レストランやバーで人気が高いカクテル「キール」は、実は白ワインとカシスリキュールがあれば自宅でも簡単に作ることができるカクテルです。
今ではカクテルの定番になっているキールですが、誕生の歴史を知るとより味わい深いカクテルになりますし、知識として身に付けておくとカクテル談義の中で話すネタにもなるでしょう。
今回は、白ワインカクテルのキールの作り方やキールの歴史についてご紹介します。
白ワインカクテルのキールの作り方
『キール』は、白ワインをベースとして少量のカシスリキュールを加えたカクテルの一種です。
そのレシピは白ワイン5分の4に対して、カシスリキュールが5分の1。
濃厚な味わいを求める場合には、リキュールの分量を少し多めにすると良いです。
これを軽くステアすれば出来上がりというシンプルな作り方になっています。
比率については、飲む人の好みに応じて変更しても良く、カシスリキュールの比率を高めると甘口に、低くすると辛口になるため、自分好みの味を見つけることができます。
ちなみに、一般的な冷たいタイプのカクテルとは異なり、キールは氷を使って材料を冷やす工程がないため、材料やグラスをあらかじめ冷やしておくとおいしく飲むことができます。
キールの歴史
キールの誕生は、1945年にフランスのブルゴーニュ地方にあるディジョン市で、当時の市長だったキャノン・フェリックス・キール氏によって考案されました。
第二次世界大戦後、ブルゴーニュ産のワインの出荷が伸び悩む中、ブルゴーニュ産のワインを使ったカクテルを用いて、レセプションなどで提供されるなど販促活動が行われました。
現在では、ブルゴーニュはボルドーと並ぶワインの銘醸地となり、また、キールはワインベースのカクテルの筆頭として世界的に知られるようになりました。
もちろん、日本でも飲まれるようになったのですが、それはバーではなくレストランで先に取り入れられました。
1970年ごろから日本ではワインが広まってきましたが、キールは食前酒としてレストランで積極的に販売を進められた経緯があります。
後に、1980年以降になって徐々にバーでも提供されるようになりました。
ちなみに、ベースの白ワインを他のベースに変えることで、さまざまなバリエーションのカクテルが生まれました。
その代表的なカクテルが『キール・ロワイヤル』です。
白ワインをシャンパンベースに変えたもので、シャンパングラスやフルートグラスに注がれます。