立ち飲み
一昔前であれば、立ち飲み屋に寄るのは、言葉を飾らないで言うと肉体労働者とか、サラリーマンでもブルーカラーと言われた人たちでした。一言で言えば、安酒を飲んで、それなりに酔い、愚痴をこぼしたり、上司の悪口を言ってはストレスを解消する場でした。

ですから、飲み物は決まって日本酒でしたし、焼酎を飲むことがあっても今のように質の良いものではなく、酔うことだけが目的のものでした。ビールもなくはなかったのですが、アルコール・パフォーマンスからすると高くつくので、余程のことでないと手を出さないという状況でした。

今は様相が一変しています。昔で言えば、仕事帰りに喫茶店によってコミュニケーションを図ってから帰宅するというような雰囲気と言ってもいいのではないでしょうか。
酔うためにではなく、語るための添え物としてアルコールをいただくという感じです。そして、立ち飲み屋もムードが一変していますので、若者が好んで行きますし、男性だけででなく、女性も大勢出かけています。女性どおしの二人連れという光景も珍しいものではなくなっています。

となると、若者向け立ち飲み屋のキーワードは、ワインとか、カクテルといったことになります。もちろん、ビールもありますが、そこらの居酒屋でのものよりは、輸入ビールとか、少し高級なものの方が好まれています。日本酒にしても安酒ではなく、輸出して外国人に喜ばれるような銘柄が中心です。

これらは、酔うことが目的ではなくて、語り合うことや自分たちの世界を楽しむためのものでから、おしゃれで、雰囲気にマッチしたものでなければならないのです。