旧世界のワイン産地を徹底解説!フランス以外の有名な産地についてチェックしよう!

[最終更新日]2019/07/10

前回はフランスワインの産地として有名な9つの地方を紹介しましたが、今回はフランス以外のワイン産地を紹介したいと思います。

フランスはワイン大国として知られていますが、フランス以外のヨーロッパ各地にもワイン造りが有名な地方はたくさんあります。ワイン産地についてより深く知りたいという方はぜひチェックしてみてくださいね。

イタリア

■イタリアはフランスと並んでワインの生産が特に多い国です。ブドウが不作だった2014年以外、2012年からワイン生産量はフランスを抜いて世界一位です。

イタリアのワイン産地では山岳・丘陵地帯が多く、地中海の影響を受け、多様性のある味わいのワインを生み出しています。その地の郷土料理と、そこでしか生まれないワインの相性を楽しむことができるでしょう。

イタリアの中でもワイン造りが活発な地域が2つありますので、ここではその2つの地域でどのようなワイン造りが行われているのか紹介していきます。

ピエモンテ州

ピエモンテ州はイタリア北部に位置しており、イタリアの中でも特にワイン産地として有名な州です。ピエモンテ州がワイン産地として有名なのは、2つの代表的なワイン産地だからです。
ピエモンテを代表するワインとしてまず紹介したいのが「バローロ」です。バローロは「ワインの王であり、王のワインである」と称される高級赤ワインで、バローロと名乗るためには厳しい基準をクリアする必要があります。オレンジを帯びたガーネット色とスミレの香りが特徴的であり、伝統的な大樽を用いた醸造方法も特徴だと言えます。
続いて紹介したいのが「バルバレスコ」です。こちらは「女王のワイン」と称されます。「バローロ」と「パルパレスコ」に共通するのが、高級ブドウ品種である「ネッピオーロ」を使用していることです。

●「ネッピオーロ」とは?


ネッピオーロとは高級ブドウ品種として有名なブドウです。ネッピオーロは栽培条件が極めて厳しいとされているため、世界中どこでも栽培できるわけではありません。
ピエモンテ州はイタリア最北部の山岳地帯に位置し、アルプスの険しい山々の麓に広がった特殊な地域であり、ネッピオーロの生産に最適な環境にあります。そのためネッピオーロを栽培することが可能で、ネッピオーロを用いた美味しいワインを醸造することができるのです。
ピエモンテ州にはネッピオーロの特徴を生かした単一品種ワインを造る文化が根付いている地域だと言えます。

●ピエモンテは「アスティ」の産地
甘口スパークリングワイン「アスティ」は、日本をはじめ世界で人気のあるワインです。ピエモンテはそのアスティの産地としても有名です。アスティだけでなく、アスティと同じ品種を使用した微発泡性白ワイン「モスカート・ダスティ」も世界中で人気となっています。

トスカーナ州

トスカーナ州はイタリア中部に位置する州で、イタリア全土で愛される黒ブドウ品種「サンジョヴェーゼ」の最大産地として知られています。サンジョヴェーゼにはクローンが多く、風味豊かでフレッシュなものから重厚な長期熟成タイプまで少なくとも14種類以上あると言われています。

●スーパートスカーナとは?


スーパートスカーナとは、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどボルドーでおなじみの品種を使い、近代的な手法で造られるワインのことです。イタリアワインの格付けでは、スーパートスカーナのワインは末端に位置づけられていますが、高品質のワインが続々と造られており、世界的に注目を集めています。

●ローマの休日にも登場する「キャンティ」
トスカーナ州で造られた赤ワイン「キャンティ」は大衆的な赤ワインです。キャンティは映画『ローマの休日』にも登場しており、認知度は高い赤ワインです。近年キャンティは値上がり傾向にあり、価格が上がりきらないうちに飲んでおくのがいいかもしれません。

ワインの産地とその特徴:イタリア

 

■スペイン

スペインの夏は暑いことから、現地ではワインを冷たく楽しむためにソーダや氷、フルーツを入れるなどして気軽にワインを楽しんでいます。

スペインを代表するブドウ品種は「テンプラニーリョ」です。スペイン全土で栽培されており、「センシベル」「ティント・デル・バイス」など土地によって呼び方が変わります。適度な酸味と濃厚な果実味を持つバランスの良い味わいであり、熟成することでピノ・ノワールにも似たエレガントな味わいに変化することもあります。
また、テンプラニーリョを主体にカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドした「スーパースパニッシュ」と呼ばれるワインも人気があり、安価なヨーロッパワインを楽しみたい方におすすめです。

