ワインの基礎を知る!ワインに関する7つの素朴な疑問を解決しよう!

[最終更新日]2019/02/28

ワインは食生活を豊かにし、人との出会いを演出し、知的好奇心を満たしてくれるものです。ワインをよく知っている方であれば、そのことはよくわかっていると思います。しかしワインをあまり知らない方にとっては、ワインの世界に踏み入ることは勇気があることでしょう。そこで今回は、ワインとこれまで接点がなかった方向けに、ワインに関する7つの疑問を解決したいと思います。この記事を通してワインの魅力に触れて頂ければ幸いに思います。

ワインに関する素朴な疑問①:ワインってそもそも何?

「ブドウ果実を発酵させた醸造酒」
これがワインを端的に説明した最適な言葉だと思います。醸造酒とは、糖質やデンプン質を原料に、酵母に働きでアルコール発酵させたお酒のことで、ビールや日本酒も醸造酒の仲間です。しかしビールや日本酒は穀物を原料としていますので、同じ醸造酒でも果実を原料としているワインとは味わいや風味に大きな違いがあります。

ワインの原料であるブドウ果実は、そのままでも発酵できる糖分や水分、酵母を多く含んでいるため、醸造酒を作る際にはよく行われるデンプンの糖化や加水の必要がありません。また蒸留の工程がないため、原料そのものの性質や味わいがワインによく反映されています。
上記の理由から、同じワインでも原料によって味わいや香りに大きな違いがあるため、ワイン好きの方はたくさんの楽しみを享受できているのです。

ワインにはいくつか種類があり、私たちにとって身近な赤ワイン・白ワイン・ロゼワインは「スティルワイン」と呼ばれています。他にも、醸造の過程で二酸化炭素を溶け込ませる「スパークリングワイン」や、アルコールを添加して保存性を高めた「フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)」、薬草などを漬け込み独特の風味を加えた「フレーバードワイン」などがあります。

ワインに関する素朴な疑問②:赤・白・ロゼ、同じワインなのにどうして色が異なるの?

先ほど書いたように、赤ワイン・白ワイン・ロゼワインは「スティルワイン」という種類に分類されています。皆さんは、赤ワインと白ワイン、どうして色が違うのか疑問に思ったことはないでしょうか?ワインの色が異なる理由は、以下の2つです。

●原料ブドウの品種が異なるから

ワインを造るために使われるブドウには、黒ブドウと白ブドウがあり、果皮に含まれる色素が果汁に移ることで色が生じます。特に黒ぶどうは品種によって濃淡が異なり、色に変化が出やすいという特徴があります。

●造り方が異なるから

2つ目の理由は醸造方法の違いによるものです。赤ワインは黒ブドウの果皮や種子ごと潰すためより濃い色になります。一方白ワインは、白ブドウの果皮や種子を取り除いて果汁のみを発酵させるため淡い色になります。ロゼワインは黒ブドウのみ、黒ブドウと白ぶどうを組み合わせて使うなど、醸造方法がさまざまなので色の種類もバラエティ豊かになっているのです。

■ワインに関する素朴な疑問③:ワインに使われるブドウはどんな種類があるの?

ブルゴーニュワイン

ワインってそもそも何?というテーマのところで、ワインは原料によって味わいや香りに大きな違いが出ると紹介しました。ここでは、ワインに使われるブドウの種類にはどんなものがあるのか解説したいと思います。

ワインに使われるブドウにはどれくらいの種類があると思いますか?答えは主要品種だけでも約100種類あります。マイナーな品種も入れるとその数は計り知れません。
いくらワインが好きだからといって全ての品種を覚えることはできませんので、ここでは特にメジャーな6種を紹介したいと思います。

●カベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)

カベルネ・ソーヴィニヨンは、「黒ブドウの王様」とも呼ばれ、赤ワイン用のブドウとして最も有名な品種です。渋味や果実味が強く、口の中で余韻を長く楽しむことができます。熟成することにより、タンニンの渋味と酸味のバランスが良い深みのある味わいになります。香りは、インク、ヒマラヤ杉、カシス、コショウなど華やかな香りが多いです。
同じ銘柄でも、産地によって異なる味わいや香りを持つ銘柄なので、産地の違いを楽しんでみてもいいかもしれませんね!

