アンカーはアメリカのサンフランシスコで1896年に創業した酒類製造会社です。
アメリカを代表するマイクロブルワリー(地ビールメーカー)として知られます。
アンカー ビールの歴史
ルーツは19世紀中頃に起こったカリフォルニア・ゴールドラッシュで、
1854年にドイツ人の醸造技術者のゴットリーブ・ブレクルが開業した醸造所がルーツで、
1896年に2つの醸造所を買収して社名を現在のものとしました。
このため会社名は正確にはアンカー・ブルーイング・カンパニー(AnchorBrewingCompany)となっています。
創業の歴史が古いメーカーですが、20世紀中頃は厳しい経営状況にあり廃業寸前でしたが、
フリッツ・メイタッグが1965年に買収し、1975年には黒字経営に転換しており、
今ではアメリカを代表するマイクロブルワリーとしてアメリカで広く知られる酒類製造会社です。
なお、2017年には日本のサッポロホールディングスの傘下となっています。
アンカー ビールのラインナップ
特に創業から製造されているアンカースチームは主力商品でありアメリカ地ビールのパイオニアと呼ばれています。
このほかにもリバティーエール、ポーター、ゴーウエスト!IPA、オールドフォグホーン、クリスマスエールなどを販売されており、
アンカーが製造している製品は日本でも三井食品株式会社が輸入代理店となっており、
洋酒専門店やインターネット通販でも購入することが可能です。
アンカースチーム
主力商品のアンカースチームは、355mlの瓶入りが日本では売られています。
本格的な麦芽を感じさせるしっかりとした味わいで、ハンバーグやソーセージ、ジャーキーなどに合うものです。
この製品はアメリカ・ゴールドラッシュの時代に大ブームとなったビールの復刻版でラガー酵母をエール酵母と同じように常温で発酵させ、
ラガー特有のコクと麦の香りがありながらエールのような華やかな香りがあります。
アルコール度数は5%です。
アンカー リバティエール
リバティーエールも同じ355mlの瓶入りと355mlの缶入りが売られています。
アメリカンペールエールらしいフルーティーな香りがあります。
味合いはホップ由来の苦味の強い味合いで、魚介類料理やクリーム系料理、肉料理に合います。
熟成初期にはアメリカ産のカスケードホップをタンクに投入するドライホッピングを行うことで、
マスカットのようなフルーティーなフレーバーとなり、また素晴らしくきめ細やかな炭酸ガスを生み出しています。
アルコール度数は若干高く6%です。
アンカー ポーター
またポーターは、コクのある力強い黒ビールでコクがありビターでスパイシーです。
355mlの瓶入りが輸入されており、ミックスナッツやジャーキー、チーズなどによく合います。
濃厚な泡立ちと深いコクがありますが、新鮮なホップと自然に発生した炭酸ガスによってなめらかな苦味が強い黒ビールです。
またスタウトほど濃厚ではありませんが、力強いボリュームがありつつもさっぱりとした味わいに仕上がっています。
アルコール度数は5.5%です。
ゴーウエスト!IPA
ゴーウエスト!IPAは、アメリカのゴールドラッシュのシンボルである象がラベルには使われており、苦味の強いしっかりとした味わいです。
この味は4種類のホップを使用しており、苦味はもちろん香り高いのも特徴です。
肉料理やポテト系料理によく合います。
商品名に使われているIPAはインディアペールエールの略で、18世紀末ごろにイギリスから、
インドに輸送するさいに品質劣化防止を目的として通常より多めのホップを使用したものです。
これらがしっかりとした苦味のもととなっています。またアルコール度数も6.5%と高めです。
アンカー オールド・フォグホーン
オールドフォグホーンは、麦のワインとも呼ばれる少しリッチな商品で、キャラメルやハチミツを連想させる甘さがあります。
甘みが強くフルーティーな香りですから、チーズやナッツ、プリッツェルなどに合います。
一方でアルコール度数は8%から10%と高めです。
アンカー クリスマスエール
一方でクリスマスエールは、その名の通りクリスマス限定に発売されるもので、毎年違うレシピを使って製造されています。
シナモンやナツメグなどのハーブやスパイス類で風味付けされており、ローストチキンなどクリスマス料理に合うように作られています。
アルコール度数は毎年の製造によって異なります。
お祝いとして飲まれるもので355mlのほか1500mlの瓶入りが発売されています。
アンカー セゾン スプリングエール
アンカーでは本格的な麦や大麦の麦芽とホップを使ったビールを中心に製造をしていますが、
セゾン・スプリングエールは発泡酒の区分になります。
セゾン・スプリングエールはその名の通り春限定で販売されているものです。
セゾンはベルギー発祥のもので、もともとは農家の人々が春から夏にかけて農作業のさいに喉を潤すために飲まれていたものです。
このため清涼感のあるさわやかな味わいです。
原材料には麦芽とホップのほかレモンピール、ジンジャーといったハーブが使われています。
清涼感あふれる飲み物ですがアルコール度数は7.2%と高めであり、軽めの前菜や魚料理に合います。