シャブリのトップドメーヌとして有名なヴァンサン・ドーヴィサは、シャブリ好きな方な聞いたことがあるでしょう。
今回は、ヴァンサン・ドーヴィサの歴史や、ヴァンサン・ドーヴィサのワイン造りの特徴についてご紹介します。
ヴァンサン・ドーヴィサの歴史
フランスは世界に名高いワインの生産国で、中でもブルゴーニュはその代表的な生産地としてよく知られています。
そんなブルゴーニュ地方の最北に位置するシャブリ地区で作られる辛口の白ワインは、その地名からシャブリと呼ばれて、ブルゴーニュワインの代表的なものの一つとなっています。
ヴァンサン・ドーヴィサはいくつも存在するシャブリの生産者の中でも、特に品質の高い製品を作っているため、日本でもその名がよく知られています。
ヴァンサン・ドーヴィサは、1920年代から続く、長い歴史を誇るシャブリの代表的な生産者です。
1920年代にシャブリ地区でロベール・ドーヴィサ氏によってヴァンサン・ドーヴィサは設立され、1931年にドメーヌ元詰めを開始。
ドメーヌ・フランソワ・ラヴノーとともに、シャブリ地区の偉大な伝統を引き継いだ古典的な生産を行いました。
その後、ドメーヌ経営を受け継いだ息子のルネ氏は、小樽を使用する伝統的醸造法にこだわり続け、ドメーヌの名声を確固たるものとしたのです。
1989年には、ルネ氏の息子のヴァンサン氏が当主となり、「ドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサ」を名乗るようになりました。
ヴァンサン・ドーヴィサのワイン造りの特徴
近代的なワイン造りを行う生産者が多くなっている中でも、このヴァンサン・ドーヴィサでは昔からの伝統を現在でも引き継いでいます。
その例として挙げられるのは、熟成にシャブリ地方で伝統的に用いられていた、フュイエットという132リットル入りの樽を使用していることです。
現在ではステンレスのタンクを用いて熟成を行う生産者が多くなっている中で、ヴァンサン・ドーヴィサは樽の風味が加わってより深い味わいを感じさせるワイン造りにこだわっているのです。
また、ワインの原料にももちろん大きなこだわりを持っており、2002年からは新たにビオディナミ農法を取り入れてさらに品質の高いブドウを生産しています。
ビオディナミ農法とは、土壌のエネルギーと自然界の要素の力を引上げてブドウの生命力を高める農法のことを指し、ヴァンサン・ドーヴィサではビオディナミ調合剤を入れた堆肥を使用して、収穫は選別しながらすべて手摘みで行っています。
伝統を守りつつ新しい手法も上手く取り入れることで、甘美な果実の味わいをしっかりと感じさせるヴァンサン・ドーヴィサのシャブリは、ブルゴーニュワインの中で最高峰の存在となっているのです。