●メルロ(赤ワイン)

メルロは、「ビロードのような舌触り」とも称される滑らかさが魅力の品種です。果粒が大きく皮は薄いため、色の濃さに反してタンニンが

きめ細かく、まろやかな味わいになります。プラムやダークチェリーのような香りで、熟成すると腐葉土やキノコのような香りになります。冷涼で温度が高い気候でも育つため、栽培面積では常に1位を争うほど世界的に広く栽培されています。

●ピノ・ノワール

ピノ・ノワールの最大の魅力は、「優しくも複雑に重なる豊満な香り」です。タンニンが少なく酸味が強いですが、果実味が豊かであるため口当たりは穏やかで飲みやすい印象を持ちます。イチゴやチェリーなどのフルーティな香りにミネラルのニュアンスが特徴的です。ブドウの果実が薄く繊細なため、カビに弱く栽培が困難な品種だとされています。わずかな気候の変化にも敏感で味が左右されやすく、当たり外れが大きい品種だと覚えておきましょう。

●シャルドネ(白ワイン)

シャルドネは白ブドウの中ではトップクラスの人気を誇る品種です。気候や土壌によってさまざまな味わいを楽しめることもあり、世界各地で栽培されています。冷涼な産地では青リンゴやライムのようなフレッシュな味わいになり、温暖な産地ではトロピカルフルーツのようなリッチな味わいになります。病害やカビに強く、秋の寒さがやって来る前に収穫できる早生品種の1つでもあります。

●ソーヴィニヨン・ブラン(白ブドウ)

ソーヴィニヨン・ブランの特徴は、「ライムやレモンなどの柑橘類の香りにハーブのニュアンスが楽しめること」です。酸味が強いフレッシュな味わいで、ブドウの成熟度が高くなると果実味を上がります。色は透明度のある緑がかった黄色ですが、熟成することで濃い黄色になり、口の中で余韻が楽しめるようになります。
シャルドネにつぐ白ブドウ主要品種2番手として、世界中で愛されている品種です。

●リースリング(白ワイン)

リースリングは、ハチミツやリングなどを連想させる甘美な香りとピュアな酸味のバランスが取れた、なんとも言えない味わいが特徴的な品種です。ドイツでは甘口ワインに使われることが多く、糖度が高いほど品質の格が高くなります。フランスではシャープな辛口ワインに活用され、新たなファンを増やしています。
長期熟成にも耐えることができる品種で、今後より高いポテンシャルを発揮することが期待されている品種です。

■ワインに関する素朴な疑問④:ワインの味は何で決まるの?

ワインの味は、酸味・甘味・渋味・果実味・アルコール度の5つの要素で決まっています。各要素が合わさった総体の大きさを「ボディ」と呼び、全体の大きさが大きければ飲みごたえのある「フルボディ」、中程度なら「ミディアムボディ」、小さいと「ライトボディ」と呼ばれます。

赤ワインと白ワインでは個性を決める要素が異なります。赤ワインの場合には、タンニン由来の渋味が味わいを大きく左右します。一方白ワインの場合には、タンニンが少ないため渋味はあまり感じられず、酸味と甘みが味の決め手になります。

●味わいの基本要素

ワインの味わいを決める5つの要素を簡単に説明すると以下のようになります。

・酸味
赤ワイン、白ワインともに個性を表す重要な要素。同じ酸味でもシャープさ、まろやかさなど質感の違いがある。

・甘味
甘味にはブドウ由来の糖分の甘味とアルコール分からくる甘味がある。甘口ワインのようなストレートな甘味もあれば、辛口ワインで感じられるほのかな甘みもある。

・渋味
果皮や種子から排出されるタンニンが由来。特に赤ワインで渋味は顕著であり、熟成させるほどタンニンは穏やかに変化する。

・果実味
果実味は果実らしいフルーティさや凝縮感を出す。果実味が豊かで凝縮感があるとボディに厚みが出る。

・アルコール度
アルコール度は味わいの骨格になる。度数が高いほど骨格が強くなり、コクと甘みを感じることができる。

■ワインに関する素朴な疑問⑤:ワインの香りってどれくらい種類があるの?

ワインの香りはワインの特徴や熟成度を知るためにも、味わいを高めるためにも欠かせない要素です。ワインの香りは「アロマ」とも呼ばれ、ブドウ本来の香りがワインに現れる「第一アロマ」は中でもわかりやすい香りになります。
果実、植物、花、動物など、ワインの香りは100種類以上存在します。全てを覚えておく必要はありませんが、香りのバリエーションを知っておくだけでもワインの個性を理解しやすくなります。
ここでは、100種類以上あるワインの香りを知るために基本となる6つのカテゴリーを、赤ワイン、白ワインそれぞれ紹介したいと思います。

▲赤ワインの香りの種類

以下の6つは、赤ワインの香りの基本となる6つのカテゴリーです。

●果実系(カシス、ブランボワーズ)

赤ワインには、カシスやブランボワーズ、イチゴなどベリー系の香りが多く、熟成によって香りが強く感じられるようになります。

●植物系(森の下草、キノコ)

草や野菜の香りは、若々しい赤ワインで表現されることが多く、熟成させることによって枯葉の香りが感じられることもあります。また瓶内熟成を経た赤ワインは、キノコのように土をイメージさせる香りが広がります。

●花系(バラ、スミレ)

若い赤ワインほどバラやスミレなどの華やかな香りが感じられます。フローラル系の香りが強い赤ワインを熟成させると、フレッシュな香りからドライフラワーやポプリのような香りに変化します。

