川

世界各国で愛されているドイツのワインですが、格付けや等級について詳しく説明できる方は少ないのでは?

ドイツワインの格付けや等級によっては、価格や味わいなどが異なるため、ワイン選びに迷った時の一つの基準となるでしょう。

今回は、ドイツワインの生産環境や、等級が何を基準として決定しているのかについてご紹介します。

 

■ドイツワインの生産環境について

ぶどう

ドイツはビールが有名ですが、実は優れたワインの生産地としても知られています。

世界のワイン産地のなかでは最北で、高緯度なので日照時間が短いです。そのため、気候条件は恵まれているわけではありません。

しかし、ドイツの人は、自然を上手に利用して、優れたワインを作っています。

ドイツのぶどう栽培地は、ほとんどがライン川やライン川の支流の地域にあります。

ライン川の川面に太陽の光が反射することで、一帯が保温され、ぶどうを寒さから守ってくれるのです。

自然の条件を最大限に生かしながら、高い技術力で気候や土壌に合ったぶどう品種の開発を行っています。ドイツワインは、生産量の6割近くが白ワインです。

 

■ドイツワインの等級について

ワイン

1971年には、ドイツでもワイン法を大改正します。

ワイン法の大改正と同時に、ぶどう園名が統合され整理が行われます。

そして、ぶどう畑だけではなく、ワインの性質や品質の等級などをラベルに明記することになったのです。

ドイツワインの公的な等級の対象となるのは、ドイツ国内で定められた地域で栽培された葡萄のみとなっています。

ドイツワインの等級は、主にワインの産地と糖度が基準となっており、果汁糖度の高さにより等級分けがされます。

モスト量によって、6等級まであります。

・カビネットは、最低モスト量が67エクスレです。
・シュペトレーゼは、最低モスト量が76エクスレです。
・アウスレーゼは、最低モスト量が73エクスレです。
・ベーレンアウスレーゼは、最低モスト量が110エクスレです。
・トロッケンベーレンアウスレーゼは、最低モスト量が150エクスレです。
・アイスヴァインは、最低モスト量が110エクスレです。

このように各等級には、産地や葡萄品種によって個別に決められた最低エクスレ(葡萄の成熟度を計測するために考えられた方法で水と果汁の比重差を数値化して表す)があります。

等級はそれぞれのエクスレ度の基準を超えた場合のみに認められ、最低エクスレ度の数値に幅があることが分かります。

ドイツワインの等級:カビネット

 

■ドイツワインで使われる基本の葡萄品種

ぶどうの木

ドイツワインに使われる葡萄品種の中でも基本となるのが、白ワイン用ブドウ品種であるミュラー・トゥルガウとリースリングの二つです。

ドイツで生産される葡萄品種は約140品種とされており、内訳は白ワイン35品種、赤ワイン100品種以上となっています

多くの葡萄を栽培するドイツですが、市場で重要な位置にあるのは20品種程度であり、中でも白ワイン用ブドウ品種ミュラー・トゥルガウリースリングの二つが基本となっています。

この葡萄2品種は、ドイツの葡萄総栽培面積の3分の1を占めており、13のワイン地域すべてで栽培

ミュラー・トゥルガウは酸味の少ないマイルドな味が特徴的で、早熟で増える点からリーズナブルなドイツワインに使われる傾向にあります。

一方、リースリングは酸味があり熟成期間に応じて甘みが増すのが特徴ですが、大量生産が難しい点から高級ドイツワインに使われています。

ドイツでは赤ワインも生産しており、シュペートブルグンダーなどの葡萄品種が使われます。

等級・格付けやブドウ品種などを確認しながら、自分の好みのドイツワインを見つけてみましょう。

ドイツワインの基本知識:葡萄品種の基本