シュナイダー ヴァイセとはドイツのミュンヘンにて1872年に立ち上げられたビール醸造所となります。
創業者のゲオルク・シュナイダー氏はかって王立醸造所のビール職人でした。
しかし王がそれまで莫大な利益をもたらしていたヴァイスビール、つまり小麦ビールの流行が過ぎたとみるや、その専売特許を手放すことを決意。
そしてその際に、ゲオルグはそれを買い取って自身が責任を持ってこのバイエルン地域伝統のヴァイスビールの醸造を続けていくことにしたのです。
現在まで代々家族経営を続けていますが、大手のビールメーカーに買収される小規模のブルワリーが多い中創業当時と変わらず独立して操業を行っています。
また現当主の6代目が就任してからは伝統の製品以外にも様々な新製品を市場に提案、存在感は年々高まっているのです。
シュナイダー ヴァイセの特徴ですが、これはやはり長年の伝統に則って変わらぬ味、市場のトレンドに迎合しない精神をコアを持っていることです。
創業以来代表銘柄として多くの人に親しまれている「シュナイダー・ヴァイスオリジナル」。
どことなくスパイシーな香り、そして濃いオレンジかかったブラウンの液体と絹のようななめらかな泡が特徴のヴァイスビールです。
飲んでみるとほんのりと小麦由来の甘み、スッキリした喉越しを楽しめます。
他醸造所でヴァイスビールとしてのベンチマークに選ばれるほどのいわゆる「決定版」であり、常にプロフェッショナルからの注目を集めています。
さらに実際各国の品評会でこれまでに膨大な高評価を得ている存在でもあるのです。
もう一つの銘柄「シュナイダー・ヴァイスアヴェンティヌス」もオリジナル同様に長らく製造が続いている製品で、市場に登場するのは1907年という歴史を誇ります。
こちらはアルコール度数が8.2%と高いのが特徴となっており、やはり濃いブラウンカラーに絹のように優しい口触りの泡が強く発生するのです。
スタイルとしてはドッペルボックですのでボディ感がずっしりとくるのが飲んだ際の印象で、熟したバナナやプラムのような濃厚フルーツの香りが漂うのです。
煮込み料理やロースト肉と合わせると極上の時間を演出できますし、それ以外にチョコレート系のデザート、チーズなどと合わせられるのが魅力です。
現在この2つ以外にも様々な銘柄が販売されるようになっています。
基本的に、すべての製品で創業者がこだわっていた伝統とレシピをリスペクトしたアプローチにて製造を続けている、というのもシュナイダー ヴァイセの特徴です。
ビール純粋令と呼ばれる法令がかつてドイツでは施行され、これによって高い品質のビールを生み出すことができていましたが、具体的には水、大麦、小麦麦芽、ホップ、酵母のみを使って醸造することになります。
現在は必ずしも守る必要はなく、しかしその伝統を守ることで大量生産品とは格の違う製品作りを可能としており、世界数十国に流通できるようになった原動力にもなっているのです。