モレッティ社は1859年創立。イタリアのビール醸造会社としてはもっとも古い会社です。
素敵な紳士のイラストラベルで御馴染みのビール「モレッティ」は1860年の夏に誕生。
お酒と言えばワイン、という気風のイタリアで、研鑽を積んで生み出され、今なお愛されるロングセラー商品です。
醸造工程にマシンを使用し、各工程に正確さと合理性を取り入れましたが、このマシーンオペレーションの導入が当時としては非常に先進的であると高い評価を受けました。
このため、製法や味わいも当時のままです。
創業当時から変わらぬ味は、今ではアメリカやイギリス、日本など世界40ヵ国以上で愛飲されています。
その味わいは爽やかで、ポップの香りも華やか。
泡もきめ細かいので、瓶のままでも、グラスに注いでもどちらでも楽しむことができます。
原材料に、麦芽とホップ以外にとうもろこしが入っているのが特徴。
このとうもろこしが、淡泊なモレッティに穀物の香りと甘味を加えてくれています。
また、かんきつ類を思い起こさせる瑞々しいアロマを感じることもできて、後味はさっぱり。
キレ味は抜群なので油断するとごくごく一気に飲めてしまいます。
雑味がなく、クリアな味わいはどんな料理にも合います。
冷えたビールのフルーティーな香りと喉越しは暑い日の味方ですが、一方でイタリアでは冷たい飲み物を飲む文化が希薄な面も。
そのため冷やしすぎずに飲むことも多く、とうもろこしの甘味と独特の芳醇な香りが際立ちます。
モレッティのトレードマークといえば、ラベルにいる口ひげの紳士です。
このラベルは1942年から登場しました。
看板商品のラベルといえば創業者の顔、と思いがちですが、なんとこの男性は当時の社長がウーディネという都市で見かけた一般人。
しかし社長は、この男性のクラシックで正統派な装い、仕草といった雰囲気こそが、自社ブランドを表現するために探し求めていたものだとして彼に写真の撮影を頼みこみました。
その写真はモレッティのポスターに。
そして現代でも、ラベルの中でイタリア紳士の優雅な姿を見せてくれています。
同じラインナップのビールの中には、麦芽をより多く使用し、濃厚な味わいに仕上げたドッピオ・モルトがあります。
グラスに注げば、トーストや焼き林檎のような甘く香ばしい香りがたちのぼり、フルーティーな余韻と酸味が特徴。
チーズに合うそうです。
他には、カラメルの芳醇な香りが際立つラ・ロッサというものも。
こちらは苦味と酸味、そして甘味をそれぞれ味わうことのできるスッキリした飲み口のビールで、お肉やお菓子とも相性がいいそうです。
他にも、モレッティのラインナップにはイタリア地方の特色を生かしたものなど、魅力の違うフレーバーが豊富。
どのフレーバーも、どんな料理と合うのかといった飲み方の提案がなされています。
まるでワインのような楽しみ方ができるのも、イタリアの老舗ならではの魅力。
イタリアの醸造所で唯一、ワールド・ビア・カップにて金賞と銀賞の両方を受賞した、確かな実力をうかがわせるビールです。