コアなファンをたくさん持っていることで有名なハートランドビールですが、
実はキリンビールの商品であるということを知っている人はあまり多くありません。
その大きな理由としては、キリンビールの商品にある「KIRIN」の文字も聖獣である麒麟の絵柄もなく、
大地にどっしりと根を伸ばす1本の大樹のエンボスが施されているからです。
ハートランドビールのデザイン
ハートランドビールはキリンビールの中でも特色あるブランドであり、少し首の長いエメラルドグリーンのボトル、
原料はビールの原点ともいえるオールモルトを使用し、「手で触れて初めてわかる良さ」を表現したエンボスが堂々とした外見を醸し出しています。
このボトルデザインはニューヨークの沖合いに沈むヨーロッパの沈没船から発見されるラベルのないボトルからヒントを得て作られていますし、
中央に描かれている大樹はイリノイ州穀倉地帯の風景画を下にデザインされたものです。
ここにはビールを愛する全ての人の止まり木でありたい、というハートランドの理想を象徴しているといわれています。
酒は嗜好品ですから、そのデザインや色などのルックスに関することも、酒を味わう上で重要な要因の一つです。
そうした意味で、ハートランドビールにはロゴやボトルのデザインへのこだわりが相当つまっているのです。
ハートランドビールのルーツ
最初に登場したのは1986年の11月に東京都内でオープンしたビアハウス「ハートランド」のハウスビールとしてでした。
500mlの緑のボトルで提供され、キリンブランドではないビールの楽しさを提供する商品として
「素(そ・もと)-モノ本来の価値の発見」をコンセプトに新しい生活意識や価値観を持つ人に向けての発売でした。
ファンは多いのですが、残念ながら現在はこのビアハウスは無くなってしまっています。
キリンビールには様々なラインナップがありますが、ハートランドは最も歴史が長いキリンラガービールの次に来る古参ビールです。
何と30年を越えるロングセラー商品で、アルコール度数は5パーセント、賞味期限は9ヶ月になっています。
ハートランドビールのこだわりその1「原料」
こだわりなのは製造方法だけでなく、原料に対してもです。
麦芽100パーセント、アロマホップも100パーセントで、味わいが重たくなりすぎないために厳選したアロマホップを使っています。
麦芽とホップ、水だけを使用して作られていて、1986年の製造から今でも変わらない方法で作られているビールです。
分類としてはピルスナーと呼ばれるカテゴリーに属しています。
ピルスナーとは麦芽を低温で醸し、下面発酵させてつくるビールのことをいいますが、世界で最もポピュラーと言えるビールの種類です。
ちなみに上面発酵で作るビールをエール、下面発酵で作るビールをラガーと呼びますので、
つまりピルスナービールはラガービールの一種ということです。
ハートランドビールのこだわりその2「価格」
ハートランドビールの人気の秘密は、シンプルにして究極の味だけにあるのではありません。
麦芽100パーセントということで気になるのは値段だ、と考える人も多いのですが、やはりビールは嗜好品ですから価格は大切です。
しかし、例えばキリンのロングセラーであるラガービールと比べたとき、
ハートランドはラガービールよりも安い設定にされていることに気が付くでしょう。
ラガービールが350ミリリットルで200円なのに対し、ハートランドは500mlで233円です。
つまりハートランドを同じ350ミリリットル換算にすれば、163円の計算になります。
麦芽100パーセントのオールモルトビールでこの価格はかなりお得なので、
本物のビールが飲みたい、という方には値段の安さからウケもいいのでしょう。
ハートランドビールのこだわりその3「テイスティング」
そしてハートランドビールのテイスティングに関してです。
ビールの色は通常のピルスナータイプのものよりも澄んだ黄金色であり、
香りはホップによるキレのある爽やかな香りと麦芽の香りが立ち上がります。
口に含めば麦芽による甘み、そしてホップによる苦味と爽やかさが口中に広がっていき、
キレがあって喉越しのよさを感じつつも麦芽100パーセントからくる味わいも豊かで重厚と言えるでしょう。
ピルスナータイプのお手本と言われることもあるような、バランスのよさがあります。
最後はホップによる苦味をしっかりと残しつつ、飲み終わりには麦芽による甘みが鼻腔を抜けて行くなど、
すっきりとしたのみ口ながらも香りと重厚な味わいもあるビールです。
ハートランドビールを購入する方法
コンビニやスーパーで手軽に手に入るわけではないのですが、インターネットを使えば簡単に買うことが出来ます。
500mlの6本セットや20本セットなどがありますし、サイズもそのまま瓶から飲める量である330mlもあります。
おすすめはグラスにきちんとついで飲む方法ですが、外でのイベントなどではこのまま直接飲むのも良いのではないでしょうか。
プレミアムビールに分類されるのにラガービールよりも安く手に入れることが出来ますので、
スタイリッシュな瓶ビールを特別な休日に試してみてください。