ワインは、紀元前6000年頃までにはすでに存在しており、今ではヨーロッパ諸国をはじめとしてアメリカやチリなど各国でワイン造りが盛んにおこなわれています。
人類の歴史の中でも特に長い伝統があるワインですが、最初はどの地域でワインが生まれたのか、あまり知らない方も多いのでは?
また、現在では世界各地に有名なワインの産地がいくつもありますが、今後は地球環境の変化によって産地に変化が現われるかもしれないと言われているのです。
今回は、ワインが発祥した地域や、良いブドウが育つ条件、そして今後の産地変化の予測についてご紹介します。
ワインが発祥した地域について
ワインの発祥の地は、黒海とカスピ海の間のコーカサス地方と言われています。
その後、文明の発達や文化の発展の歴史に続いて、主にヨーロッパに広がっていきました。
現在では、日本以外にも南米チリやアルゼンチンなどにも産地が広がっています。
有名な産地としてはフランス、イタリアなどの昔から有名なワイン産地や、最近ではチリやアメリカのカリフォルニアなどの北米・南米といった産地も人気が出てきており、ランキングの上位に食い込んできています。
ワインを造るには、良いぶどうの育つ条件が揃っていないと素晴らしいワインはできません。
そのため、産地は非常に特徴の出やすい条件の一つとして知られています。
同じブドウの品種が使われているワインでも、ブドウを栽培した産地が異なれば味や香りに違いが出てくるのです。
良いブドウが育つ条件や産地の変化予測について
ワインの原材料のブドウは、4月〜10月にかけて10〜20℃の間を保つのが適した条件で、十分な日照も必要になってきます。
そのため、この条件をクリアできる地域こそ、ワインの名産地と呼ばれるにふさわしい場所となるわけです。
ただ、世界のワイン地図は年々変わっています。
その年の天候・気候によって、10~20℃の間を保つこと、十分な日照があること、という条件を満たす産地が変わるためです。
また、今後、近年の温暖化の影響により、現在のワインの原材料でもあるぶどうを生産するのに適した地域のうち、およそ25%から75%の地域が2050年までに生産不能になるという研究結果も出ています。
このことも考えてみると、今後温暖化の深刻化により、ぶどうの生産される地域に変化が起こり、北欧の名前が挙がってくる日が来るかもしれません。
また、今後北半球のワイン生産者は南半球に生産を移す選択肢もありうるのでは、と指摘するブドウ栽培コンサルタントの方もいます。