皆さんはワインを飲む際、どのようなグラスに注いで飲んでいますか?
一見どれも同じように見えるワイングラスですが、大きさや飲み口の広さ、カーブの形状などさまざまなタイプがあります。
今回はより美味しくワインを飲むために知っておきたい、ワイングラスの種類や選び方について詳しく解説していきたいと思います。
■ワイングラスを選ぶ方法
ワイングラスはワインの色や香り、味わいをゆっくりと楽しむために生まれましたそのため、ワインの魅力を最大限引き出すことができる唯一のグラスだと言えます。
ワイングラスには脚が付いています。これはグラスを持つ手から体温が伝わり、ワインの温度が上がってしまうのを防ぐためです。
そのため、ワイングラスを持つ際には、できるだけ脚の部分を持つようにしましょう。
普通のグラスではワインの香りや味わいを最大限楽しむことは不可能です。そのため、ワインを飲む際にはそのワインに合った適切なワイングラスを用いて飲むようにしましょう。
▲グラスによる味わいの違い
一口にワイングラスと言っても、さまざまな形状のものがあります。ここではワイングラスの形状によってどのような違いがあるのか解説していきます。
●香りの広がり方の違い
ワイングラスによってワインの香りがどのように広がっていくかが異なります。
香りの広がり方に影響しているのが、ボウル部分の膨らみ具合、カーブの形、飲み口の広さです。
この3つによって、香りが外へ広がるか内側に溜まりやすくなるかに違いが現れます。
空気に触れる面積が大きければ大きいほど外に香りが広がりやすくなるため、飲み口が広いグラスほど香りが広がりやすいと言えます。
●空気との触れやすさの違い
飲み口の大きさによって、ワインが空気に触れる表面積も決まります。ワインが空気に触れると香りや味わいに変化が現れ、発泡の持続性も変わってしまいます。
一般的には、空気に触れる面積が大きくなれば渋みが和らぎ香りが際立ち、空気に触れる面積が小さくなれば酸化が遅くなり、味わいや発泡が長持ちすると言われています。
●温度の上がりやすさの違い
ボウル部分の大きさによって温度変化のスピードに違いが出ます。グラスが小さければ温度が上がりにくく、グラスが大きければ温度が上がりやすくなります。
そのため、白ワインやスパークリングワインなど冷やして飲むタイプのワインの場合には小さいグラス、赤ワインなど常温で飲むタイプのワインの場合には大きめのグラスを使用するのがおすすめです。
●口への流れ込み方の違い
飲み口の広さや角度によって、ワインが口の中に流れ込んできた際の味わいの広がり方に違いが生まれ、甘味や渋味の感じ方にも違いが出てきます。
飲み口が広く直線的なグラスの場合には、広い幅で口の中に流れ込むため舌全体に甘みがゆっくり広がります。
一方飲み口が狭くすぼまっているグラスの場合には、ワインが細く素早く流れ込むため酸味を感じやすくなります。
ワイングラスの形状によって、上記のような違いが生まれてきます。
飲むワインの種類や味わいを最大限引き出すことができるワイングラスを選んでワインを楽しみましょう。
■代表的なワイングラス5種
先ほど解説したように、ワイングラスは大きさや形状が異なるだけでワインの香りや味わいを大きく変えてしまうことになります。
ここでは基本となる5つのワイングラスを紹介していきますので、ワインビギナーの方はまずはこの5つのワイングラスを覚えておきましょう。
●ボルドーグラス
ボルドーグラスは、チューリップ型で大きめのワイングラスです。ボルドーワインのような、タンニンが多く含まれるワインに最適なグラスであるためこのように呼ばれています。
飲み口が広めで空気に触れやすく、果実味や甘みを強調させて渋みを柔らかくしたいときにおすすめのワイングラスです。
【ボルドーグラスに合うワイン】
「カベルネ・ソーヴィニヨン」
「メルロ」
「シラー」(シラーズ)
「ソーヴィニヨン・ブラン」
●ブルゴーニュグラス
ブルゴーニュグラスは、飲む口がキュッとすぼまったバルーン型のワイングラスです。
大きく丸みを帯びたボウル部分の形状や飲み口が狭くすぼまっている形状から、爽やかな酸味を感じられます。
酸味が強いタイプや複雑な香りを持つワインに向いているグラスだと言えます。
【ブルゴーニュグラスに合うワイン】
「ピノ・ノワール」
「ネッピオーロ」
「カベルネ・フラン」
「シャルドネ(ブルゴーニュ産)」
●万能型グラス
万能型グラスは、ボウルの膨らみが大きめで飲み口の部分がすぼまった形状のワイングラスです。
ワインが空気に触れやすい構造で、渋味と酸味のバランスが良いミディアムボディの赤ワインに向いているグラスです。
適度なサイズ感で温度が下がりにくいため、白ワインにも合います。
【万能型グラスに合うワイン】
「ピノ・ノワール」
「マスカット・ベーリーA」
「シャルドネ」
「リースリング」
「ボージョレ・ヌーボー」
●フルートグラス
フルートグラスは、背が高く細長いフォルムで、縦に長く連なる美しい泡を鑑賞できるのが大きな特徴のワイングラスです。
その特徴から、シャンパーニュやスパークリングワインに使われることが多くなっています。飲み口が小さく空気に触れる面積が少ないため、泡が抜けにくく香りも長持ちします。
【フルートグラスに合うワイン】
「シャンパーニュ(フランス産)」
「スプマンテ(イタリア産)」
「カヴァ(スペイン産)」
●ワインタンブラー
ワインタンブラーは、カジュアルにワインを楽しみたい場合に最適なワイングラスです。
グラスに脚がついていないため安定感があり、お手入れも非常に簡単です。また持ち運びも簡単なので、ピクニックやホームパーティーで大活躍です。
上記5つのワイングラスはどれも比較的よく使われるワイングラスになります。
そのためまずは上記5つのワイングラスを使い分けることから始めてみてはどうでしょうか?
