いざワインを飲もうとしてボトルを開けたら、香りや味に違和感を覚えたり、好みの味でなかったりすることはよくあると思います。
今回は上記のような悩みに対する対処法について解説したいと思います。ちょっとした工夫を施すだけで美味しく飲むことができるようになりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
■ワインの悪臭「ブショネ」
ワインの悪臭として「ブショネ」は有名です。原因は、コルク内の微生物とコルクの漂白に使った塩素との化学反応によるものとされています。「ブショネ」の悪臭は、カビや鉛筆の削りカス、野菜が腐った臭いなどと表現されることが多くあります。
最近では、スクリューキャップなどの台頭によって減少傾向にありますが、それでも全体の3%〜7%程度は流通していると言われています。
■ワインで困った時の対処法を紹介!
ここからは、ワインで困った時の対処法を紹介していきます。ここではよくある6つのトラブルとその対処法について紹介しますので、ぜひチェックしてみて下さいね。
▲ワインの香りが強すぎる
「ワインの香りが強すぎて飲みにくいという場合には、冷蔵庫で1度しっかり冷やしてみましょう。冷蔵庫で冷やすことで香りが穏やかになり、比較的飲みやすくなります。
魚料理など、繊細な味わいの料理と合わせる際にも、少し冷やしてから飲むとうまく調和するのでおすすめです。
▲ワインの香りがあまり感じられない
ワインの香りがあまり感じられない場合には、グラスを2回〜3回程度軽く回してみましょう。ワインを空気に触れさせ酸化を進めることで、香りが開きやすくなり香りを感じられるようになります。
また、グラスのボウル部分を手のひらで包んで温めると、温度が上がり香りが強調されるようになるので、ワインの香りをもう少し感じたい場合には試してみましょう。
▲タクアンや硫黄のような悪臭がする
タクアンや硫黄などの独特の香りは還元臭と言われており、アルコール発酵中に酸素が欠乏することで発生するとされています。
還元臭はしばらく時間を置くことで自然と消えますが、気になる場合にはデキャンタージュしてワインを空気に触れさせると香りが軽減されます。
▲ワインの味が甘すぎる
ワインの甘みが気になる場合には、冷蔵庫で冷やすとすっきりとした印象になり飲みやすくなります。貴腐ワインなど甘みが強いワインの場合には、10度以下に冷やしておくと飲み口がスムーズになり、飲みやすくなります。
また辛口の料理と合わせるなど、食べ合わせも意識すると甘すぎるワインでも美味しく飲むことができます。
▲ワインの味が渋すぎる
渋味や酸味を柔らかくしたい場合には、デキャンタージュして酸素に触れさせるのがおすすめです。
デキャンタージュを行うと、ワインの温度も上がるため、甘味が強まりアルコール分を感じにくくなり、全体的に飲みやすい印象に仕上がります。
赤ワインが苦手だという場合には、ぜひお試しください。
▲コルクの裏側にガラスのようなものが付いている
コルクの裏側には、ガラスのような物体が付着していることがあります。
この正体は「酒石」というもので、ブドウに含まれる酸味成分の酒石酸とミネラルが結合してできる結晶です。「酒石」は基本的に人体には無害なものなので、安心して大丈夫です。
ミネラル分が多い上質なワインほど酒石が多くなっているため、「ワインのダイヤモンド」と呼ばれることもしばしばあります。
■デキャンタージュとは?
ワインで困った時の対処法のところで、しばしば登場した「デキャンタージュ」。
これは一体どのようなものなのでしょうか?ここからはワインの風味をアップさせる「デキャンタージュ」を紹介したいと思います。
▲デキャンタージュとは?
デキャンタージュとは、ワインをワインボトルからデキャンタと呼ばれるガラス容器に移す作業のことです。
移す作業の際に、ワインボトルの底に溜まった澱を取り除いたり、ワインを空気に触れさせることで香りを良くしたりする効果があります。
デキャンタージュを行う目的は、
・澱を取り除くこと
・味わいをまろやかにすること
・香りを良くすること
の3つだと言われており、美味しくワインを嗜むために効果のある方法だと言えます。
▲デキャンタージュを行う必要があるワインとは?
