ワインはさまざまな種類があり、どれを飲もうか迷っている時でもラベルや形状、銘柄など棚に並ぶボトルを見ているだけで楽しく感じますよね。
ただ、ワインが詰められている瓶の形は一定ではなく、瓶の形がワインの産地と関係しているのはご存知でしょうか?
今回は、代表的なタイプのいかり肩の形や、なで肩の形など、ワインボトルの形の意味についてご紹介します。
いかり肩の形はボルドータイプ、なで肩はブルゴーニュタイプ
世界には有名無名を問わず、さまざまなワインが存在しています。
こうしたワインを入れるビンの形は、注意して見るとある程度違いがあることがわかります。
ところで、こうしたビンの形の違いの理由はこれまた全くさまざまですが、特に古くからワイン作りが盛んだったヨーロッパの場合、産地によってビンの形が異なります。
漫画・アニメやイラストなどでもワインボトルといえばこのタイプの形状に描かれることも多い、代表的なタイプがあります。
それは、いかり肩ですっきりしたシンプルな形状の、緑色のガラスでできたビンです。
このタイプはフランスのボルドー地方にルーツがあります。
ボルドー地方で生産されるワインは渋味が強いしっかりとした味わいが特徴であるのですが、長期熟成している間に瓶の中に澱が溜まりやすくなるため、ワイングラスに注ぐ際に澱がグラスに入らないようにするために、しっかりした肩を持つ、いかり肩の形になっているのです。
一方、やはり同じフランスの産地ではあっても、ブルゴーニュ地方発祥のビンはボルドーのものに比べると、ややなで肩です。
産地によって違う瓶の形
また、ドイツのライン地方・モーゼル地方も、古代ローマ帝国時代から続くワインの産地です。
この地域発祥のビンの形は、背丈の高いスリムなタイプです。
一方、一般的なワインボトルのイメージとは少し違う、ずんぐりした形状のボトルもあります。
例えば、ドイツのフランケン地方発祥のボトルやポルトガルの「マテウス・ロゼ」のボトルは、「ボックスボイデル」と呼ばれる特有のずんぐりした形をしています。
こうしたずんぐりしたビンの形は、古代〜中世の西洋で使われた皮製の酒袋の形状をイメージしたものです。
なお、日本のワインのビンの形も、全くさまざまな形状です。
特にボルドータイプやブルゴーニュタイプのボトルが、世界的にも一般的な形状のボトルであることも相まって多く選ばれているようです。
このようにベーシックないかり肩やなで肩以外にも、産地によってさまざまな瓶の形を目にすることができるので、ワインを楽しむ際には産地別にその形状の違いや味に注目してみてはいかがでしょうか?