日本ビールメーカーがつくっている商品として、ノンアルコール飲料というジャンルが大きく拡大しつつあります。
まだ仕事の途中でお酒を飲むことが出来ない昼食時の飲み物にしたり、
下戸の人が宴会に参加するときに注文をしたりと、いろいろな場面で飲まれており、これからも大きな成長が期待できます。
ノンアルコール飲料という名称でもアルコールが0%とは限らない
さて、アルコールが入っていない飲み物、つまりジュースや茶などは従来ではソフトドリンクあるいは清涼飲料水として扱われてきました。
しかし、今流行しているノンアルコール飲料というのは、
法的には清涼飲料水に分類されるものですが、お酒そっくりの味や風味でまるで違う印象を受けます。
ジュースやお茶は水分補給や食事・おやつのために、という意味合いで飲まれますが、
ノンアルコール飲料はお酒の代替品として気分を楽しむことが主な目的です。
ちなみに清涼飲料水といっても、アルコールが完全に無いとは限りません。
というのも酒税法ではアルコールが1%以上ならばお酒になり、それ以下ならば清涼飲料水として分類されているからです。
さらにお酒ではない1%以下の清涼飲料水でも、1%以下で0.05%以上であれば低アルコール飲料、
0.05%以下になるとノンアルコール飲料として扱われます。
未成年がノンアルコール飲料を飲む&運転しても良いのか
ここで確認しておきたいのは未成年が飲んだときのことと、車を運転するときのことです。
未成年は酒類を飲んではいけないというのは法律で決まっています。
0.05%以下でもアルコールが含まれているのに飲んでもいいのか、というのは当然の疑問です。
その答えとしては、飲んでも罰せられるようなことはない、です。
ただ、法律にはひっかからなくても、大量の飲めばそれだけ摂取するアルコールの量は増えていきます。
ですからその結果として酔う可能性はあるし、成長途中の体ではアルコールの分解ができずに、危険な状態になることだってあります。
そういうことで日本ビールメーカーでは、未成年者が飲むことを推奨していませんし、
お店でも自主的に年齢確認をして未成年への販売をお断りしています。
同様に車を運転するときも、一杯に含まれるアルコールが微量でも数時間も続けて飲めば、普通に飲酒をしたのと同じよう酔っ払います。
街で飲酒運転の検問をするときには、呼気に含まれるアルコール濃度を調べるので、何を飲んだかは問題ではありません。
酒気帯び運転として、下り締まりの対象となるのは呼気のアルコール濃度が0.15mg以上であったときです。
もし逮捕されてしまったら酒気帯び運転で3年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い罰を受けることになります。
そして、その事実が周囲に知られてしまうと仕事を失ったり、離婚の危機もでてきますから絶対に避けたいところです。
未成年であれば飲むべきではありませんし、車を運転する人も注意が必要です。
完全にアルコールが入っていない商品もありますからお店で提供されるときにはそこを確認して注文をしましょう。
ノンアルコール飲料が世間に浸透したきっかけは「飲酒事故」
さて、なぜこのようなタイプの飲み物が巷で広まったのかというと、
きっかけとなったのは2006年に起きた福岡で子供3人が亡くなった飲酒事故です。
事故の悲惨さから、飲酒運転に対する風当たりが強くなり、
さらに2009年に罰則が厳しくなったことで普通の人は酒を飲んだら運転をしてはいけないという認識が広まりました。
ただ、そうなると車で移動するときにはお酒を飲むことが出来ないというストレスを感じることになりますし、
飲み会などでは車を運転する人だけジュースや麦茶を飲むということで一緒に盛り上がれないということになります。
もし接待の席など相手の立場が上であるときには、それを咎めて無理矢理に飲まされる可能性だってあります。
そういうときにノンアルコール飲料を飲めば、本人も酔うことはないけれども近い気分を味わうことが出来るし、
周りからはあまり違いがわからないので空気を壊すこともありません。
そういった飲みたい人、飲まなければいけない人の事情が後押しして今のブームになったのです。
無色透明のノンアルコール飲料が登場
そんなノンアルコール飲料ですが、日本ビールメーカーではこれから職場で飲めるようにと無色透明の商品を売りに出しています。
お酒そっくりな色合いとパッケージは、確かに飲酒をしているような気分になれるわけですが、
職場で飲むとなれば普通のお酒を飲んでいるような誤解を受けてしまいます。
そこで容器も中身も無色透明にしてしまうことで、見た目にはミネラルウォーターを飲んでいるのと変わらないようにするのです。
ブームのおかげで人々の認知度が高まり、市場が拡大してきたものの、成長のスピードは伸び悩んでいるのが現状です。
そこで無色透明の商品が出てくることによって、これまでお茶やコーヒーが飲まれてきたオフィスで、
活躍の場が出てくるのではないかというのが商品開発の目的です。
健康を気にする人のため、カロリーや糖類・糖質ゼロの機能性商品ということも謳っており新たな進化が期待できます。