ワインは温度や日当たりなどによって、風味が時間の経過とともに変わってしまう飲み物です。
ワインセラーを持って入ればそれほど苦労することがないワインの保存ですが、持っていなければとても苦労すると思います。
そこで今回はワインセラーを持っていなくとも、ワインの劣化を最小限にし、家庭で上手に保存できるポイントを紹介していきます。
ワインの保存で困っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
■ワインを保存する際に重要な基本となる4つのポイント
はじめにワインを保存する際に基本となる4つのポイントを紹介していきます。今回のテーマの前提となるポイントになるため、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
1、温度
ワインは温度が12℃〜16℃の範囲内で保存するようにしましょう。
温度変化の少ない場所で保存するのがポイントです。
2、湿度
湿度は70%〜80%の範囲内が最適です。
やや高めの湿度で保存するのがポイントです。
3、光
ワインは直射日光や蛍光灯などが当たってしまうと劣化してしまいます。
そのため、光の当たらない暗所で保存するのがポイントです。
4、匂い
匂いの強い場所や強い匂いの発するものの近くでワインを保存してしまうと、ワインに匂いが乗り移ってしまい、せっかくのワインの風味が台無しになってしまいます。
そのため、できるだけ匂いがない場所で保存するようにしましょう。
上記4つはワインの保存において基本となるポイントですので、ワインを保存する際にはしっかり守るようにしましょうね。
■開栓前のワインを保存する方法
開栓前のワインを保存する場合、ワインの種類によって保存方法が異なります。ここではスティルワインの場合とスパークリングワインの場合に分けてそれぞれ保存方法を紹介していきます。
▲スティルワイン
基本的にワインは、低温・高湿な場所で保存するものです。
特にコルク栓の場合には、乾燥した場所に長期間保存してしまうとコルクに隙間ができてしまい、ワインの酸化を早めてしまうことにつながる可能性があります。
開栓前のスティルワインを保存する際には、コルクが常に湿った状態になり、気密性が高まるように横に寝かせておきましょう。
▲スパークリングワイン
スパークリングワインの保存で最も大切なことは、ワインに振動を与えないように保存することです。
スパークリングワインを振動が多い場所に長期間置いてしまうと、泡が大きくなってしまい注いだ後に泡が抜けやすくなってしまいます。
また横に置いてしまうと、炭酸ガスの圧によってコルクが細くなり、空気が抜けやすくなってしまいます。
スパークリングワインを保存する際には、振動が少ない場所に立てて置くのがベターだと言えるでしょう。
■開栓後のワインを保存する方法
開栓後のワインは、ワインの味や風味が損ないやすくなってしまう状態であるため、特に保存に気をつける必要があります。
ここでは、開栓後のワインを保存する方法として2ステップを紹介したいと思います。
▲ステップ1:しっかり栓をして密閉する
開封後のワインはしっかりと栓をすることが重要なポイントになります。以下の方法やアイテムを活用し、しっかりと栓をするようにしましょう。
【コルク栓】
抜いたコルク栓を捨てずに取って置くと、飲み残したボトルに再度はめて保存することができます。
この際、コルクにラップを巻いてからはめ直せば、密閉性が増しワインの味や風味が劣化しにくいためおすすめです。
【ラップ】
コルク栓を捨ててしまった場合や無くしてしまった場合には、瓶口にラップを巻いてから輪ゴムで止めるようにしましょう。
しかしこの方法では密閉性はあまり高くないと言えるため、早めに飲みきることをおすすめします。
【専用ストッパー】
ワインには専用ストッパーというアイテムがあります。
専用ストッパーを使うとワインの瓶口にしっかりとフィットしてくれるため、酸化を防ぎより長くワインを楽しむことができるようになります。
【真空ポンプ】
真空ポンプは、ボトルの中の空気を吸い出し、真空に近い状態で栓をすることができるアイテムです。
▲ステップ2:ボトルは立てて保存する
飲み残したワインは、空気中の酸素に触れることでどんどん酸化してしまい、味や風味が落ちてしまいます。
そのため、ワイン本来の風味を長く楽しみたい場合には、縦置きにして冷蔵庫で保存する方法がベストだと言えます。
立てて保存することで、空気に触れる面積が最小限になり、急激な劣化を防ぐことができます。
ボトル内のワインの残量が少なければ少ないほど、ボトル内に空気の量が増えてしまい、酸化のスピードが早まります。
そのため、飲み残したワインの量が少ない場合には、すべて飲みきるか小さめの容器に移してから保存するのがおすすめです。
1人でワインを飲む場合などには、1回でボトルを開けることはあまりないと思います。ワイン本来の風味を長く味わうためにも、正しい保存方法でワインを保存するようにしましょうね。
■残ったワインはこのように活用しよう!
