世界には数多くの嗜好品があります。
それぞれの国や地域の特徴はありますが、国境を越えて多くの人々に愛される嗜好品は数多く存在します。
その中でもお酒、とりわけビールは数多くの世界で親しまれているアルコール飲料であると言えるのです。
ビールと言えばドイツやベルギー、イギリスやアメリカ、チェコ共和国などが有名ですが、世界中では数多くの国が自国でビールを生産しています。
現代社会において世界を牽引する大国となった中国においては、2003年にアメリカの生産量と消費量を抜いてビール大国になり、急成長を続けています。
一人当たりの年間消費量は他国と比べてもさほど多くないにもかかわらず、世界の中でもトップクラスの人口を誇る大国として巨大で豊富な市場がそこにあるのです。
まだまだ発展の可能性がある中国には世界中のビールメーカーがそのブランド力を活かして激しい市場争いを続けています。
国内においても国産メーカーは急成長を見せています。
その国産のビールメーカーは400以上から600社程度あると言われており、激しい競争の中で合併や買収、倒産などが後を絶たない現状がそこにあるのです。
そのような厳しい国産ビールメーカの中にあって、珠江ビール（しゅこうビール）は中華人民共和広州市で生産されている、国産のビールブランドです。
また青島ビール、燕京ビールと並び中国で有名な３大ビールブランドの一つとして認知されて国内でトップクラスの消費量を誇っています。
1985年に設立された広州珠江啤酒集団によって製造されているのです。
その市場は中国国内に留まらず、カナダやフランス、オーストラリアやアメリカ合衆国、スウェーデンやイギリスなどにも輸出されています。
このビールの特徴を挙げてみると、ビール現麦汁濃度が9％でアルコールは3.6％です。
麦の濃度は9％と低めになっていますが麦の香りが深く味わい深いビールになっており、ビール好きが多い中国人にも親しまれているビールなのです。
珠江ビールの中で一番売上が多いものは「純生」という生ビールです。
会社の収益の7割を占める売上を誇っており、工場の製造ラインでも半数以上がこのビールを生産しています。
麦の香りが深いこの珠江ビールは、原材料に米・麦・ホップを使用しており、麦以外は国産ものが使われています。
製造工程としては原材料である米や麦を剥いで液体にし、泡の元になるホップを混ぜて冷やし12日間発酵させる方法が採られているのです。
清酒にする過程で濾過される残渣物は動物のえさなどに再利用されており、環境にも配慮されたシステムが作られています。
珠江ビールが造られている工場は広大な敷地の中にあり、工場の機械は全てコンピューター管理されて24時間稼働しています。
国内をはじめ台湾や香港、ヨーロッパやアメリカにも出荷されているこのビールは、1年間に150万トンものビールを製造しているのです。
製造工程は全てがモニタリングされており、工場内部や機会の要所を一箇所で監視できるシステムが構築されています。
