ビールに関する素朴な4つの疑問についてお答えします!

ビールを飲んでいて、ビールに関して疑問が湧くことはありませんか?今回の記事では、ビールに関する素朴な疑問を4つ紹介し、その疑問を解決していきたいと思います。では早速1つ目の疑問をみていきましょう。

ビールと発泡酒の違いとは?

ビールと発泡酒、スーパーや酒屋では同じ場所に陳列されています。皆さんはこれら2つの違いを知っているでしょうか?実は2018年4月1日より、日本におけるビールの定義が変わりました。ここでは定義が変わったビールと発泡酒の違いについて紹介していきます。

ビールと発泡酒の新定義とは?

ビールと発泡酒の違いは、「麦芽比率」と「副原料の内容・使用料」にあります。麦芽比率とはホップと水を除いた原料の質量中に対して麦芽が占める割合のことです。例えば麦芽比率100%のビールには、副原料が一切使われていないことになります。では、2018年4月1日より新しくなったビールと発泡酒の新定義についてみていきましょう。

・ビールの定義
麦芽比率50%以上であること。
副原料の重量の合計が、使用麦芽の重量の5%以内であること。

・発泡酒の定義
麦芽比率が50%以下であること。
麦芽比率が50%以上であっても、ビールに使える原料以外の原料を使用しているもの。
麦芽比率が50%以上であっても、規定量を超えて副原料を使用しているもの。

ビールには使用できる副原料が決まっており、麦芽比率が50%を超えていてもそれ以外の副原料を用いたり、規定量以上の副原料を用いたりしてしまうとビールとは認められません。
一方発泡酒は、麦芽さえ使っていればどんな副原料を使用していてもいいため、ビールに比べてかなり自由に作られていると言えます。

ビールの定義が変わったことで何が変わるの?

2018年4月の酒税法の改正によりビールの定義が緩和されました。今までは麦芽比率67%以上でなければいけなかったものを50%以上に下げ、使用できる副原料を増やしました。これによって今までは発泡酒だったものがビールとなり、これまでは認められていなかった副原料を使用した新しいビールが発売されるなどの変化が起きています。

ビールの定義が変わったことにより、私たちがビールを購入する際の選択肢が増えることは間違いありません。どちらかといえば停滞気味であったビール市場を盛り上げる良いきっかけになるでしょう。

 

生ビールの「生」って何?

皆さんは生ビールの生が何を意味しているのか知っていますか?生ビールは居酒屋で飲むビールのことでしょ?と思われる方もいるかもしれませんが、私たちが普段から飲んでいる缶ビールや瓶ビールも生ビールなのです。

生ビールの秘密

生ビールについて知るためには、ビール造りの工程を知る必要があります。一般的なビール造りは以下の方法で行われています。

  1. 原料選び
  2. 製麦
  3. 粉砕
  4. 仕込み
  5. 発酵
  6. 熟成
  7. ろ過・熱処理
  8. パッケージング

上記が一般的なビール造りの工程になるのですが、生ビールの秘密について知るためには、7つ目の「ろ過・熱処理」という工程がポイントになります。
7つ目の工程で熱処理が行われたビールを「熱処理ビール」と呼び、熱処理が行われないビールを「生ビール」と呼んでいるのです。
つまり生ビールとは、ビール造りの工程で熱処理が行われていないビールのことなのです。

熱処理を行う理由とは?

熱処理を行う理由には、大きく2つのことがあります。
1つ目は酵母の働きを止めること、2つ目は醸造の工程で混入した雑菌の活動を可能な範囲で止めることです。
熱処理は50~60℃程度の比較的低い温度で行われ、以前であればビールを美味しくするためには欠かせない工程でした。現在では醸造技術の発展により、ろ過によって酵母を除去することが可能となったため、ほとんどすべてのビールが「生ビール」なのです。

生ビールと熱処理ビール、飲み比べしてみよう!

現在では販売されているほとんどのビールが生ビールとなっているのですが、中にはスーパーなどで購入できる熱処理ビールも存在しています。
例えばサッポロラガー、キリンクラシックラガー、アサヒスタウトが熱処理ビールとして現在でも販売されています。
生ビールと熱処理ビールでは風味や味に大きな違いがあるため、飲み比べしたことがない人はぜひやってみてください。

黒ビールが黒いのはどうして?

黒ビールを好んで飲むという方もたくさんいることでしょう。そんな方でも黒ビールが黒い理由についてはよく知らないものです。黒ビールが黒いのはどうしてなのでしょうか?

