ピルスナー・ウルケルは、チェコのプルゼン(プルゼニ)という町で造られています。
このビールは誰もが「ビール」と聞けばイメージする飲み物のルーツといえる存在です。
ビールを飲んだ時の苦みや炭酸の爽快感、そしてのど越しの良さと透きとおる綺麗な淡い黄金色がすべてピルスナー・ウルケルは持っています。
このピルスナー・ウルケルは1842年にチェコの首都プラハから南西約100kmに位置する、プルゼン(プルゼニュ)という町で生まれました。
13世紀から15世紀はヨーロッパの都市と商業の発展に伴って、ビール醸造所が造られてるようになりました。
ですが、19世紀になってもまだビールの品質は安定しておらず、粗悪なものも多く出回っていました。
チェコのピルゼンのビール醸造職人たちは、ビールの品質や味を安定させ向上させる技術を模索していました。
そして思いついたアイディアが、新しい醸造所を建てることでした。
その為には新しい知識が必要となります。
誰をと考えた末に白羽の矢が立ったのが、ビール醸造職人でもあり建築家でもあった若きマーティン・ステルサーでした。
彼をビール醸造所造りについて学ぶ旅に送り出し、これが成功を納めます。
1840年に無事プルゼンへと戻ったマーティン・ステルサーは、この地に近代的な醸造所を建てました。
そして、彼の功績はもうひとつあり、それはドイツのミュンヘンからビール醸造職人(ラガータイプ)を連れて戻ったことです。
1842年にピルスナー・ウルケルが誕生し、これまでは濃い褐色のビールが多かったなかで、ピルスナー・ウルケルの黄金色に輝く飲み物にとても驚いたそうです。
このビールが誕生したのには、チェコで生産される大麦とホップの品質が非常に高いこともあげられます。
さらに、ヨーロッパでは珍しく、ピルゼンの水はカルシウムなどの含有量やアルカリ度が低い軟水だったことも幸運となりました。
この水がラガー酵母との相性が非常に良い状態であったのです。
ピルスナー・ウルケルは、その見た目の素晴らしさにしばらく酔いしれることからはじめられます。
グラスに注いだ時にはきめの細かいふんわりとした真っ白な泡と、その淡い黄金色に見とれてしまいます。
そして口に含むとピリリとした強めの炭酸の刺激に、ホップの苦みが舌の上に広がっていきます。
苦みが好きでない・苦手というかたには苦みが強く感じるかもしれません。
このビールは下面発酵(ラガー)に属し、コクは強いながらもアルコール度数は低めとなってホップの風味と苦みが重要な要素となっています。
ですが、ビール好きにはたまらない、癖になってあとを引く味となることでしょう。
アルコール度数は4.4度で、モルトの香ばしさはどっしりとしたパンのような香りが鼻を抜けて行きます。
飲みごたえはありますが、重すぎず軽すぎず、飲み慣れているビールよりも少し重いかもしれません。
和食にも洋食にも、種類を選ばす楽しめるビールといえます。