ラ・トラッペはベルギーではなくオランダで製造されているトラピストビールになります。
2005年までは全てのトラピストビールはベルギーでしか製造されていませんでした。
ベルギーに建てられているトラピスト修道院だけで製造されてトラピストビールとしてのラベルを表示させることが可能だった訳です。
ラ・トラッペはビールを製造している醸造所はオランダにありますが、トラピスト会が認定しているトラピストビールとなっています。
ビールを醸造する施設がある修道院はオランダ国内の北ブラバント州にあるのです。
この修道院では1884年からすでにラ・トラッペのビールを製造していて、その当時からトラピストビールとして醸造して販売していました。
ところが1996年に人手が足りなくなったり修道士が高齢化したりした問題を解決するために修道院は民間のビール会社と製造契約を締結することを決めたのです。
しかしこのことが原因となり一旦ラ・トラッペのビールはトラピストビールとして売り出すことができなくなってしまいます。
なぜかというとラ・トラッペのビールがトラピストビールに認定されるためには、あくまでもトラピスト会の修道院が主導してビールを製造する必要がありトラピスト会の教義により流通させる必要があったためです。
民間のビール会社に製造を委託してからは修道士がほとんどビールの製造に関わらなくなってしまったことが結果的にトラピスト会が認定するビールとして販売できなくなる原因となってしまいます。
ところが民間のビール会社がトラピストビールであることを示すようなロゴマークを使い続けて販売していたために問題化してしまったのです。
トラピスト会の国際議会と民間のビール会社がお互いに話し合い毎日修道士が数時間ビールの醸造に関わり主導していくことを約束して合意に至り2005年にトラピストビールに改めて認定されることになりました。
そのため2005年に認められた後発のトラピストビールになったという訳です。
ラ・トラッペのブランドのビールは4種類ありブロンドはアルコールの含有量は6.5パーセントとなっています。
黄色いマークが付いていてホップの苦味があり炭酸の刺激が強くフレッシュで飲み心地が良いビールです。
ダブルはアルコールの含有量は6.5パーセントで赤いマークが付けられています。
独自の爽やかさがありますがモルトが焙煎された香ばしい香りがして深みがある味わいです。
トリプルはアルコールの含有量が8パーセントでオレンジ色のマークで琥珀色のボディとなっています。
重たそうに見えますが味わいはフルーティーな甘さがあり軽い飲み口です。
クアドラプルはアルコールの含有量が10パーセントで、紫色のマークでトリプルよりも上のランクのスペシャルバージョンとして提供されているビールになります。
甘さがありますが決して甘過ぎることはなくスパイシーな味わいが特徴的です。
ただしアルコールの含有量が多いので飲みすぎに注意する必要があります。