飲み会はみんなで楽しむというのが一番ですから、そのための心がけをしておかなければなりません。
特にビールについては、頑固なビール派もいて、本音では最初から最後までビールだけで通したい、
というくらいの人もいますのでなおさらのことになります。
そこで、まずはある程度のマナーも含めたつぎ方からということになります。
ビールのつぎ方についてマナーを知ろう
ラベルは見せる
料理屋とか割烹では、瓶や缶のラベルを相手の人に見せてはならないということが不文律的にありました。
真偽のほどはともかくとして、銘柄が見えることによって不都合もあるということ、
ラベルに水滴やごぼれたものがつくのは良くないなどということからでしたが、
中にはお酒を徳利で出す場合銘柄ラベルはないので、その習慣からという説もありました。
しかし最近はラベルは見せるということがマナーになっているようです。
さりげなく銘柄を知らせるということからになります。
特にいくつかの種類を用意している宴会の場合は、銘柄の味にこだわる人もおり、
またグラスの関係で違う銘柄のものをついで欲しくないということもあるという点からの配慮ということになります。
瓶の持ち方
瓶は片方の手で瓶の中央から下側部分、もう一方の手で底を支えるようにして持つというのが基本となっています。
片手で注ぐのはマナーであり、避ける必要があります。
瓶の底を利き手でしっかりと持つとうっかりと滑らしてしまう粗相ということもなくなります。
指は広げないで揃えていると見た目もきれいになります。
注ぎ方
相手の方のグラスに瓶を付けないというのもマナーの一つです。
口をつけて飲むので、そこに瓶や缶をつけるのは、他の人とのこともあり、失礼になってしまうからです。
最初の内は勢いよく注いで、次第に速度を落とすということも覚えておく必要があります。
これは泡立ちの関係で美味しさにも影響しますが、グラスから溢れてしまうことを防ぐためにも必要となります。
よく言われることですが、注ぎ足しは厳禁です。
味が落ちるということがその理由で、グラスを干してもらい、注ぐというのが適切になります。
「おつぎします」とか「いかがですか」というような声掛けをして、
新たに注ぐわけですが、グラスの中身が3割程度になったときが目安とされています。
空になってからというのは、特に目上の人に対しては失礼になりますし、
まだ7割程度が残っているのに声を掛けるというもの失礼になってしまいます。
中にはたくさん飲めないという人もいるので、こうしたマナーを守るのが、楽しい宴会につながるというものです。
もし、お声掛けをして相手の方が飲み干さないでグラスを傾けて受ける仕草をした場合は、
注ぎ足しでは味が落ちるということはあるにしても、そのまま注ぐのがマナーになります。
グラスはまっすぐに持つのか、斜めに持つのかという点は特には決まりがありません。
泡立てるということを意識した仕草ですが、ジョッキでない限り、注ぐ時に泡のことを意識して、最初は勢いよくを守ればいいからです。
乾杯をするときに、目下の者は目上の人のグラスよりも低い位置でということも覚えておくといいでしょう。
相手の方に敬意を表するということに繋がります。
泡の作り方
これまでは形が中心でしたが、おいしいという点では、一番問題なのはいかにして泡をつくるかにかかっています。
良く言われるのは3度に分けて注ぐということですが、飲み会ではそうもいかないので、
20~30cmほどの高い位置から勢いよく注いで、途中でスピードを緩め、泡とそれ以外の比率が3:7程度になるようにするのがポイントになります。
これは、泡によって香りの発散を防ぐとか、空気との接触による酸化を防ぐとか、炭酸が抜けるのを防ぐというような意味があるからです。
ただし、これはあくまで教科書的に美味しさを引き出すための技であり、中には泡が沢山ある方が好きだという人や、
逆に泡なしの方が飲んだ気になるのであまり泡立てないでくれという人もいることには注意が必要になります。
それとともに、種類によっては泡立てない方が美味しいという、中には貴重品であるので、これも覚えておくといいでしょう。
思いやりの気持ちを忘れない
これらが飲み会を楽しむ上で必要な心がけということになりますが、実はもう一つとても大事なことがあります。
それはお互いの心配りや気づかいということになります。
人はそれぞれ性格が異なりますし、その時の家庭事情や体調なども皆違います。
だから集まった人たちは十人十色であり、しかもいつもと比べるということからすると一人十色といっても過言ではありません。
そのことを意識すると、みんなが楽しんでいるかどうかをお互いに気にしながら、楽しむということが大事になります。
何か浮かない顔をしているなと感じたら、積極的に「もう少しいかがですか」とか、
「今日はゆっくりペースですか」というように声を掛け、その反応を見て注ぐというのも一つのやり方になります。
そんなに気遣っていると美味しくなくなってしまうということもあろうかとは思いますが、大人同士が楽しむというときにはとても大切なことです。
実はマナーという言葉の語源は、「思いやり」ということなのです。