●スペインワインの格付け

ワイングラス
スペインには産地による格付けに加えて、熟成による品質のグレードも決まっています。熟成期間が長いほど質が高いとされており、最上級のものは5年以上の熟成が必要になります。

【熟成によるグレード】
グラン・レセルバ
赤ワインの場合には最低5年以上、白・ロゼの場合には最低4年以上の熟成を要する。
レセルバ
赤ワインの場合には最低3年以上、白・ロゼの場合には最低2年以上の熟成を要する。
クリアンサ
赤ワインの場合には最低2年以上、白・ロゼの場合には最低1年半以上の熟成を要する。

●フランスの技術を採用したリオハ
リオハは、エプロ川流域の盆地に広がるスペインで最も有名な産地です。さまざまな土壌を持ち、複雑な味わいを表現したワインが多いのがリオハワインの特徴です。
リオハにワイン文化を広めたのは、フランス国内に広がったフィロキセラから逃れたボルドーの醸造家集団で、彼らはフレンチオーク樽を使った樽熟成の技術をリオハにもたらしました。そのためリオハのワインは他の地域に比べて熟成期間が長く、「グラン・レセルバ」のワインが多く造られる地域となっています。

●「シェリー」の中心的産地ヘレス


ヘレスは大西洋に面しており、世界的に有名な酒精強化ワイン「シェリー」の主要産地として知られています。ポニエンテと呼ばれる大西洋から吹く風がブドウ樹に湿気をもたらし、夏には乾燥を和らげて樹の葉などが熱くなりすぎるのを防いでくれるため、ヘレスはぶどうの栽培に適した地域だと言えます。
シェリーに使われるブドウの9割以上は「バロミノ」という白ブドウで、シェリー特有の辛口の上質な味わいを生み出しています。

●「カヴァ」の中心的産地ペネデス
スペインのスパークリングワインと言えば「カヴァ」が有名です。カタルーニャ州にあるペネデスはカヴァの中心的産地となっており、スペオン全体のカヴァ生産の9割を占めています。
カヴァに使われる主なブドウ品種は、マカベオ、チャレッロ、パレリャーダの3つです。手頃な価格ながら美味しく、品質も高いワインであるカヴァはスペインだけでなく世界的にも人気があります。

ワインの産地とその特徴:スペイン

■ドイツ

ドイツは世界のワイン生産国の中でも比較的北限に位置している国です。その冷涼な気候を生かして、リースリングやゲヴェルツトラミネール、シルヴァネール、ミュラー・トゥルガウといった白ワイン用のブドウ品種の栽培が盛んです。ドイツでは、上記のブドウ品種を生かした白ワイン醸造が有名になっています。
従来ではドイツワインと言えば甘口ワインの方が主体でしたが、近年では世界的なトレンドをとらえた辛口タイプも揃え、バラエティーに富んださまざまな味わいのワインを楽しめるようになりました。

●世界三大貴腐ワイン「トロッケンベーレンアウスレーゼ」

白ワイン
貴腐ワインとは、果皮の薄い白ブドウの表面に貴腐菌が付着してできる貴腐ブドウから造られるワインです。ドイツワインの格付けで最高峰の評価を得ている「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、フランスの「ソーテルヌ」、ハンガリーの「トカイ」と並ぶ、世界三大貴腐ワインとして有名です。

●赤ワインのクオリティの上昇
ドイツといえば白ワインのイメージがありますが、実は赤ワインの生産も南部を中心に古くから行われていました。特に、「ドルンフェルダー」という品種を使った赤ワインが人気で、安価で質の高い赤ワインとして有名です。近年では温暖化の影響からか「シュベートブルグンダー」を使った、果実味豊かな赤ワインが多く生まれています。

●ドイツのブドウ畑はほとんどが川沿い?
ドイツのブドウ畑はそのほとんどが川沿いの斜面にあります。傾斜によって日光がブドウに効率よく当たるだけではなく、水面の照り返しで日照量を増やすことができるのが大きな特徴だと言えます。加えて、川に面しているため気温変化が緩やかになり、急激な冷え込みによってブドウ樹が枯れてしまうのを防ぐこともできます。
川沿いの斜面でじっくり熟したブドウによって、極上の甘みと酸味を備えたワインを造ることができるのです。

●伝統的なワインボトル「ボックスボイテル」
ボックスボイテルとは、ドイツのフランケン地方特有のボトルであり、丸みを帯びた特徴的な形をしています。18世紀に横行した悪徳ワイン業者の偽ワインと区別するために、ボックスボイテルの容器にワインを入れたのが始まりだと言われています。
今でもフランケン地方の多くの醸造所では、高品質のワインの証としてボックスボイテルのボトルを使用しています。

