フランス南西部の中心的都市であるボルドー地方は、ブルゴーニュ地方と肩を並べる2大銘醸地として知られています。
ボルドーワインで造られるワインの内訳をみてみると、90%を占めるのは赤ワイン、残りの10%程度が白ワインであるため、多くの方は「ボルドーワインといったら赤ワイン」と連想するでしょう。
ただ、赤ワインで有名なボルドーワインですが、白ワインにも有名なものが多く、人気を集めているのです。
この記事では、ボルドーワインの美味しさの秘密や、ボルドーの白ワインの魅力についてご紹介します。
ボルドーワインの美味しさの秘密
2007年に世界文化遺産にも選ばれ、その歴史ある街並みもさることながらボルドーと聞くとやはり一番先に頭に浮かぶのはワインではないでしょうか。
特に、赤ワインの世界的な産地として知られるボルドー地方はブルゴーニュと並びフランスを代表するワインの産地ですが、ブルゴーニュと違う点としてボルドーワインの美味しさの秘密はブレンドにあると言われています。
ボルドーワインは、「カベルネ・ソーヴィニヨン」「カベルネ・フラン」「メルロー」などのブドウを2種類以上ブレンドし、複雑な味わいを作り上げています。
そして、全体の生産量の約8割と言われる赤ワインは、若いうちは渋みがしっかりとした味ですが熟成されるにしたがって旨味や味わいが増してくるという奥の深い味で、まさに「ワインの女王」という名前がふさわしいワインです。
ボルドーの白ワインの魅力
このように、赤ワインのイメージが強いボルドー地方ではありますが、実はボルドーの白ワインも「ソーヴィニヨン・ブラン」「セミヨン」「ミュスカデル」などを使用した有名な物が多数あります。
地域(AOC=Appellation d’Origine Controlee)としては、ソーテルヌ地区とグラーヴ地区が白ワインの産地として一般的で、両方の地域とも甘口なのが特徴です。
ソーテルヌ地区ではシャトーディケムのものが知られ、そして、グラーヴ地区ではセロンなどの村で作られる一本10万円ほどもするような高級な白ワインが知られています。
ただ、日本では貴重なためあまり手には入らないようです。
ブドウ品種においては、主に使用されることが多いのは、ボルドーが原産とも言われている「ソーヴィニヨン・ブラン」であり、ボルドー白ワインのほとんどがソーヴィニヨン・ブランを中心に造られています。
ソーヴィニヨン・ブランといえば爽やかさのある品種ですが、ボルドーでは爽快感を表現するために木樽で熟成させる生産者が多く見られ、フレッシュさやビター感など深みのある味わいに仕立てています。
また、ボルドーでは白ワインにおいても単一品種ではなく、異なるブドウ品種をブレンドして造っており、セミヨン種などとペアになってブレンドされることが多いです。
蜂蜜のような甘味やレモンのような酸味を持つセミヨンとソーヴィニヨン・ブランがブレンドされることで、気品のある酸味とほんのりとした甘さのある白ワインになります。
ボルドーの白ワインの選び方
ボルドーの白ワインの魅力を確認したところで、次にボルドーの白ワインを購入する際の選び方についてご紹介します。
●合わせる料理から選ぶ
一つ目の方法は、合わせる料理から選ぶ方法。
ボルドーの白ワインを食事と一緒に楽しみたいという方も多いでしょう。
あっさりとした味付けの料理や魚介類には辛口の白ワイン、クリームやバターなどを使用した料理には芳醇な白ワインが良く合います。
甘口の貴腐ワインを試したい場合には、通常の料理ではなくチーズや甘いデザート類と相性抜群です。
ワインの味わいによって合う料理は変わってきますので、その日にどのような料理を楽しむのかによって選んでみてはいかがでしょうか。
●生産地区から選ぶ
二つ目の方法は、生産地区から選ぶ方法。
ボルドーの白ワインについて詳しい方や愛飲家の方には、生産地区から選ばれる方も多いです。
同じボルドーの白ワインでも生産地区によって味わいや風味などの個性はさまざま。
辛口で有名な地区は「アントル・ドゥ・メール地区」、芳醇かつ複雑味の白ワインで有名な地区は「グラーヴ地区」といったように地区によって生産されるワインの味わいが変わってきます。
その日の気分や好みの味わいによって、生産される地区から白ワインを選んでみましょう。
●格付けに注目する
三つ目は、格付けに注目して選ぶ方法。
自宅で楽しむのではなく、大切な方への贈り物や手土産に持っていく場合には格付けに注目するのがおすすめ。
例えば、グラーヴ地区では特に優れたワインを生産する9つのシャトーが格付けされ、ソーテルヌ地区でも特に優れた貴腐ワインを生産するシャトーを特別第1級、第1級…というように格付けされています。
格付けは一定の品質を持っていることを示す証となるものなので、選ぶ際の一つの目安になります。
ただ、格付けされていないボルドーの白ワインであってもおいしいものは多く存在しますので、格付けはあくまで目安の一つとして考えておきましょう。