皆さんはクラフトビールがどのようなものか知っていますか?今回はクラフトビールについてあまり知らないなという方向けに、クラフトビールがどのようなビールなのか解説していきたいと思います。クラフトビールについてよくわからないなと思っている方は、ぜひ読んでみてくださいね!
クラフトビールってそもそも何?
日本ではクラフトビールに関して明確な定義が決められていません。クラフトビールが曖昧な存在になっているのは、定義がないというのが大きな理由になっていると思います。世界を見渡してみると、アメリカではクラフトビールの定義がしっかりと決められており、具体的なイメージを持ってもらうためにもアメリカにおけるクラフトビールの定義を紹介したいと思います。
アメリカではブルワーズ・アソシエーションという協会によって、「クラフト・ブルワリー」の条件が定められています。その条件とは以下の3つです。
・小規模であること
・独立していること
・伝統的な原料や製法で作っていること
上記3つはアメリカにおけるクラフトビールの定義であるため、全てが日本に当てはまるわけではありません。日本でクラフトビールを説明する際に使われるのが、「大手のビールメーカーではない地域密着型の小規模な醸造所で作られるビール」という説明です。
日本では1994年に行われた酒税法改正によって、各地でクラフトビールが造られるようになりました。そのため、1994年以前にあった大手5社(アサヒ、サッポロ、サントリー、キリン、オリオン)以外のビールメーカーが造るビールをクラフトビールと呼ぶ傾向があります。
現在では、日本全国にご当地ビールとしてクラフトビールが存在しています。クラフトビールは、それぞれの特徴を生かした新しい楽しみを私たちにもたらしてくれるものだと言えるでしょう。
◎地ビールとの違い
地ビールとは、1994年の酒税法改正によってビールの小規模醸造が可能になったために生まれたものです。そのため、「小規模で地域に根付いたビール」という観点で見れば、クラフトビールとまったく同じものだと言えます。
日本には1990年前半まで5社しかビール会社がありませんでした。日本で酒造りをするためには国から許可を得なければいけないのですが、この頃には大手5社しかビール造りの許可が出ておらず、ビール造りは大手5社の独占市場となっていたのです。
1994年の酒税法改正では、ビールの年間最低製造量が2000キロリットルから60キロリットルまで大きく下げられ、これによって日本全国各地に小さなビールメーカーが誕生するようになります。当時小さなビールメーカーの呼称が定まっておらず、新聞に「地ビール」と書かれたことにより、小さなビールメーカーのビールを「地ビール」と呼ぶようになりました。
地ビールとクラフトビールは共に個性や地域性に重きを置いたビールです。呼び方こそ違いますが、地ビールとクラフトビールは同じものであるという認識で問題ないでしょう。
◎クラフトビールのブーム
1990年代後半、地ビールは高い評価を受け、日本全国で楽しまれていました。しかし2000年代に突入すると、その流れも止まり地ビールも売れなくなってきました。そんな時に登場したのがクラフトビールです。2011年にはクラフトビアマーケットの1号店がオープンし、低下気味だった地ビールの地位や品質も大きく向上させました。
2014年にはついに大手ビールメーカーがクラフトビール業界に参入することになります。大手ビールメーカーがクラフトビール業界に参入することに対して賛否両論ありましたが、大手ビールメーカーの参入によってさらにクラフトビール市場が盛り上がったのは間違いありません。
クラフトビールの楽しみ方
ここからはこれからクラフトビールを飲んでみようかなと考えている方向けに、クラフトビールの楽しみ方を紹介したいと思います。普通のビールとどのような点で異なるのか意識しながら読んでみてください。
クラフトビールを楽しむために覚えておきたいポイントは大きく4つあります。以下それぞれのポイントに関して簡単に紹介していきたいと思います。
◎色を楽しむ
ビールは淡い色から濃い色までバラエティー豊かな色をしています。ビールの濃淡は、光がどれくらい透過するかの数値によって科学的に細かく分類されています。
ビールをグラスに注いで、どんな色をしているのか楽しむことで、よりビールの楽しみ方が広がるのではないかと思います。
◎香りを楽しむ
クラフトビールの大きな特徴の一つに香りがあります。そのためクラフトビールを飲む際には、香りを意識しながら飲んでみてください。
