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杜氏の手が綺麗なことに注目が集まり、国内のコスメブランドが日本酒の持つ美容成分を研究した結果、日本酒に含まれている「コウジ酸」には、大きな美白効果が期待できることが判明しました。

現在では多くのコスメブランドが日本酒を原料にしたコスメ商品を販売しているのですが、手近に安く手に入れることができる日本酒には、本当にコスメとして使えるほどの美容効果があるものなのでしょうか。

市販の日本酒でも、コスメとして利用することができるのか。またローコストで作成できる自作で日本酒コスメを作る方法などをご紹介します。

日本酒には化粧水にぴったりな成分が入っている

酒

実は日本酒にはさまざまな成分が含まれています。有名なのは、人間の体の中では合成することができない「必須アミノ酸」がすべて含まれているということ。

更に飲むだけではなく、肌に直接塗ることでも効果が期待できるさまざまな成分が含まれていることが分かっています。

日本酒に含まれる美容成分をまずは把握しておきましょう。

コウジ酸

まずはコウジ酸です。コスメブランドが杜氏さんの手の白さに着目して見つけた日本酒コスメの根本となった成分です。

日本酒を製造する過程において、麹菌が発酵することによって生まれるのが「コウジ酸」です。コウジ酸の中には、チロシナーゼという成分が多く含まれており、酵素活性を抑制してくれる効果が期待できるとされています。

酵素活性は、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を促進させてしまうため、それを抑制するチロシナーゼは、シミとクスミの予防や改善に役立ちます。

オリザブラン

主に米ぬかに多く含まれるとされる「オリザブラン」という成分は、日本酒にも多く含まれています。このオリザブランは、皮膚の水分量を一定に保ってくれる保湿効果が高い成分です。

塗布をすれば、多すぎず少なすぎず適量な水分を保ってくれるため、化粧水に期待される高い保湿力を日本酒は持っていることになります。

アルコールというと、逆に水分を蒸発させてしまうイメージがありますが、オリザブランが含まれる日本酒には、肌の水分蒸発を防ぎ、うるおいのある肌にしてくれます。

日本酒コスメには、美白効果と保湿効果が高いと評価されている理由は、コウジ酸とオリザブランという2つの美容成分が含まれているところが大きいわけです。

フェルラ酸

次にフェルラ酸です。フェルラ酸には、紫外線を吸収してくれるという効果があるとされており、希少な天然成分です。

日焼け止め用のコスメ商品には、お馴染みの成分です。近年では、紫外線が美容の大敵であることが非常に広く知られていますね。

日本酒コスメは、保湿、シミやクスミの対策、更に日焼け対策のコスメとしても利用することが可能です。

アミノ酸

最後にアミノ酸です。前述でも説明していますが、天然成分の必須アミノ酸が日本酒には豊富に含まれています。

白ワインにも多く含まれることで有名ですが、日本酒の場合は、白ワインの10倍も含有しているのです。

アミノ酸は人間の体を作るのに、さまざまな役割を果たしています。美容成分として期待できる有名な機能としては、うるおい成分が豊富であること。

また肌の新陳代謝を活性化させてくれるというものです。健康的なツヤやハリのある肌を手に入れたいと思う方におすすめなのです。

日本酒をスキンケアアイテムとして利用する際の注意点

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日本酒には、美容効果を得られるさまざまな成分が入っていることが分かりました。しかし、日本酒をスキンケアアイテムとして何でも利用できるかといえば、そうではありません。

日本酒を使うメリットもあれば、デメリットも当然に存在します。またコスメ用に利用できる日本酒と、そうではない日本酒もありますので、しっかりと知識として覚えておき、上手に活用していくことをおすすめします。

日本酒をコスメとして利用するメリット

日本酒をコスメとして利用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

日本酒は今やコンビニエンスストアでも簡単に手に入れることができますし、安価なコストで手に入ります。

一報で日本酒を原料としたコスメ商品を手に入れようとすると、インターネット通販や、専門のコスメショップに足を運ぶ必要もあり、特殊な製法で製造されていることも多いことから、ある程度のコストが掛かります。