ワインの中には、デキャンタージュを行うべきワイン、そうでないワインがあります。デキャンタージュを行うべきワインとは、澱が多く発生するような熟成を経た古いワインです。
特に、ボルドーワインの年代物やポートワインなどは、デキャンタージュが有効だとされています。
(古いワインであればデキャンタージュが必ずしも有効であるというわけでないため、専門家の意見を参考にすることをおすすめします。)
またデキャンタージュは若いワインにも有効だとされています。若いワインにはタンニンが豊富に含まれていることが多いため、硬く香りも開いていないものがほとんどです。そのためデキャンタージュを行うことで、味わいがまとまると考えられます。
▲デキャンタージュに向いていないワインとは?
ピノ・ノワールなど、繊細な香りと味わいを生み出す品種から造られたワインは、デキャンタージュには向いていないとされています。
ただし、還元的な状態であったり、酸味が強烈なもの、長期熟成されたものであれば、デキャンタージュが有効なこともあります。
白ワインの場合、主にフレッシュさと酸味が大切なタイプが多く、赤ワインより酸化速度が速いため、基本的にデキャンタージュには向いていないと言われています。
しかし、樽熟成を経た白ワインの場合には、デキャンタージュを行うことで効果が得られる場合があります。
▲デキャンタージュの方法
デキャンタージュは以下の流れで行うのが一般的です。
1、 垂直に立てて置き、澱を瓶底に沈めておく。
2、 澱が舞わないように静かに抜栓し、デキャンタ内に澱が入らないように注ぎ入れる。
3、 デキャンタージュする時間は、若いワインの場合1時間〜2時間程度、熟成されたワインの場合には、20分〜30分程度。
デキャンタージュはすべてのワインの有効であるわけではありませんが、中にはデキャンタージュを行うことで味や風味がアップする場合もあるため、ぜひ試してみてくださいね。
■ワインのトラブルにおける対処法
ここからはワインのトラブルを2つ紹介し、それに対する対処法を紹介していきたいと思います。
▲赤ワインを洋服にこぼしてしまった。シミが付いてしまうのを阻止したい
以下の方法で洋服にシミが付いてしまうのを防ぐことができます。
1、すぐに水洗いをする
こぼした直後は石鹸や洗剤は使用せず、すぐに水洗いするのが正解です。水洗いできない場合には、ウェットティッシュなどで軽く拭き取りましょう。
2、帰宅後は石鹸や食器用洗剤で洗う
時間が経ってしまった場合には、石鹸や食器用洗剤を使ってまずは手洗いしましょう。その後に洗濯機で洗うと、シミが落ちやすくなります。
3、漂白剤や重曹も有効
ボウルや桶に水を張り、漂白剤または重曹を適量混ぜ、10分程度浸してから洗うのも効果的です。漂白剤や重曹を使う場合には、生地の色落ちに注意しましょう。
4、携帯用シミ取りを持参しておくと安心
ペン型のシミ取り剤なら、水不要でどこでも使用できるので持参しておくと安心です。ペン先は洗うことができるので、衛生的だとも言えます。
▲二日酔いを予防したい
赤ワインは常温に近い温度で飲むことが多く、アルコールが体内に素早く吸収されやすいという特徴があります。そのため白ワインに比べて酔いが回りやすいと言われています。
また赤ワインはスタミンやチラミンといった頭痛を引き起こすとされる成分が含まれており、飲みすぎると二日酔いになるリスクがあります。
【予防策】
赤ワインによる二日酔いを予防する方法は以下の3つです。
・飲酒時に同じ量の水を飲む。
・飲酒前にオリーブオイルをスプーン1杯程度飲む。
・ワインを30分程度空気に触れさせてから飲む。
【対処法】
赤ワインを飲んで二日酔いになってしまった場合の対処法は以下の3つです。
・ビタミンBやビタミンCを多く含む果物を食べる。
・寝る前に1リットル程度の水を飲む。
・水に少量の重曹を混ぜて飲む。
■まとめ
今回はワインで困った時の対処法について紹介しました。ワインを楽しく飲むためにも、今回の内容は頭に入れておいて損はないと思います。
ワインで困った際の対処法を正しく理解して、ワインを安心して楽しめるようにしましょうね。