ワインを愛飲している方なら誰でも聞いたことがあるであろうブドウ品種の「ピノ・ノワール」。
多くのブドウ品種が存在する中で特に有名なピノ・ノワールですが、どのような特徴や魅力があるのでしょうか?
今回は、ブドウ品種としての「ピノ・ノワール」の特徴や、ワインとしての魅力についてご紹介します。
赤ワインで有名なブドウ品種「ピノ・ノワール」とは
ピノ・ノワールは、赤ワインを醸造する際に使われるブドウとして最もポピュラーなもののひとつです。
ピノ・ノワールは、ワイン生産が盛んな地域であるフランスのブルゴーニュ地方原産の赤ワイン用ブドウであり、ブルゴーニュの王様と呼ばれることもあります。
以前はブルゴーニュ以外の栽培は難しいと言われていましたが、現在ではアメリカのカリフォルニアやニュージーランドなど世界中で造られる品種となっています。
植物としては冷涼な気候を好みかなり変異しやすい性質を有しており、温暖な気候で栽培できないわけでもありません。
しかし、高温多湿の環境になると、想定外の速度で熟してしまうためワインの醸造には使いづらくなってしまいます。
また、ブドウの房の大きさに違いが出やすい、腐りやすい、熟するのが早いという特徴があり、寒い時期の栽培にも向きません。
このように、ピノ・ノワールは栽培するのが非常に難しいブドウ品種です。
大量生産には不向きなブドウ品種であるため、しっかり仕上がったピノ・ノワールのワインは非常に価値があるのです。
ピノ・ノワールのワインの魅力や特徴
ここでは、ピノ・ノワールを使ったワインの魅力や特徴についてご紹介します。
●軽やかな飲み口を楽しめる
ピノ・ノワールの見た目や香りの特徴としては、赤ワインの中でも淡い色で透け感があり、ベリーやさくらんぼのような香りがします。
では、ピノ・ノワールの原料としての特徴、魅力は何かというと、やはり最も印象的なポイントになるのはその軽やかな飲み口でしょう。
赤ワインというとしっかりとした味わいを持っているイメージが強くあり、最初に飲んだものによっては「赤ワインは渋いから飲みづらい」といった印象を持たれてしまうことが少なくありません。
しかし、ピノ・ノワールを使って作られる赤ワインは、概して繊細で柔らかな味わいになることが多いです。
そのため、初心者にすすめるのであればまずこのピノ・ノワールの名前が挙がってくることになるでしょう。
この点はピノ・ノワールと同様に、赤ワイン用のブドウ品種としてよく利用されているカベルネ・ソーヴィニョンとは対照的と言えます。
●生産された地域によって差が出る
また、このピノ・ノワールという名前は特にフランスワインにおいて良く使われる名前ですが、イタリアで言うピノ・ネロ、ドイツで言うシュペートブルグンダーも品種としては同様のものです。
作られた土地の土質を如実に反映するため、生産地域によって驚くほど味が異なるケースが極めて多く見受けられます。
それもこのピノ・ノワールの奥深さであり、魅力の一つだと言えるでしょう。
自分に合ったピノ・ノワールのワインの選び方
最後に、自分に合ったピノ・ノワールのワインの選び方をチェックしていきましょう。
●飲みやすさで選ぶ
ピノ・ノワールの赤ワインは比較的タンニンが少なく軽めの飲み口であるとともに、酸味とフルーティーさが特徴。
ピノ・ノワール種は赤ワインに使われることが多いですが、実際にはロゼワインやスパークリングワインにも使われています。
ロゼワインやスパークリングワインであれば、比較的軽い飲み口のピノ・ノワールの赤ワインよりもさらに飲みやすくなります。
ピノ・ノワール自体の味わいや飲み口を楽しみたい方は赤ワインを、ワイン自体を初めて楽しむという方は飲みやすいロゼやスパークリングがおすすめです。
●産地で選ぶ
ピノ・ノワールは気候や土壌の影響を受けやすい品種であることから、栽培が難しいと言われていますが、現在ではドイツやイタリア、チリ、アメリカなど世界中で生産されています。
例えば、本格的でリーズナブルな値段でピノ・ノワールのワインを楽しみたいなら、ニュージーランドやチリ、アルゼンチンなどのニューワールドのワインがおすすめ。
ニューワールドで造られているワインはコスパの高いワインが多いことから、気軽にピノ・ノワールのワインを楽しめます。
そのほか、一味違う味わいを楽しみたいならイタリア産やドイツ産のピノ・ノワールのワイン、原産地の本場の味わいを楽しみたいならフランス産のピノ・ノワールのワインがおすすめです。
産地ごとに価格や味わいなどが異なってきますので、産地別に比較しながら自分好みのものを試してみるのも良いかもしれませんね。