タイ・ビバレッジはタイの財閥であるTCCグループの中核会社に位置する総合飲料メーカーです。
その歴史は比較的浅く、1991年に前身の「ビア・タイ」が設立され、カールスバーグと提携して格安ビールのビア・チャーン(Chang beer)を1995年に市場へ送り込みました。
当時、タイではシンハビールのビア・シンの独占的な市場でしたが、ビア・チャーンは徐々にシェアを奪い、20年と少しの間にシェア2位となった新鋭メーカーです。
タイ・ビバレッジの代表銘柄である「ビア・チャーン」は、ビア・シンに比べてアルコール度数は高めですが価格は安く、積極的なプロモーション効果もあり、人気が出ました。
銘柄のChang(チャーン)とはタイ語で象を意味しており、グリーンベースに白い2頭の象を配置したタイらしいラベルは可愛らしくもあり、現地の定番のビールとなっています。
テイストは東南アジアビールにありがちなライトな薄味ではなく、しっかりとしたコクがあり、苦味も比較的強い方で飲みごたえを楽しめます。
当然のことながらタイ料理など辛いものには抜群の相性、日本のビールにも似ているなど、クセもなく飲めるお勧めの銘柄で、特に日本のジメジメとした暑い夏場には美味しく感じるはずです。
日本国内でも販売されていることから、ラベルを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
値段はリカーショップやインターネット通販などで300円程で購入出来ます。
なお、現在はチャーンクラシックだけが世界で販売されていますが、以前は輸出用のエクスポートなど数種類ありました。
2006年にはシンハビールの「レオ」に対向すべく低価格銘柄であるArcha beer(アーチャー)を発売しました。
Changの象に対してArchaは馬を意味しており、ラベルは鮮やかなブルーベースに馬が模られ、軽快なイメージがあります。
ボディは日本の発泡酒に似た色目で、麦の香りがほのかに立ち、口当たりが良い軽いタイプですが、しっかりとしたキレを感じます。
同ジャンルであるシンハビールのレオには販売数で劣勢を強いられており、日本国内では販売されていない事もあるなど、知名度は今ひとつかもしれませんが、ビール好きの方は現地で辛い料理と一緒に味わうのも一興です。
その他、高級志向のプレミアムビールとしてFEDERBRAU(フェダーブリュー)があります。
残念ながら、このビールも日本では未販売です。
現地でもプレミアムビールらしくコンビニエンスストアにはあまり置いておらず、デパート等で販売されているケースが多くなっています。
ラベルはシンプルで大きめの赤い羽が目を引く高級感があり、東南アジアでは動物を使ったラベルが多い中ではヨーロッパ的な雰囲気を醸し出しています。
味に香りはそれ程感じませんが、炭酸は強めで口当たりが良く、キレやコクもしっかりとしているなど、ビール好きには飲めば判る納得の味です。