●「クラシック」と「セレクション」
ドイツといえば甘口ワインが主流でしたが、近年では辛口ワインの生産も盛んに行われています。その流れでドイツでは辛口の上級ワインに関してワイン法が見直され、2000年には「クラシック」「セレクション」という辛口ワインの新たなグレードが誕生しました。ランクでは「セレクション」の方が「クラシック」よりも高くなっていますが、どちらも高品質なワインであることには変わりありません。

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■ポルトガル

カクテルを作る男性

ポルトガルワインといえば、酒精強化ワインのボートワインが有名です。ボートワインは、ワインの発酵途中にアルコール度数77度のブランデーを加えて発酵を止める製法で造られ、独特な甘みと深いコクが特徴的なワインです。一般的なワインがアルコール度数10度から15度なのに対して、ボートワインは20度前後とやや高くなっているのが特徴だと言えます。

●ボートワインの種類
ボートワインには主に以下の3つの種類があります。
・黒ブドウを使って3年以上熟成させた「ルビー・ポート」
・「ルビー・ポート」をさらに樽で熟成させた「トゥニー・ポート」
・白ブドウを原料に3年から5年熟成させた「ホワイト・ポート」
またブドウを原料としたスピリッツを添加して造られる、酒精強化ワインのマデイラワインも有名です。マデイラワインは甘口から辛口まで味わいの幅が広く、スモーキーな香りを持っているのが大きな特徴です。

●ポルトガルでしか栽培されていないブドウ品種がある!
ポルトガルは歴史が古く、伝統的な栽培法や醸造法が受け継がれています。さらにポルトガル固有のブドウ品種も多く、個性的なワインが数多く存在しています。

【ポルトガルの主要品種】
・トウリガナショナル(赤)
ポルトガルを代表するブドウ品種。ポートワインに使われることが多い。
・アラゴネス(赤)
果実味が強く、濃厚な味わいが特徴的。
・フェルナンピレス(白)
ポルトガルで最も多く栽培される白ブドウ。
・シリア(白)
早飲みワインに適した白ブドウ品種。フルーティーでフレッシュな味わいを生む。

●世界最大のコルク産地

ドイツワイン
ポルトガルはワインには欠かせないコルクの産地です。コルク樫はスペインやフランス、イタリアなど地中海沿岸の限られた地域でしか群生していません。ポルトガルはその中でも特に大きな面積を有しており、コルク生産シェアは世界の約50%、コルク製品シェアは世界の約75%と、世界トップクラスのシェアを誇っています。

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■スイス

フランスのブルゴーニュ地方

スイスワインは一般的には知られていませんが、ワイン好きの間ではヨーロッパ屈指のワイン大国として知られています。スイスワインはヨーロッパ以外に出荷されることがほとんどなく、日本で見かける機会は滅多にないため、日本人にとっては馴染みがないのです。
スイスワインが日本に出荷されない理由は大きく2つあります。
1つ目の理由は、スイスは山岳地帯が多く、ブドウ栽培に適していないため、どうしても販売価格が他国に比べて高くなってしまうからです。
2つ目の理由は、生産されたスイスワインのほとんどがスイス国内で商品されるため、輸出される数がそもそも少ないからです。
そのため、日本でスイスワインを見かけたらすぐに購入することをおすすめします。

●スイスを代表する白ブドウ「シャスラ」
シャスラはスイスを代表する白ブドウです。世界のシャスラのおよそ8割がスイスで生産されており、スイスは世界を代表するシャスラ生産国だと言えます。
シャスラを使用した白ワインは、複雑な香りと繊細なニュアンスを併せ持つ個性的な味わいが特徴です。白ワインを使ったスイス名物チーズフォンデュと合わせれば絶品間違いなしです!

●スイスの赤ワインは「ピノ・ノワール」
スイスで造られる赤ワインのほとんどは「ピノ・ノワール」を使用しています。ピノ・ノワールを使用した赤ワインは、透明感のある鮮やかな赤い色味が特徴で、渋味や苦味が少なくスッキリと飲むことができます。

■まとめ

Wine World Powers of the Old World Other than France

今回はフランス以外の旧世界のワイン大国として、イタリア、スペイン、ドイツ、ポルトガル、スイスのワインとその産地について紹介しました。同じ旧世界のワインでも国によって異なる点が多々あり、それぞれ個性豊かなワイン造りを行なっていることがわかりましたね。旧世界のワインに興味を持たれた方はぜひ飲み比べしてみてくださいね!