伝説の僧、鳩摩羅什の名のもとに・・・

食事との相性は一番楽しい悩みどころ。やっぱり和食が◎です。

◆無名だった酒がプレミアムを超えた日

約10年程前から起こったプレミア日本酒や焼酎ブーム。それらが酒業界を賑わせている頃、この鳩摩羅什(クマラジュウ)は新潟の片田舎で誕生しました。当時はいわゆる有名どころの日本酒や、大手メーカーの一般流通している普通酒が清酒販売の多くを占めておりました。有名無名に係わらず、いったんマスメディアで取り上げられると一番大事な味を後回しにしながら、ただ銘柄だけに有難がるお客様に対しては、メディアで取り上げられた酒蔵さんも困惑し嘆いていた頃がございました。

お酒は嗜好品であるため、必ずその人の好みが出てきますので絶対に美味しいとは言えません。その反対に美味しくないとも言えないのです。それは作り手も十分承知の上の事。

そんな折、誕生したこのお酒を飲んだ時、主観混じりにも「このお酒は本当に旨かった」と全国に向けて紹介しました。悦ばしくも日本酒通の方や普段はワインを召される方に興味を持ってもらい、飲んだ方からの美味しかったのお声と共に、初登場にして楽天内の全ての日本酒を超えて売上第一位を記録したのでした。それからは常にランキングを賑わす隠れた銘酒として、メディアには一切露出せずに醸し続けられている銘酒なのです。

世界を魅了する美しきニッポンの和酒

海外では吟醸酒ブーム。世界中に広がる日本の酒。

◆世界に向けて醸された王道の日本酒!

鳩摩羅什 [くまらじゅう]とは、西暦350頃~409年頃、中国の南北朝時代初期に仏教経典を訳した伝説の僧の名前です。

七歳の時に出家し、十年足らずの間に経論の翻訳を行うとともに、多くの門弟(三千余人)を育てたといわれています。東アジアの仏教は、鳩摩羅什によって基本的に方向づけられ、仏典とは、鳩摩羅什の漢訳をもって頂点とし、東アジアに仏教が今日も栄えているのは、鳩摩羅什の正確且つ美しい言葉で訳された翻訳が存在したからだと言われています。

幼少の頃から神童と知られ、彼ひとりをめぐっては戦争が起きた程でもありました。やがて大乗仏教はシルクロード通じてアジア全土に広まり、遥か東の日本にも伝来しました。西から東に伝わった仏教文化において多大なる影響を与えるに至った伝説の人物の名前です。

彼の名を付けたこのお酒は、世界に多大なる影響を与えた鳩摩羅什の名のもとに、美しきニッポンの酒(SAKE)を世界中に知ってほしいとの心内から純米大吟醸『鳩摩羅什』と名付けられました。

果実の瑞々しい香りから、あなたは心地よく酔わされる。

新潟の酒だけあって、お造りなど海の幸とは相性抜群

◆飲んだ後もしっかりと旨味が戻る逸品

栓を開けると気品のある上品な香りが立ち上がります。例えるなら洋梨やゴールデンデリシャス(黄リンゴ)、夕張メロンやグレープフルーツ等、果実の瑞々し い香りがし、アカシア、桜の花の香りが主体となって心地よく酔わされます。

口に含むと無限に広がっていく五百万石(酒米)の旨さ。

その味わいは膨らみがあり柔らかで綺麗な印象です。飲んだ後には酒本来の旨味が戻ってくる絶品に仕上がっております。

特徴として、繊細な甘味と酸味とのバランスが素晴らしく綺麗に保たれており、後味のほんのりとした苦味がより一層上品な味わいに仕上げていると思います。

やさしく上品な味わいと香りが楽しめるこのお酒は、食前酒に最適。料理と合わせるならほんのり甘味を持つ素材が◎。 甘エビのお刺身、カニしゃぶ、湯葉料理などがお酒もお料理も愉しめる一番の組み合わせかと思います。また、この酒は冷・常温・ぬる燗、どれも味わい深いで す。

新潟地酒の美味しい特徴

その圧倒するクオリティ

日本海に面する北陸4県の一番東に位置し、その面積は北陸4県の半分近くを占め、全国5位の広さを誇ります。日本一の穀倉地帯で作られる米は世界ブランドでもあり米の大生産県であります。

一年を通して降水量が多く、寒冷な気候のため酒造りにおいては低温長期発酵の条件に恵まれています。豊富な雪解け水はソフトな軟水タイプで、軽快で柔らかな飲み口の地酒が醸されます。

酒の原料としては酒造好適米「五百万石」、近年では「越淡麗」が栽培され、越後杜氏の手によって、淡麗辛口タイプに仕上げられますが、今では淡麗辛口以外にも芳醇甘口のお酒など酒質のバリエーションはますます広がっています。

