ワインを扱っているレストランやワイン専門店などで、「ミュスカデ」という言葉を見たことがある方は多いのでは?
軽くさっぱりとした味わいが特徴の辛口ワインであり、甘い香りを持つミュスカデは、価格もリーズナブルでお家で楽しむ方も多くいます。
今回は、ミュスカデとはどのようなワインなのか、そして優れたミュスカデの選び方についてご紹介します。
ミュスカデとは
ミュスカデは、ワイン王国フランスのロワール川河口付近で作られるAOCワインのことです。
フランス語でミュスカと発音するマスカットや、ボルドー産のミュスカデルとは別物なので、混同しないようにしましょう。
ミュスカデのワインの特徴は、爽やかな酸味や果実味、そしてシュルリー製法による独特の風味にあります。
シュルリー製法とは、LIE(澱)のSUR(上)で冬を過ごすという意味。
つまり、ミュスカデは、ワインに香りが付くことから好まれない澱を取り除かずにそのまま冬を越す製法を取っています。
これにより、独特な風味がプラスされ、酸味と酵母の香りが特徴的なミュスカデらしい個性を楽しめるようになっています。
ミュスカデに使用されるブドウ品種
ミュスカデはAOCが4つあり、産地に応じて分けられています。
ミュスカデのほか、セーヴル・エ・メーヌ、コトー・ド・ラ・ロワール、コート・ド・グランリューの3つがあります。
3種の中でも生産量が最も多いのはミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌとなりますが、いずれにおいても原料となるのはムロン・ド・ブルゴーニュというブドウ品種となっています。
ムロン・ド・ブルゴーニュは名前に入っている通り、フランスのブルゴーニュ原産の品種です。
さて、ではこのムロン・ド・ブルゴーニュの特徴としてはどういったことが挙げられるのかというと、まず最も印象的な特徴となるのはその香りです。
ブドウは品種によって異なる香りを有していますが、このワインに使われるムロン・ド・ブルゴーニュはマスクメロンにも似た芳しい香りを持っています。
特に優れたミュスカデは、その芳しい香りがよく表れており、一度嗅いだことがあるのならば再び嗅いだ時にすぐに「これはミュスカデだ」と判断できるとも言われています。
味わいについては、フレッシュでフルーティーな辛口という評価が最も多く、特に魚介類を使った料理に合わせやすいワインとされています。
その他、お寿司などの和食にも合うため、日本の食卓に並べやすいワインと言えるでしょう。
優れたミュスカデの選び方
しかし、良質なワインが揃っているフランスワインの中でも、ミュスカデは特に「当たり外れ」が大きいと言われているのも事実です。
日本国内の安価な飲食店で供されるミュスカデについては、残念ながら出来のあまり良くない、その代わりに格安で販売されているものが多いとも言われています。
ただ、ワイナリーによってワインの出来が変わるのは当然のことですし、中にはミュスカデでも極めて優れたものもあります。
特に、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌに関しては秀逸なものが多く揃っていると評価されていますから、過去に飲んだことがある人もここで作られたミュスカデを味わってみると良いでしょう。
ミュスカデのワインの飲み方と保存方法
ミュスカデはさっぱりとした口当たりが特徴的なワインです。
6度程度から飲み始め、徐々に温度が上昇して8度くらいになるというのがミュスカデのワインの美味しい飲み方と言えます。
温度設定はご自宅でも簡単にできます。6度程度にするには冷蔵庫で一晩冷やし、冷蔵庫から出して室温に10分ほど置いておけば温度を近づけることが可能です。
そして、ミュスカデのワインを飲みかけのまま保存したい場合には、冷蔵庫に栓をして保管しておけば2~3日は味に問題ありません。
基本的にデリケートなワインではないため、保管方法に気を付けておけば美味しく楽しめます。