ワインといえばイタリアやフランス、スペインなどのヨーロッパワインが有名ですが、生産量世界5位のアルゼンチンのワインもファンが多いです。
果実味やしっかりとしたコクがありながらリーズナブルな価格であることから、日本でも家庭用や贈答用として購入する人が増えています。
ただ、アルゼンチンは、ジャングル地帯や大草原、森林、乾燥地など多様な自然を持つ国でありながら、なぜワイン造りを盛んに行うことができているのでしょうか?
今回は、アルゼンチンがワイン造りに適している2つの理由やアルゼンチンワインが世に出たきっかけ、味わいの特徴についてご紹介します。
アルゼンチンのワインの生産量は?
多種多様な自然や地形を有するアルゼンチンには、アンデス山脈の麓に22万ha以上のブドウ畑が存在し、ワイナリー数は1300個。
世界的に見ると、アルゼンチンのワイン消費量は世界第7位、ワインの生産量は世界第5位を誇っています。
ワイン造りというと昔からワインづくりが盛んに行われてきたヨーロッパの国々が上位を占めていそうですが、意外にもアルゼンチンワインは生産量TOP5に入っています。
また、アルゼンチンはワイン生産量が多いだけでなく輸出量も多く、ワイン輸出大国として有名なのです。
アルゼンチンがワイン造りに適している2つの理由
自然豊かな国であるアルゼンチンがなぜワイン造りに適しているのか2つの理由を確認していきましょう。
●寒暖差が大きい
アメリカ大陸の南端に位置するアルゼンチンがワイン造りに適しているのは、第一に気候に寒暖差が大きいことです。
高地なので夏と冬、昼と夜の気温差があることで、ワインの原料となるぶどうのうまみが凝縮されるのです。
アルゼンチンの中でワイナリーが一番多いメンドーサ州では、夏はとても暑くて冬は氷点下まで気温が下がります。
メンドーサ州は、ワインの似合うおしゃれな街です。
メンドーサ州のようにアンデス山脈の標高600mから1000m以上にもなる涼しい場所でアルゼンチンの高品質ワインは造られています。
高い標高でのワイン造りにより、日照量が多く朝晩の寒暖差が大きくなり、甘みや酸味などのバランスの取れたワイン造りに適したブドウを作ることが可能。
また、アンデスから吹き降ろす風により、ブドウの病気を避けることもできます。
●土壌と清らかな水が使える
ワイン造りには欠かせない乾燥した土壌と、アンデスからの清らかな水が豊富に使えるということも適している理由です。
雨が少なくアンデスからの雪解け水を利用したブドウ栽培が行われており、健康的で味のバランスの良いブドウを作ることができるのです。
アルゼンチンワインが世に出たきっかけ
16世紀にスペイン人がアメリカ大陸を発見した時、ワインがアルゼンチンにはじめてもたらされました。
大航海時代はキリスト教布教の時代でもあったので、ワインがミサの必需品であったからです。
19世紀の後半から20世紀にかけてスペイン、イタリアから多くの人達がアルゼンチンの食料の豊かさを求めて移民として入ってきました。
その移民の人達によって、高度な専門知識やワイン生産の知識、カベルネ・ソーヴィニョンなどのブドウ品種が持ち込まれたことで、生産量や質が劇的に良くなりました。
ブドウ畑の範囲を見ると、1873年には5000エイカーのブドウ畑でしたが、1893年には5倍の25000エイカー、20世紀初頭には519800エイカーまで拡大していきました。
そして、1990年代にはアルゼンチン国内だけでなく外国からの投資が増えたこともあって、アルゼンチンワインは国際的に評価が高くなったのです。
また、以前は国内消費量が高く、テーブルワイン生産が中心でしたが、現在では外国資本流入に伴って世界的なニーズの高い高品質なプレミアムワインの生産も行っています。
アルゼンチンワインの特徴
アルゼンチンワインは成熟した香りと深いコクがあるのが特徴です。
渋みであるタンニンも、やわらかくて飲みやすいワインです。
同じ品種のぶどうでも、場所によって味わいが違うということもアルゼンチンワインの魅力です。
名前を銀に由来するものや、地名に由来するものがあります。