●動物系(なめし皮、ジビエ)

ブルゴーニュやボルドー産の赤ワインを長期熟成させると、動物特有の香りを感じ取ることができます。ワイルドな香りがするジビエに対し、なめし皮は上品な香りが感じられます。

●トースト系(コーヒー、キャラメル)

木樽で熟成させることで、ブドウ由来の果実香と樽の香ばしい香りが融合します。温暖な地域で栽培されたブドウを使うとコーヒーのような香りに、樽内での熟成期間が長いとキャラメルのような香りになります。

▲白ワインの香りの種類

以下の6つは、白ワインの香りの基本となる6つのカテゴリーです。

●果実系(レモン、桃)

若い白ワインからはレモンやライムのような柑橘系の香りが感じられます。また白ワインの場合、ブドウが熟しているほど桃のような糖度の高いフルーツの香りが感じられます。

●植物系(ハーブ、バニラ)

冷涼な産地で造られた白ワインの場合、ハーブやミントのような爽やかで青っぽい香りが感じられることが多いです。また樽内熟成を行うと、甘くふくよかな香りに変化します。

●花系(アカシア、ハチミツ)

白ワインの香りを表現する際には、ほんのりとした甘さとフローラルの香りはよく使われる表現です。先ほど紹介したリースリングが原料の白ワインは、アカシアなど白い花のニュアンスを含んでいることが多いです。

●動物系(ムスク、バター)

貴腐ワインや甘口ワインでは、ムスクの香りが個性的です。また乳酸発酵と樽熟成を行なった長期熟成タイプの白ワインの中には、バターのような香りを持つものがあります。これらは赤ワインで感じられることはまずない香りです。

●ミネラル系(鉱物、石油)

ミネラルの香りが強い白ワインの中には、鉱物や海を思わせる潮の香りがするものがあります。またリースリングのような、石油のようなオイリーな香りが特徴的なブドウも存在します。

●トースト系(アーモンド、カラメル)

樽熟成された白ワインからは、アーモンドや燻製のようなスモーキーな香りを発することがあります。また瓶内熟成させた白ワインからは、カラメルのような甘い香りが現れやすいとされています。

■ワインに関する素朴な疑問⑥:ワインっていつからあるの?

ワインの発祥、今から8000年以上も前、現在のジョージアにあるコーカサス山脈周辺のエリアであるとされています。当時の遺跡から醸造に関する出土品が多く見つかっており、古くからワインが親しまれていたことは明白です。

日本へ本格的にワインが広まったのは、幕末から明治にかけてのことでした。当初はなかなか受けいれられなかったワインですが、政府による生産推進や日本人の好みに合わせた甘味ワインの出現で急速に広まりました。
政府がワイン生産推進を進めた背景には、大久保利通の存在がありました。大久保利通がフランスを訪問した際、気軽にワインを楽しむ文化に感銘を受け、帰国後日本の職産のために西洋のワイン苗を欧米から導入したとされています。現在これほどまで日本でワインが広まっているのは、大久保利通のおかげだと言っても過言ではないでしょう。

■ワインに関する素朴な疑問⑦:ワインはどこで造られているの?

ワインの原料に欠かせないブドウは生鮮果実であるため、自ずとブドウが育ちやすい場所がワインの生産地になります。ブドウ栽培に適しているのは、年間の平均気温が10〜20℃と言われており、地図で見れば北緯30〜50°、南緯20〜40°に地域にあたります。ワイン業界ではこの地域のことを「ワインベルト」と呼んでおり、ワインが盛んな地域であることを示しています。

▲ワイン新興国にも注目!

ほとんどの方がワインの生産地は?と聞かれるとヨーロッパの国をあげると思います。実際にワインの生産量ランキングでは、
1位フランス、2位イタリア、3位スペイン
とワイン造りの歴史が深いヨーロッパが上位にランクインしています。

一方で日本の輸入ワインランキングを見てみると、
1位チリ、2位フランス、3位イタリア
とヨーロッパではないチリが1位となっています。

近年注目されているのが、このチリやアルゼンチンといったワイン新興国が作るワインです。チリやアルゼンチンで造られるワインは、恵まれた土壌や地形を生かした栽培で最高レベルのコストパフォーマンスを誇っています。安価で質の高いワインを求める人に人気があるため、日本ではチリ産のワインを最も多く輸入しているのです。

ヨーロッパのイメージが強いワインですが、チリやアルゼンチン、南アフリカなど新興国で造られるワインにも目が離せません。

■まとめ

今回はワイン初心者向けに、ワインに関する素朴な7つの疑問を解決してきました。冒頭にも書いたように、ワインは食生活を豊かにし、私たちにたくさんの楽しみを与えてくれるものです。まだワインの魅力を感じられていない方はぜひワインの世界に飛び込んで見てくださいね!