。
個性が強いエールの中でも、比較的癖が弱めでライトな傾向ですから、ラガービール派の人でも楽しめます。
ウィーヘビー
ウィーヘビーもベル・ハーベンの一種で、こちらはアルコール度数が高めに設定されています。
香りがカラメル風味なのはスコティッシュエールと共通ですが、若干チョコレートっぽさも強く出ます。
モルトが感じられる上にレーズンの香りも混ざりますから、かなり複雑な風味があるといえるでしょう。
甘さも同時に感じさせるので、一言で表現するのは難しいと思われます。
一口に重みがありますから、口に含んだ時のインパクトは大ですが、後味は長引かないのですっきり感もあります。
適度な癖はあるのにしつこくない、イギリスビールの初心者にもおすすめの比較的飲みやすい一品です。
飲みごたえはあるので、さっぱりと爽快感を得たい場合には向きませんが、普通のビールに飽きたら挑戦してみることをおすすめします。
ツイステッドシスルIPA
ベル・ハーベンのツイステッドシスルIPAは、同ブランドの他のタイプに比べると、色味は至って普通といったところです。
こちらはホップの香りや苦味といった、麦芽本来の旨味を味わうのに最適となっています。
香りは柑橘らしさとトロピカルな感じを併せ持っており、飲んだ直後はカラメル風味が強いですが、苦味を経て麦芽の甘みが口に残ります。
風味が魅力的でスッキリと飲めますから、癖というほどの個性はありませんが、ベル・ハーベンの魅力を感じつつ美味しく味わえるでしょう。
どちらかといえばゴクゴクと飲める部類なので、少量で味わいを堪能するよりも、量を飲んで満足感を得たい人に適しています。
ホップの強さや苦味は適度ですから、インパクトがあるというよりはマイルドでライトです。
クラフトピルスナー
クラフトピルスナーはエールとは違ったタイプで、アルコール度数は抑えめ、苦味も少なめとなっています。
香りは他のベル・ハーベンほどではなく、泡立ちは地味なので、香りと見た目共にインパクトは小です。
色はカラメル色素によるものなので、やはりカラメル風味は感じられますが、それが同ブランドらしさを感じさせながらも、癖を最小限に留めているようです。
飲み心地にはキレがあって、ホップの香りを楽しめますが、癖がないのでゴクゴクと飲めます。
味の深みよりも爽快感を優先しているようで、適度な甘さと濃さはありますが、後味が残りにくいのが特徴です。
日本でもお馴染みのラガービールとは違いますから、飲み比べて差を確認してみるのも面白いと考えられます。
スペイサイド・オークエイジド・ブロンドエール
スペイサイド・オークエイジド・ブロンドエールは、ウイスキーのような風味に加えて、バニラの香りが加えられています。
苦味はウイスキーほどではないので、好き嫌いを分ける癖はありませんし、実際の風味はウイスキーよりもフルーティーさが際立ちます。
モルト感は少しだけありますが、香りと甘みで特徴付けられています。
香りにはほんの僅かに木の感じが混じり、日本で主流のお酒とは違った感覚の飲み心地が味わえます。
スッキリした飲み心地を求めるよりも、じっくりと味わいたい時のお供に向いているでしょう。
スコティッシュ・オートスタウト
スコティッシュ・オートスタウトは、苦味のあるコーヒーやチョコレートに例えられ、舌触りはまるでシルクのようだと形容されます。
こちらもじっくりと飲むタイプで、ロートスト系の麦の香りを感じつつ、適度な苦味が口に広がっていきます。
複雑な風味が口の中で混じり合い、暫くの間残りますから、これがラガータイプとの違いを物語ります。
アルコール度数は少し高めですが、アルコールの香りは抑えめで特に癖にはなっていないようです。
コクがあるのに重たくなく、余韻に浸りながら後味が楽しめる、そういった造りのお酒です。
喉越し重視の人には全く合わないでしょうが、味わい深いお酒が好きで変わり種を楽しみたいなら、強くおすすめすることができます。