今回はビールの原料について情報をまとめていきたいと思います。
ビールの原料:麦芽
多くの人が好んで飲むビールの原料にはどのようなものが使われているのかというと、メインとなっているのが麦芽です。
味や香り、色などは種類によってかなり変わる部分であり、それらは大麦から作る麦芽によって差が生み出されます。
乾燥のさせ方によって淡色麦芽、カラメル麦芽、ファルブ麦芽などの種類があって、色や香りの特徴付けとして利用されています。
麦芽と麦とは一体何が違うのだろうと疑問に思う人もいるようですが、大まかにいえば麦芽は麦といっても間違いではありません。
より具体的に述べるなら、麦の穂についている種を少しだけ発芽させた状態のもので、芽が出た麦を指しています。
この麦芽を作るには、収穫した大麦の種を水に浸して少しだけ芽が出てきたら水から出して乾燥・焙煎させるという手間がかかります。
水分を飛ばして乾燥させることで成長が止まりますので、麦芽の状態をキープできるという仕組みです。
こんなに手間がかかるのになぜ使用しているのかというと、麦の状態では上手くお酒を作ることができないからです。
お酒を作るには発酵させる必要がありますが、発酵とは糖分をアルコールに変えることであり、酵母菌が糖分を食べることでアルコールに分解して外に出すとお酒が生まれます。
麦の場合には発酵に必要な糖分が十分に含まれておらず、糖分を生み出しやすくするためには麦芽にしなければなりません。
原料となる麦芽には条件が設けられていて、
- 穀粒の大きさや形が均一で大粒であること
- 穀皮が薄いこと
- でんぶんの含有量が多くてタンパク含有が適正であること
- 発芽力が均一で旺盛であること
- 酵素力が強いこと
- 糖化が容易でエキスの発酵性が良いこと
などを満たさなければなりません。
ビール用の大麦は日本各地で栽培されていますが、現在使用されているものの大部分は海外から輸入されています。
ビールの原料:ホップ
他の原料ではホップが欠かせません。
ビールの原料の中でも特色のあるものであり、醸造には雌株につく受精していない毬花を8~9月に収穫して使用します。
ホップを用いることによってビールに独特な香りや爽快な苦味を実現することができ、澄んだ状態にしてくれるのもホップです。
麦汁の過剰なタンパク質を沈殿、分離させることで澄んだ状態になるようです。
また、雑菌の繁殖を防いで腐敗を防いだり、泡持ちをより良くするという働きもありますので、ホップは欠かせないものだといえます。
このような作用を持つのは有効成分であるルプリンの働きによるものであり、日本では東北地方などの気候的に涼しい地域で栽培されています。
ビールの原料:水
一般的には90%以上が水ですので、水の品質は非常に重要な部分です。
衛生的で安全であることが選ぶ際のポイントであり、水としての美味しさも追求されています。
良い水を使うことでうまみを十分に引き出すことができ、品質の良い商品が出来上がります。
ですから質の良い水が得られるように工場を建てる際には立地選びが大事であり、水質条件もかなり厳しいようです。
成分的にチェックして問題がないことはもちろんですが、それだけでなく無色透明で無味、無臭であることや、生物的に汚染されていないこともチェックされるポイントです。
向いている質はビールのタイプによって異なり、一般的に淡水系にはカルシウムやマグネシウムや炭酸塩の含有量が比較的少ない軟水が適していますし、濃色系には硬水が適しています。
ビールの副原料
副原料に含まれているものとして、米やコーン、スターチなどがあり、これらは味を調整するという役割を担っています。
バランスの良い商品を作るために欠かせないものであり、消費者の嗜好に合わせた商品を醸造する手段として広く使われているものです。
日本人にとっても日本人好みの味にするために麦汁成分を調整してくれます。
これらが主に使われている原料であり、それぞれの商品によってこだわっている部分が違いますので、
色々と飲み比べてみて自分の好みに合うものを探していくのがおすすめです。
最近ではどこでも原材料に非常にこだわっていますので、飲む人たちを満足させるようなものがたくさん出揃っており、
あとは好みに合わせて選ぶというのが一般的になっています。
まとめ
共通して言えるのは、大地と水の恵みを最大限に活かして作られているということであり、豊かな自然に育まれた原材料によって良いビールが生み出されます。
飲んでみて味で好みのものを探し当てるというのも王道ではありますが、
原材料までしっかりとチェックしてどのようなものが使われているのかを把握した上で選ぶのも良い方法ですので、
今後購入する際にはそれぞれの商品について詳しく調べてみましょう。
ほとんど使われているものは変わりありませんが、スタウトの場合には発酵性エキスの濃度を高めるために加糖しており、その結果アルコール分が約8%と高くなっています。
酵母も麦芽もホップも数多くの種類が存在するため、組み合わせ次第で商品の特徴が違ってくるというのも興味深い点です。