ラングドック・ルシヨンというワードを聞いたことがありますか?
実はフランスワインの生産地として有名なエリアであり、知らず知らずのうちにランドック・ルシヨン地方のワインを見たり、飲んだりしているかもしれません。
今回は、ランドック・ルシヨン地方とはどのようなエリアなのか、そしてランドック地方の中でも白ワインが有名なリム―と呼ばれる地域についてご紹介します。
ランドック・ルシヨン地方とは
ラングドック・ルシヨン地方は、地中海に面するエリア、コートダジュールとは異なる雰囲気を持つ南フランスで、地中海に面した海岸は220キロも続く広大な砂浜が人気を集めている場所です。
ランドック地方は南部と北部に分けることが出来るエリアであり、ランドック南部エリアには赤ワインを生み出す「フィトゥー」や「マルペール」、赤ワインと白ワインの両者を生み出す「コルビェール」、そして白ワインを生み出す「リムー」などがあります。
白ワインのブドウ品種にはモーザックを初め、シュナブラン、シャルドネと言った種類が栽培され、ラングドック地方の中では唯一の白ワインを生み出すエリアとも言われています。
実は、フランスワインの全生産量の約20%はこのランドック・ルシヨン地方で造られており、世界140か国以上に対して輸出をしている最大の輸出産地。
私たちが良くスーパーやコンビニなどで目にする1000円程度のフランスワインは、ランドック・ルシヨン地方で造られています。
ラングドック・ルシヨン地方をワインの産地としてご存知の方もいるかもしれませんが、ブドウだけでなく野菜や果実の産地としても有名な場所です。
ランドックのリムー地域について
なお、「リムー」はピレネー山脈とコビエールの山の間に在り、地中海、ピレネー山脈、大西洋の3つの気候を持つエリアでもあります。
こうした環境が良質の白葡萄栽培に向いていることからも、白ワインの名産地とも言われているのです。
また、このエリアで栽培されているシャルドネ種は、ブルゴーニュ地方の北部に位置するシャブリ地区で栽培されているものと同じであり、シャルドネ種は冷涼な気候を好み、辛口の白ワインを作り出してくれると言った特徴があります。
ちなみに、「リムー」はシャンパーニュ地方で有名な発泡性ワインを生み出すエリアでもあり、シャンパーニュ地方よりも100年以上早くスパークリングワインを造っていたとされています。
現在では、リム―のエリアで造られるシャルドネやシュナンが中心のスパークリングをクレマンド・リムーと呼んでいます。
また、リムーは、白ワイン以外にも人気を集めていると言った特徴もあるエリアです。
なお、シャブリ地区は日照の良い斜面で良質のブドウを生み出し、ランドック・ルシヨンにおいても南向きの斜面や段丘にブドウ畑があるなどの特徴を持ちます。
ランドック・ルシヨン地方の主なブドウ品種
ランドック・ルシヨン地方では、ブドウが育ちやすく多くのブドウ品種が栽培されています。
白ワイン用のブドウ品種では、グルナッシュ・ブランやルーサンヌ、マルサンヌ、ブールブーラン種などの品種が栽培されています。
グルナッシュ・ブランとは、赤ワインに使用されている高級ワイン用ブドウ品種である「グルナッシュ」が白ブドウに変わったものを言います。
これらブドウ品種のほか、白ブドウではフランス北部で主に栽培されているシャルドネ種や、スペインワインで多く使われているマカベオも栽培されています。
赤ワインのブドウでは、グルナッシュやシラー、カリニャン、ムールヴェードル、サンソーなどが挙げられます。
ランドック・ルシヨン地方で栽培されている赤ワイン用のブドウ品種は、温かい気候を好むブドウ品種が多いのが特徴です。
ランドック・ルシヨン地方のワインの魅力
ランドック・ルシヨン地方では、以前はテーブルワインがメインで造られていましたが、現在ではA.O.Cワインが増えつつあります。
フランスの三大産地に比較すると、A.O.Cワインの割合は低く、IGPワイン(畑まで細分化されている「AOP」よりも保護している区分けが広く規定も緩やかなワイン)が70%を占めています。
この地方のワインが人気の高い理由の一つが、さまざまな新酒をリーズナブルに楽しめるというコストパフォーマンスの高さ。
テーブルワインだけでなく、A.O.CワインやA.O.C以外の新酒も魅力的なランドック・ルシヨン地方のワインをぜひ楽しまれてみては。