安価で簡単に手に入る日本酒を使い、自作でコスメを作ることができれば、これほどお手軽で効果の高いコスメ商品もないと言えるでしょう。

日本酒コスメのデメリット

保湿効果の高さや、シミやクスミ対策、紫外線対策など多くの効果が期待でき、更に安く手軽に手に入れることができると日本酒コスメはメリットばかりのように思えます。

しかしどのような優れた商品でも、メリットがあればデメリットも存在します。

日本酒コスメのデメリットは、日本酒独特の香りがするという点です。自作のコスメの場合はもちろん、商品化されたものでも、原料はあくまでも日本酒になりますので。日本酒独特の甘いアルコール集が苦手という方には、デメリットに感じることでしょう。

また、アミノ酸によって高い保湿効果が得られますが、保湿力が高いことがメリットになるとは限りません。

例えばニキビが出来てしまっている場合には、肌の皮脂が多い状態になっており、あまり高すぎる保湿力を持つ効果なコスメを使うのは逆効果になるとされています。

保湿力は高くなくても、さっぱりできる程度の化粧品を使う方が肌を整えてくれます。

つまり肌状態によって、使い分ける必要があり、どのような状態でも日本酒コスメが最大の効果を発揮するとは限らないということは覚えておきたいところです。

また飲料として作られた日本酒には、添加物が含まれていたり、醸造酒の場合には、醸造アルコールが含まれています。

添加物が肌に大きな刺激となって、逆に肌の調子を崩してしまう可能性があるということも忘れてはいけません。

どんな日本酒でもコスメにできるのか

アミノ酸とコウジ酸、フェルラ酸などの成分が含まれている日本酒は、コスメアイテムにはぴったりですが、日本国内だけでも2万種類以上の日本酒があるとされています。

どんな日本酒でもコスメに適しているかといえば、そうではありません。

まずメラニン生成の抑制効果が高いとされているコウジ酸ですが、醸造アルコールを含まないという点から、純米酒に多く含まれています。

だからといって、純米酒や純米吟醸酒しか日本酒コスメに適さないかといえば、そうでもないのです。醸造アルコールなどの添加物が入っている日本酒の方が、肌には合っているという方もいますので、各自コスメを自作したり、商品を利用してみて、自分にマッチした日本酒を探しましょう。

敏感肌でどうしても添加物入りの日本酒は避けたいという方なら、ラベル表記を事前にチェックし、糖類や酸味料といった添加物が含まれていないかどうかを確認しておくことをおすすめします。

日本酒化粧水の作り方

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日本酒をコスメとして利用するメリットもデメリットも分かったところで、実際にオリジナルの日本酒ローション(化粧水)の作り方を紹介します。

メーカーが製造している日本酒コスメを購入されるのも一つの方法ですが、コスト面や手に入れやすさを考えると、

ベーシックな日本酒ローション

まずはベーシックな日本酒ローションの作り方です。日本酒と精製水(ミネラルウォーター)を2:1(水:酒)の割合で混ぜるだけです。

それだけではローションとしての機能でみると低すぎるため、グリセリンやヒアルロン酸、精油といったものを数滴加えて仕上げます。

水の代わりに肌に良いとされるハーブを加えるパターンも存在します。そのまま入れるのではなく、ハーブを濃いめに煮だしてハーブティーを作り、それを2:1の割合で日本酒と割るという方法もおすすめです。

