ウェストフレテレンというビールは、ベルギーにある修道院の中で醸造しているトラピストビールの銘柄の1つになります。
ボトルにはラベルが貼り付けられていません。
なぜかというとこのビールは市場に卸していないため直接ベルギーにある修道院に出向いて買わないと手に入れることができないからです。
修道院に併設しているショップで箱単位で買うことになります。
直接手渡すことになるのでラベルを貼り付ける必要がないということになります。
修道院にはこの貴重なウェストフレテレンのビールを手に入れるために世界各国から訪れた自動車でいつも行列ができています。
また電車で訪れる人もおり、そのほとんどの人が1箱分のビールを確保した後は修道院に併設しているバーに立ち寄りその場所でしか飲むことができない生ビールを堪能しているのです。
トラピストビールは11の銘柄が存在しますが、その中で唯一ウェストフレテレンだけが卸業者に対して販売を行っていないため、ビールを醸造している量が少なく生産する量を増やして欲しいという意見が相次いでいます。
しかしそれでも生産量を増やすという予定は立てられていません。
それには生産量を増やして必要以上の利益を出すことを目的としていないことと、手間をかけて訪れてくれた方の顔を直接顔を見て販売したい、という修道院の気持ちが込められているためです。
卸業者には販売していないので酒場や酒屋で出回っているウェストフレテレンのビールは全部正規に流通しているものではありません。
そのためすでに劣化してしまっているビールや偽者のビールも出回っているので注意する必要があります。
ベルギーの国内でも入手することが難しいので法外な値段で販売されています。
しかし修道院では転売することを禁じているので、そういった方法に手に入れるのではなく修道院に出向いてショップで購入するのが正しい方法です。
現在ウェストフレテレンの銘柄からは3種類のビールが生産されていますが、いずれもラベルが貼り付けられておらず王冠の色で区別することになります。
そのうちの1つがブロンドで王冠は緑色です。
ブロンドはこの銘柄のビールの中で最もアルコールの含有量が少ない5.8パーセントとなっています。
柑橘系の果物に近い華やかでまろやかな香りがあり琥珀色よりも少しだけ褐色寄りの色をしていて軽快な飲み心地のビールです。
エクストラ8は王冠が青色でアルコールの含有量度数は8パーセントとなっています。
爽やかな酸味がありクリームやバナナのような甘い香りです。
アルコールの含有量が高いのですが、それほどアルコールの味や甘味を感じることなく飲みやすい仕上がりになっています。
アブト12は王冠が黄色でアルコールの含有量は10.2パーセントです。
黒味がかった茶褐色であまり泡立ちません。甘みと苦みがバランス良く存在していて嫌味がない質が高いビールになります。
たくさんの方たちがアブト12を褒め称えるのも納得できる味であることが充分に分かります。