黒ビールが黒い秘密

黒ビールが黒い理由について知るためには、ビールの原料について知っておかなければいけません。ビールの主原料は、麦芽(モルト)、ホップ、水、酵母の4つなのですが、中でも麦芽はビールの味、香り、色の決め手となる重要な原料です。
すでにわかっている方もいるかもしれませんが、黒ビールが黒い理由は「麦芽」にあるのです。

麦芽を作る工程のことを「製麦」と言います。製麦には以下の2つの工程があります。
・焙そう
芽が生えた麦芽を80℃前後の熱風で乾かし、麦芽の成長を止める作業です。この作業のみでできた麦芽は「淡色麦芽」と呼ばれ、ビールのベースとなります。
・焙煎
100℃以上の高い温度で麦芽を焦がす作業です。この作業でできる麦芽を「濃色麦芽」と呼びます。

濃色麦芽には焙煎する時間によって色の違いがあり、キツネ色の「カラメル麦芽」、チョコレート色の「チョコレート麦芽」、真っ黒の「黒麦芽」などがあります。そして黒ビールが黒いのは、この濃色麦芽を使用しているからなのです。
黒ビールに含まれる濃色麦芽は数%〜10%程度であり、その配合率を変えることでいろんな色合いや味わいのビールを作ることができるのです。

代表的な黒ビールの種類

日本では色の濃いビールを黒ビールとひとくくりに呼んでいますが、世界的には黒ビールは4つの種類に分類されています。
以下、簡単にではありますが黒ビールの代表4種類を紹介していきます。

・デュンケル
ドイツのミュンヘンで古くから造られているラガービールです。真っ黒になる手前まで焙煎した麦芽を使用しているため、麦芽の風味が非常に強くなっています。その分、ホップの香りと苦味は控えめになっており、口当たりの軽いまろやかな味わいのビールです。

・シュバルツ
ドイツのバイエルンが発祥だと言われているラガービールです。シュバルツはドイツ語で「黒」という意味で、真っ黒になるまで焙煎した濃色麦芽を使用して造られています。
ビターチョコレートやコーヒーのような香ばしさがあり強い苦味が特徴ですが、その割には飲みやすくなっているため、世界中で愛されているビールの一つです。

・ポーター
ポーターは18世紀初めにロンドンで流行っていたブレンドビールを手本として造られました。ポーターには、やや濃い茶色をしたコクのある味わいが特徴のブラウンポーターや、黒色でシャープな苦味が特徴のロブストポーターがあります。

・スタウト
アイルランドが発祥の真っ黒なエールビールと言えばスタウトが有名です。真っ黒になるまでしっかりと焙煎しているため、見た目も真っ黒で、苦味が強い濃厚な味わいに仕上がっています。

普段から黒ビールを好んで飲んでいるという方は、上記4つの黒ビールを飲み比べしてみてくださいね。

 

ビールはどうして苦いの?

ビールが苦いのは原料にホップを使っているからです。ではホップとはどのようなものなのでしょうか?

ホップって何?

ホップとは、アサ科カラハナソウ属のつる性の多年生植物の一種です。主な生産地は冷涼で乾燥した地域で、ドイツやアメリカ、チェコなどで多く生産されています。日本国内では北海道や青森、岩手、秋田などで生産されています。
ホップにはたくさんの香り成分や苦味成分が含まれているため、ビールの苦みを出すために欠かせない役割を担っているのです。

ホップが使われるのはどの工程?

ビール造りの工程には、仕込みと呼ばれる工程があるのですが、ホップはこの工程で使われるのが一般的です。
甘くなったもろみをろ過してできた麦汁にホップを入れて煮沸することで、ビール特有の爽やかな香りや苦みを麦汁につけることができます。

ホップの爽やかな香りや苦みをよりつけるためには、ホップの煮沸する時間を長くする、煮沸するホップの量を多くするなどの方法があります。この2つの方法を試すことで、より苦味の増したビールを作ることができるのですが、苦すぎると飲めなくなってしまうため、職人の腕が試される工程だと言えます。

ホップにはこんな役割もある!

ホップは単にビールに苦みをもたらすだけではありません。ホップには以下の3つの役割もあるのです。
・殺菌作用
・ビールの清澄化作用
・泡の形成と泡持ちをよくする作用
ホップの殺菌作用によって、ビールに雑菌が繁殖するのを抑え、品質を安定しやすくなります。またビールの清澄化や泡持ちをよくする効果など、ビールをより美味しくするために大切な役割を担っていると言えます。

またホップにはリラックス効果や安眠を促す効果などがあると言われています。さらに認知症予防効果や体脂肪低減効果などの薬理効果もあると言われており、健康のためにもホップは重要な役割を担っていると言えます。

ビールの主原料であるホップについて詳しく知っているという方は少ないでしょう。ホップについて知ることでよりビールを美味しくいただけるので、ぜひこの機会にホップに関して調べてみてくださいね。

 

まとめ

今回はビールに関する素朴な疑問を4つ紹介し、それぞれ解説を行なってきました。ビールをより美味しく飲むためには、より深くビールについて知っておくことが大切です。今回の記事をきっかけにして、ビールについての知識を増やしていってくださいね。

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