吟醸造りのレベルの高さと、全国第1位の95蔵(2011年現在)を県下に抱えており、全国新酒鑑評会の金賞受賞数は常に他県を圧倒しています。 小規模メーカーが多く、六日町、湯沢などの扇状地と新潟、柏崎などの砂丘地や長岡周辺に集中しています。

空気の浄化をしてくれる雪

㊁ 雪が空気を浄化。豊かな自然に囲まれた酒造り

新潟のイメージを伺うと、「お米」「雪」そして「お酒」と答える方が多くいらっしゃいます。新潟には美しい自然の恵みと、日本海に面し、山間に囲まれた環境から四季の変化に富み、豊富な食材を生かして遥か昔から豊かな酒文化を育んできました。冬の厳寒期は酒造りに見事に適した風土であり、新潟の美味しい米と水で造られる「淡麗辛口」は常に人々を唸らせてきました。新潟の冬、深々と降り積もる雪は、人工では難しい空気の浄化を自然と導いてくれています。

湧き出る天然水が非常に多く存在

㊂ 豊富な天然水、8割が水の日本酒は”水”で決まる

日本酒の80%の割合を占める”水”は、お酒の品質を左右するとても大きな要因です。幸いにもここ新潟には名にし負う「雪国越後」。吹き付ける吹雪の激しさ、この雪はやがて清水となって地下に染み入り、数年後ミネラルを多く含んだ清冽な良水となって輝きを増して汲み出されます。酒蔵はそれぞれ自分たちの酒に合う水を求め、造りの時期はほぼ毎日惜しまず汲みに行きます。

秋には黄金色に揺れる稲穂

㊃ 日本人の主食でもある米、黄金に輝く美田

米どころでもある新潟は、食米では魚沼産コシヒカリ等が有名ですが、酒米では高級酒などに多く使われている五百万石、高嶺錦¥、また山田錦と五百万石を掛け合わせ、新潟の大吟醸用として誕生した越淡麗などがございます。 米の品種も酒の味に大きく係わりを持つため、酒造りにおいて米に掛かるコストの割合も日本一であり、新潟で育った米と水を使用した酒は世界に誇れる”淡麗辛口”あると言えるでしょう。

手造りで行う越後杜氏の吟醸造り

㊄ 切削、越後杜氏と新潟淡麗”吟醸造り”

新潟の人と特徴に「まじめ」という言葉が多々ございますが、酒造りにおいての越後杜氏たちもその名の通り。ライバルである酒蔵の杜氏達は情報を供給し合ったり、勉強会を開くなどし日々切磋琢磨しております。交流を持ち、自身においては妥協しない吟醸造りは代々受け継がれ今日に至ります。さらに県酒造組合では若手後継者の育成にも力を注いでおり、多くの越後杜氏が県内外の酒蔵において活躍されています。

2011年現在、新潟県内には全国一の数となる95の蔵元があり、日本酒の消費量も日本一となっています。2004年からは新潟のお酒を広くアピールしようと、県内のほぼ全酒蔵が集い、数百種類、様々なお酒を試飲出来る”酒の陣”というイベントなども開催し、全国から数百万人の日本酒ファンを招いています。良質の酒米と清らかな水、寒冷な気候、越後杜氏の匠の技術が一体となり造られたお酒は、今日では日本だけでなく、海外からの需要も多くなり、和食だけでなくフランス料理など様々な食事と合わせて楽しめるお酒として、世界中の日本酒ファンを魅了しています。今回、ご紹介するお酒でも、また一人新潟の地酒ファンになっていただき、お楽しみいただけましたら幸いです。

酒蔵紹介 今代司酒造

新潟唯一の全量純米仕込み蔵

寛政9年(1797年)創業の老舗、今代司酒造。

新潟市の港近くに位置し、魚市場などが近くにあったりと潮の香りが少し漂う。日本一の潮流「信濃川」の最終地点、そこに今代司酒造はあります。

創業当時、蔵の目の前には海に流れ出る栗ノ木川と呼ばれた川が流れており、周辺の穀倉地帯の米などを船で港に運ぶための重要な交通路でありました。またこの地域では非常に良質な天然水を豊富に得ることができたため、川沿いを中心に酒や味噌、醤油などの醸造業が栄えていました。一時は酒だけでも8件の造り酒屋がありましたが、現在製造を続けているのは今代司酒造と越の華酒造の二軒だけになってしまいました。

今代司酒造は全ての製造する酒において、醸造アルコールを一切添加しない造りを行っており、その姿勢は約100蔵あるうちの新潟県内でも唯一、全国で約1500もある酒造の中でも、わずか16蔵しかないうちの一蔵であります。それはいわゆる、味わいを意図的に調整するわけではなく、また醸造アルコールを一滴も添加しないため、米と米だけで微生物が自然の力で造り出した日本酒(純米酒)だけを醸す蔵となります。

現在も醸造の町(発酵の町)との軒並みの中で蔵を構え、「今代司」としての暖簾を守り、大量のお酒を造らずに、少量の純米酒をただひたすら造り続け、淡麗で雅味ゆたかな味を極め続けております。