より香りを楽しみたいという方は、ワイングラスに注いで飲むことをおすすめします。クラフトビールをワイングラスに注ぎ、ワインを飲むように軽くグラスを回しながら飲むことで香りがよく広がるようになります。
クラフトビールを冷やしすぎると香りとコクが出なくなってしまうので、クラフトビールは13度前後で飲むことをおすすめします。
◎味わいを楽しむ
クラフトビールは種類によって独特な味わいを楽しむことができます。そのためがぶ飲みせず、1口ずつゆっくりと飲むことをおすすめします。苦味、甘み、酸味などさまざまな味わいを楽しみながら飲んでみましょう。
◎料理と楽しむ
クラフトビールは個性が強いビールなので、その個性を引き立ててくれる料理と一緒に楽しみましょう。爽やかな香りが特徴的なクラフトビールにはハーブで香りを加えた肉料理、重厚さが特徴の黒ビールには旨みが効いた煮込み料理、すっきりとした味わいが特徴のクラフトビールには少し辛味の効いた中華料理やエスニック料理がおすすめです。
個人によって味覚はさまざまなので、自分が思う「クラフトビールに合う料理」と一緒に楽しんでみてください。
クラフトビールの選び方
ここまで紹介したように、クラフトビールにはそれぞれ個性があり、新しいビールの楽しみ方を与えてくれるものです。最近ではコンビニなどでも気軽に購入できるようになり、身近な存在になったと言えます。ここからはクラフトビールはどのような基準で選んだらいいのか解説していきたいと思います。
◎まずはエールから
日本で飲むビールは「エール」か「ラガー」のどちらかです。繊細な味わいが特徴のクラフトビールを初めて飲む際には、香りを楽しみ旨味をじっくりと味わえる「エール」をおすすめします。
一口に「「エール」と言ってもたくさんの種類があるので、以下代表的なものを4つほど紹介したいと思います。
◎飲みやすさが特徴の「ヴァイツェン」
ヴァイツェンはエールの中でも苦味が少なく、フルーティな香りや味わいが楽しめるため飲みやすい種類だと言えます。ビールの色は少し白濁しており、白ビールと呼ばれることもあります。
ビールの苦味が苦手だという方でもヴァイツェンなら飲めるという方は多いです。
◎バランスが良い「ペールエール」
コクや苦味、香りがバランスよく配合されているのがペールエールの特徴です。しっかりとした麦芽の香り、ビール特有の苦味、華やかなフルーティさを一緒に楽しむことができます。
ペールエールはバランスが良いのが特徴ですので、ビールの苦味が苦手でない方で、クラフトビール初心者にはまずおすすめしたい種類になります。
◎強い苦味が特徴の「インディア・ペールエール」
インディア・ペールエールは最近注目が集まっているクラフトビールの種類になります。ペールエールの苦味をより強くした苦味と柑橘系の香りがほんのり漂うのが特徴です。
インディア・ペールエールがアメリカでは最もポピュラーなビールの種類であり、アルコール度数が他のものと比較して高い傾向にあります。まさに大人の男性に似合うクラフトビールだと言えるでしょう。
◎コクのある「スタウト」
黒ビールが好きだという方には、コクのあるスタウトをおすすめします。見た目からは苦味が強いように思われますが、苦味よりもコクがあり、軽い喉越しと濃厚でクリーミーな口当たりが特徴です。
苦味がそれほどないので、スタウトは女性にも愛される黒ビールだと言えますね。
◎「エール」に慣れてきたら「ラガー」
エールに慣れてきたら「ラガー」のクラフトビールを飲んでみましょう。クラフトビールでラガーを楽しむ際には、バランスの良さが特徴の「ビルスナー」がおすすめです。
ビルスナーは他のラガービールよりも炭酸が強く、程よい苦味と軽いテイストが特徴です。どんな料理にも合うので、いつもの食事に簡単に合わせることができます。
現在、日本でもたくさんの種類のクラフトビールを楽しむことができるようになっているので、ぜひいろんなクラフトビールを飲み比べしてみてくださいね。
まとめ
今回はクラフトビールについて深く取り上げてきました。クラフトビールは普通のビールに比べて歴史が浅く、まだ飲んだことがないという方もたくさんいるでしょう。今回の記事でも紹介したように、クラフトビールは「個性」と「地域性」を重視して造られるビールです。そのためいろいろな味わいがするビールを手軽に楽しむことができます。
クラフトビールをまだ飲んだことがないという方は、ぜひ飲んでみてくださいね!