■ワイングラスの洗い方
ワイングラスはその形状から誤って割ってしまうことが多いグラスです。ここからは、ワイングラスを洗う際に知っておきたいポイントを紹介したいと思います。
●ポイント1:汚れがひどくなければお湯で洗い流すだけでOK
ワイングラスをこすり洗いしてしまうと、傷や破損のリスクを高めてしまいます。
そのため、それほど汚れがひどくない場合には45℃程度のお湯ですすぎ洗いするのが望ましいと言えます。
その際注意しなければいけないのがお湯の温度です。お湯の温度が高すぎるとグラスが膨張して割れてしまう可能性があるため、45℃程度の温度で必ず洗い流すようにしてください。
またクリスタルガラスは衝撃に弱い性質を持っているため、食器洗浄器は避けるようにしましょう。
●ポイント2:油分が目立つ時には柔らかいスポンジで優しく洗う
油分や口紅などの汚れが目立つ場合には、グラスのボウル下側を包むように持ち、柔らかいスポンジを使って優しく洗うようにしましょう。
この際、力を入れてボウル部分を強く握ってしまうと割れてしまう可能性があるため注意が必要です。
また研磨剤入りのスポンジやクレンザーなどはキズの原因になってしまうため、絶対に使用しないようにしましょう。
ワイングラスは上記2つのポイントに従って、優しく洗うようにしましょうね。
■ワイングラスの保管方法
ワイングラスは洗った後の保管方法も重要です。ここからはワイングラスの保管方法について解説していきます。
再度ワイングラスを使用する際に、ワインを美味しく飲むためにも、正しい方法で保管するように意識しましょう。
●飲み口を上にして匂いが少ない場所に保管する
ワイングラスは飲み口を上にして保管します。
飲み口を下にして保管してしまうと、密閉されたボウル部分に匂いがこもり、さらに繊細な飲み口部分にも負荷がかかってしまい、転倒したり割れたりする可能性があります。
またワイングラスに匂いがこもってしまうと、ワイン本来の香りを楽しむことが難しくなってしまいますので、そうならないように、なるべく匂いが少ない場所に保管することも大切です。
ワイングラスを保管する際には、台座を下にした状態で置き、食器棚など匂いが少ない場所に保管するようにしましょう。
●グラスを磨く時には布巾を2枚使用する
ワインを目で楽しむためにも、ワイングラスはいつでもピカピカに磨いておくことが重要です。
ワイングラスを磨く際には布巾を2枚用意し、グラスに直接手を触れないよう左右にそれぞれ持つようにして磨き上げていきます。
まずは台座部分を布巾で包み込むように持ち、グラスの脚と台座を拭きます。
次に、ボウル下を包み込むように持ち、ボウル外側をもう一方の手で拭き上げていきます。
内側は使っていない布巾の面を使用して、グラスに軽く押し入れて優しく回して拭きましょう。
ワイングラスの拭き方はマナーの1つでもあるため、しっかり把握しておくことが望ましいと言えます。
■まとめ
今回はワインを引き立てる存在であるワイングラスについて解説しました。ワイングラスによって、ワインの味わいや香りに大きな違いが生まれることはわかっていただけたと思います。
ワイングラスにこだわることで、今よりももっとワインを楽しむことができるので、ぜひワインに合ったグラス選びを実践してみてくださいね。