飲みかけのワインを長期間放置してしまった場合には、そのまま飲むことは難しいと思われます。
そこでここからは、残ったワインをどのように活用するのか、いくつか活用方法を紹介したいと思います。
1、料理の隠し味に
残ったワインの活用方法として最も手軽なのが、料理の隠し味として活用する方法です。
カレーやビーフシチューなどの煮込み料理の加えることで、味に深みが増し、普段の料理の味を格段にアップグレードできる可能性があります。
料理に使用するワインと一緒に飲むワインを同じ品種にすると、相性はより良くなります。
2、煮込み料理、ソースに
ワインは魚介や肉の臭みを和らげてくれるため、煮込み料理にぴったりです。
また素材を柔らかくしてくれる効果も期待できるため、パサつきがちな鶏むね肉などをジューシーにすることもできます。
蒸し料理に白ワインを使うと、酸味が効いて爽やかな味わいになります。
3、サングリア、ホットワインに
残ったワインをお酒として味わいたい場合には、フルーツを漬け込むだけでアレンジできるサングリアにチャレンジしてみましょう。
寒い時期には、体の芯まで温まるホットワインもおすすめです。
サングリアやホットワインを作る際には、ピノ・ノワールの赤ワインやボージョレのワインなど、軽めの味わいのワインで作るとより美味しく飲むことができます。
4、ワインビネガーに
ワインビネガーは、ワインに生酢を4:1程度の割合で混ぜることで比較的簡単に作ることができます。
ワインビネガーはドレッシングや調味料として応用できるほか、ソースにアレンジしたり、マリネのベース液に使ったりできるため、料理の幅を手軽に広げることができるアイテムです。
残ったワインの活用に困っている方は、ぜひ上記4つの活用方法を試してみてくださいね。
■ワインを使ったレシピを紹介!
ここからは、残ったワインを料理に活用する際に参考にしたいレシピを紹介したいと思います。ここでは2つのレシピを紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
▲ホットワイン
【材料】
ワイン…750ml
グレープジュース…70ml
オレンジジュース…50ml
レモン汁…10ml
ハチミツ…大さじ7
【作り方】
1、 鍋にすべての材料を入れる。
2、 かき混ぜながら沸騰しない程度に温めて、全体に火が通ったら完成。
3、 完成後、冷蔵庫で鍋のまま1日程度置いて置くと、まろやかな味わいになる。
4、 コップに注いだら、お好みでシナモンスティックを添えて。
ホットワインは材料を混ぜ、火にかけるだけなので簡単レシピだと言えますね。
▲コック・オー・ヴァン(鶏肉の赤ワイン煮込み)
【材料】
骨付き鶏モモ肉…2本分
タマネギ…1/2個
ニンジン…1/2本
マッシュルーム…3個
ニンニクスライス…1かけ分
赤ワイン…300ml
薄力粉…小さじ1~2
溶かしバター…約10g
塩、コショウ…適量
【作り方】
1、 タマネギ、ニンジン、マッシュルームを食べやすい大きさにカットする。
2、 鶏肉の両面に塩、コショウをふり、深めのフライパンで焼く。両面に焼き色が付いたら、一旦取り出す。
3、 鶏肉を焼いた後の油にニンニクを入れて香りを出し、1の材料を入れ炒める。
4、 火が通ったら鶏肉を戻す。鶏肉が浸るくらい赤ワインを入れ、一度沸騰させてアクを取り除く。塩を適量加え、1時間ほど弱火で煮込む。
5、 とろみ付け用に、薄力粉とバターを混ぜておく。
6、 5を4に加えてとろみをつけ、もう一度沸騰させる。
7、 塩、コショウで味を調整すれば完成。
赤ワインで煮ることでパサつきやすい鶏肉もジューシーに仕上がり、本格的な味になること間違いなしです。ワインの最高のお供にもなるので、おすすめのレシピです。
■まとめ
今回はワインの保存について解説しました。ワインは開栓前であってもしっかりと保存することが、味や風味を損なわないために重要です。
特にワインを開けた後には、酸化スピードが早くなりますので、正しい方法で保存する必要があります。
すでに劣化してしまったワインがある場合には、今回紹介したような方法で活用するようにしましょう。
ワインは活用方法がたくさんあるアイテムなので、残ったワインも美味しく楽しみましょうね。