ノルト・ザクセン

ウーァ・クロスティッツァーはドイツのザクセン州、ライプツィヒの近郊であるノルト・ザクセンのクロスティッツという街で造られています。

この醸造所は16世紀から創業している歴史ある老舗として知られており、1899年には9万ヘクトリッター以上も醸造量がありました。

ウーァ・クロスティッツァーのビンに貼られているラベルは、1618年から1648年まで闘った30年戦争時代にライプツィヒへと進軍していくスウェーデン王グスタフ2世アドルフの肖像画です。

なぜスウェーデン王がラベルの肖像となったかといえば、進軍中にグスタフ2世アドルフが気分転換になる飲み物をこのクロスティッツの醸造家に所望したところ、それがなんとも美味いビールだったことから、その礼として自分の金の指輪を与えたとされていることから由来しています。

クロスティッツの醸造権は1534年にゲオルグ公爵がクロスティッツ騎士領のハンス・ヴァールに与えたものでした。

1738年には琥珀ビールの販売が行われ、1803年にはほかに強ビールと弱ビールが醸造されていました。

東ドイツ時代には国有化されていましたがウーァ・クロスティッツァーは大変人気のある銘柄でした。

ライプツィヒ

東ドイツのなかでもライプツィヒは特にビールの消費が高い地域で、ドゥンケルビール」や「クロスティッツァー・ラガー」、「ボヘミアン風ビール」のほか、季節によっても「ボックビール」に「メルツェンビール」などを扱っていました。

色々な銘柄のビールも生産されていました。

ベルリンの壁が崩壊したのちの1990年にクロスティッツ醸造所は、フランクフルトのアム・マインにある合資会社ラーデベルガーグループの傘下となり、それ以後は多くの新築や改築・近代化を重ね、現在は年間40万ヘクトリットル近くを生産する大規模醸造所となっています。

古くから醸造所に伝わるマニュアルに忠実に従い、黒ビールと繊細でドライなピルスナーを製造しています。

なかでももっとも歴史があるウーァ・クロスティッツァーですが、銘柄として販売されるのは1904年になってからでした。

その醸造レシピには近年変化が見られ、アルコール度数が5度から4.9度に、ホップはホップ抽出物となっています。

ビール

グラスに注いだ姿は淡い黄金色に輝き、香りは干草を思わせるさわやかさがあります。

そこで、肝心なウーァ・クロスティッツァーの味ですが、しっかりとした呑みごたえのあるずっしりとしたボディをもっています。

ビール独特の苦みもきりっとした苦みが強めに舌に残りますが、ふわりとしたほのかな甘味も感じさせます。

この点は北ドイツの辛口のピルスナーとはちょっと異なる味の特徴でしょう。

呑み応え十分なので、日本のビールをゴクゴクと呑むのとは違い、じっくりと味わって呑みたいビールといえます。

洋食であれば肉料理に最適のビールとなるはず、日本料理であっても煮魚やすき焼きなどのお供として楽しめるでしょう。

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