このように割るものは精製水だけとは限りません。お気に入りの化粧水を加える方法もありますし、水などで割らず、そのまま日本酒を利用する方もいらっしゃいます。

アルコールが気になる方なら、しばらく日本酒を放置して、アルコール分を飛ばしてからコスメとして利用しましょう。

ただし日本酒には糖度が高く、栄養素が豊富に含まれているため、雑菌が繁殖しやすいという特徴があります。

このため一度空気に晒してしまった日本酒は、冷暗所で保存をして早めに使うことをおすすめします。

保湿力抜群の日本酒納豆ローション

納豆

日本酒の持つ保湿力だけでは物足りないという方なら、納豆を加えた日本酒ローションをおすすめします。

材料

・納豆1パック(SK-Ⅱ多めの商品)・精製水:150ml・日本酒:50ml

作り方は、納豆を容器に移し、精製水を50ml加え、混ぜてからしばらく置いておきます。しばらく置いておいた納豆水をガーゼなどで濾して別の容器に入れます。

納豆水に残り100mlの精製水と日本酒50mlを加えて出来上がりです。ニオイは当然に強烈ですので、ニオイが気になる方は精油を加えて調整をしましょう。

また、納豆に抵抗のある方なら、グリセリンやヒアルロン酸で代用することをおすすめします。

しっとり感バツグン!日本酒グリセリンローション

日本酒グリセリンローションと話す女性

日本酒の原料は麹。麹にはメラニン色素生成抑制に役立つコウジ酸が多く含まれています。そのままでも化粧水として利用できますが、しっとり感を求めたい方なら、グリセリンを加えることで、満足できるローションが作れます。

材料

・日本酒:50ml ・精製水:50ml ・グリセリン:10ml

以上の材料を容器に入れて混ぜるだけで完成です。精製水とグリセリンの容量は、あくまでもベーシックなものですので、個人のお好みで自由に調整してもらって構いません。

ビタミン入り日本酒ローション

よりきめ細やかな肌やハリを求めたい場合には、市販のビタミンサプリメントのカプセルの中身を加え、より高機能な日本酒ローションを作ることをおすすめします。

材料

・日本酒:30ml ・ビタミンEカプセル:5粒程度 ・酢:2ml ・精製水:30ml ・グリセリン:小さじ2杯

日本酒の中に酢を加え、更に精製水を加えます。3つの材料を混ぜた後にグリセリン2杯を加えて出来上がりです。

ビタミンカプセルの中身だけを混ぜ合わせてできた化粧水に加えて使用をします。肌にうるおい等を与えてくれるビタミンEがおすすめです。また、ビタミンCは、日本酒の持つアミノ酸群との相性がよく、更にコラーゲンも加わることで、肌に抜群の効果をもたらしてくれます。

ビタミンEだけではなく、ビタミンCで製造しても良いですし、コラーゲンを加えても高い効果が発揮できます。分量に関しても、ご自身のお好みで調整していきましょう。

グリセリンは、肌の乾燥が気になる場合には、多めに加えます。このように自作のコスメはご自身の肌状態に合わせて自由に調節が可能なのです。

梅入り日本酒ローション

日本酒と一緒に梅干しを利用する日本酒ローションもおすすめです。梅には高い抗酸化成分が含まれています。

代表的なものがビタミンEとポリフェノールです。梅の持つ抗酸化成分と、日本酒の持つコウジ酸やアミノ酸の高い美肌成分が加われば、肌のシミやシワ、くすみの予防などさまざまなスキンケアが行えることでしょう。

材料

・日本酒:200ml ・梅干し:5~6個 ・水:適量

作り方は、梅干しを水適量に2日から3日つけて塩抜きをします。塩抜きした梅干しの水気をよく切り、材料の日本酒と梅干しを容器に入れてフタをし、1週間ほど寝かせます。

1週間後、梅干しを取り出し、残った日本酒をガーゼ等で濾すと出来上がりです。

このローションも、ご自身の肌状態に合わせてグリセリンを加えたり、精油を加えるという応用が可能です。

手軽に手に入れることができる日本酒という原料だからこそ、手軽にご自身に合ったオリジナルコスメの製造ができるというものです。

まとめ

いかがでしたか。日本酒は飲むだけでも、いろいろな健康効果をもたらしてくれるものです。ただ、飲むだけではもったいないほどの大きなスキンケア成分を含んでいる日本酒を利用しない手はありません。

コスメブランドや蔵元が製造しているコスメ商品を購入するのも良い方法ですが、安価で手軽に手に入れることができる日本酒から、自分にベストなオリジナル日本酒コスメを作り、スキンケアを行ってみてはいかがでしょうか。

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