フランス南部にあるコート・デュ・ローヌはワインの産地。
果実味が豊かで濃厚なボリューム感たっぷりでありながら、リーズナブルな値段でコート・デュ・ローヌのワインを入手することができます。
コート・デュ・ローヌでは赤ワインの生産が多いですが、実は白ワインもリーズナブルで美味しいものが多く存在します。
今回は、シャブリワインの味わいやランクについて触れながら、コート・デュ・ローヌの白ワインの特徴についてご紹介します。
シャブリの味わいやランクについて
コート・デュ・ローヌの白ワインの特徴に触れる前に、シャブリワインの特徴を確認しておきます。
シャブリはフランスワインの1つで、主にシャルドネ種のぶどうから作られます。
シャブリ地区が存在するブルゴーニュ地方は、ワインの名産地として知られるボルドー地方と並ぶ生産地で、辛口白ワインの代名詞的となっています。
4つの格付けがなされていて、特級畑の「シャブリ グランクリュ」をはじめとして、「シャブリ・プルミエ・クリュ」、「シャブリ」と続き、一番下の格付けである「プチシャブリ」までランクが分かれています。
「プチシャブリ」は格付けの中では最もカジュアルなワインですが、低価格で気軽にシャブリを楽しむことができるというメリットがあります。
コート・デュ・ローヌとは
コート・デュ・ローヌは、フランス南部に位置するワインの広域AOC名で、ローヌワインの生産地の中でも地区名や村名AOCのないワインに与えられる名前です。
ローヌ地方で生産されているワインの約80%はAOCであり、コート・デュ・ローヌの表記は「ローヌ川沿岸」という意味のフランス語です。
市場に出ているAOCコート・デュ・ローヌの大半が、ローヌ下流地域の南部で生産されたもので、割合としては約80%を占めています。
コート・ディローヌの特徴としては、凝縮した果実味とスパイスの風味に加え、ローヌワインらしい濃厚なコクのある味わいが特徴で、手頃な価格で優れたワインを味わうことができます。
広大なローヌの中でも、多くの生産者がコート・デュ・ローヌを作っているため、その数は膨大です。
しかし、その中でも比較的良質なワインを作る16の地区は、「コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ」というAOCを名乗ることが認められています。
テーブルワイン並みの低価格でありながら、品質の安定したワインが飲めることから高い人気を誇ります。
ミネラルが豊富に含まれた土壌で育ったぶどうを元に作られたシャブリは独特のスパイス感が魅力で、コート・デュ・ローヌは果実の濃厚でコクのある味わいが楽しめます。
コート・デュ・ローヌのブドウ品種
ここでは、コート・デュ・ローヌの主なブドウ品種をご紹介します。
●赤ワイン用のブドウ品種
コート・デュ・ローヌの赤ワイン用のブドウ品種では、シラーとグルナッシュが主に使用されています。
シラーはコート・デュ・ローヌ地方を原産地とする赤ワインに使われるブドウ品種のこと。
小粒で皮が分厚いシラー種は、ワインになった時に濃厚色とスパイシーさ、凝縮感の味わいを生みます。
豊かなタンニンと綺麗な酸味を兼ね備えており、黒コショウなどのスパイシーな風味を感じられるのが特徴的です。
グルナッシュは、果実味がたっぷりで口当たりが強く感じられますが、酸やタンニンは穏やかなのが特徴と言えます。
●白ワイン用のブドウ品種
コート・デュ・ローヌの白ワイン用のブドウ品種では、ヴィオニエとグルナッシュ・ブランが主に使われています。
ヴィオニエは小さくて皮の薄い粒と小さめの房が特徴の品種であり、華やかな香りとトロトロの果実味、厚みのある味わいが楽しめます。
ローヌ北部が原産のブドウ品種ではありますが、現在では世界中で栽培される人気のブドウ品種です。
また、グルナッシュ・ブランは、あまり酸が感じられず、柑橘系やハーブの香りとコクのある果実味が特徴的なブドウ品種。
このグルナッシュ・ブランは、もともとグルナッシュと呼ばれる赤ワイン用のブドウ品種が変化したもの。
グルナッシュ・ブランで作られた白ワインは、穏やかな酸と厚みのある豊かな味わいを楽しめるでしょう。