北の勝酒造場

日本国内でも人気の高い観光地といえば、北海道。都道府県の中では、一番の面積を誇る北海道は、山の幸、海の幸と食材の宝庫ともいえる土地であることは皆さん周知のことでしょう。

そんな北海道の大自然を生かしたさまざまな食材に欠かせないのが日本酒です。日本酒の原料となる米の生産では、米どころとして有名な新潟と1、2を争うほどに盛んであり、これほどに酒造りに適した土地もないような条件が揃っています。

こんな北海道におけるおすすめの日本酒をここでは紹介していきましょう。

北海道の日本酒の歴史

北海道 日本酒 国稀

北海道は、その昔「蝦夷地」と呼ばれ、本州とは文化や風習の違う土地でした。

そんな北海道では、江戸時代から日本酒造りを始めてはいたものの、現在の日本酒の基準を満たすような酒造りは、明治5年とその歴史は比較的に新しいものになっています。

蝦夷地に開拓使を派遣し、開拓が進み人口が増え、日本酒の需要が徐々に伸び始めたと同時に酒造りも盛んになっていったという背景があります。

現在ではそこまで多くはありませんが、最盛期には実に200を超える酒蔵があったとも言われているのです。

そんな北海道の日本酒の特徴は、四方を海に囲まれ豊富な魚介類が食されていたということもあって、淡麗辛口が主流になりました。

ただし、食文化が広がり、海外の食文化もどんどん入ってきたことも影響してか、濃厚で芳醇な特徴を持つ日本酒造りも見られるようになってきました。

全国のその他の地域の酒造りと比較すると、純米酒の比率が高く、北海道産のコメを原料に使用した日本酒も全体の6割を占めるほどになってきています。

北海道の日本酒の特徴

北の勝酒造場

日本酒の仕込みは、ご存知の方も多いでしょうが、寒い冬の季節に行われます。原料米の問題こそありましたが、水や気候という条件面では、日本酒づくりに非常に適した土地と言えるのです。

北海道の日本酒の特徴として多くの方が挙げているのが、「淡麗辛口」という点です。

辛口の日本酒がお好みの方なら、一度は北海道の日本酒を口にしてみてはいかがでしょうか。

ただ、辛口だけというわけではなく、酒蔵によっては濃厚で芳醇なタイプの日本酒づくりも行っており、高い支持を集めている状況です。

これまでは問題だった酒造好適米に関しても、現在では北海道産の米が使われるようになり、中でも「吟風(ぎんぷう)」「彗星(すいせい)」「きたしずく」の3つの適合米は、北海道はもちろん、全国的にも人気の高い酒造好適米となっています。

他の特徴としては、全国と比較すると純米酒の割合が多いということです。

その他のエリアで造られる純米酒の多くは、吟醸酒と比較した場合に重たいという表現がマッチする味わいになることが多いのですが、北海道の純米酒は、精米歩合を高めたりなど、北海道の酒蔵独自の製法を行うことによって、すっきりとし飲みやすいという特徴を持っているのです。

北海道のおすすめ日本酒8選

千歳鶴 北海道限定 特別純米

北海道の日本酒でおすすめ その1:国稀酒造「国稀 特別純米」

北海道の空知総合振興局西部、また留萌振興局東部という広大な3郡4町という面積を占める標高1492メートルの山、暑寒別岳(しょかんべつだけ)。

この暑寒別岳から湧き出る良質な水を仕込み水として使用して製造されているのが国稀の特徴です。

暑寒別岳の湧き水は、軟水が多いとされる日本の湧き水の中でも超がつくほどの軟水として有名。

特に特別純米は、厳選された北海道産の米を原料にし、他に余計な素材は一切使わない、杜氏のこだわりと意地が詰め込まれた逸品に仕上がっています。

北海道の日本酒の特徴を典型的に持った日本酒であり、日本酒度+4の淡麗な味わいを持つ日本酒です。

米の旨味を存分に活かし、すっきりとした飲み口を実現。日本国内でも最北端にある酒蔵としても有名であり、国内でも稀にみる良い酒を提供したいという思いが込められています。

酒造適合米である五百万石を使用しており、精米歩合は55%。南部杜氏が持つ伝統の技を惜しげもなく注ぎ込んだ入魂の一本は、北海道内でも鮨店を筆頭にした飲食店で人気となっています。

メーカー 国稀酒造 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ https://www.kunimare.co.jp/ 国稀酒造

北海道の日本酒でおすすめ その2:「北の稲穂 大吟醸」

1887年(明治20年)に創業した歴史ある酒造男山株式会社が世に送り出した日本酒が、北の稲穂。

その中でも大吟醸酒は、杜氏の意地とプライドが込められた日本酒であり、北海道産の日本酒として是非味わいたい一本です。

江戸時代には浄瑠璃や歌舞伎などの作品に登場したり、浮世絵などに描かれるほどに有名だった兵庫・伊丹にある木綿屋山本本家が製造元として有名な「男山」という日本酒はご存知でしょう。

この男山の政党後継蔵としても、男山株式会社は有名です。華やかであり、フルーティーな独特の吟醸香と、柔らかな味わいが魅力の吟醸酒が北の稲穂の特徴になります。

1977年には日本酒で世界で初めてモンドセレクション金賞を受賞した世界が認める日本酒であり、さまざまなな料理とのマリアージュが実現できる日本酒として高い評価を受けているのです。

メーカー 男山株式会社 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ https://www.otokoyama.com/corp/ 北の穂 大吟醸

北海道の日本酒でおすすめ その3:「純米吟醸 大雪乃蔵絹雪」

北海道ならではという「地酒」を堪能したいのであれば、大雪乃蔵(だいせつのくら)は、北海道産の米を原料にすることをこだわって造っている日本酒であるため、非常におすすめできる一本です。

名前にある絹のような滑らかな味わいを追求した絹雪は、地元旭川で取れる「吟風」を利用して造られる日本酒です。

中でも純米吟醸絹雪は、精米歩合を50%まで精米して、丁寧に低温の状態でじっくりと仕込まれている逸品。

蔵元に関しては、北海道内にあった酒造会社が4社合併して生まれたといういわゆる合同清精となっていることも見逃せません。

それぞれの歴史ある蔵元がオリジナルの技術を持ち会い、ベストな日本酒を製造している蔵元であることは間違いありません。

良質な米と水、そしてそれぞれに適した気温という条件を満たした「旭川」という土地の酒造りを受け継ぎつつも、最先端のテクノロジーを積極的に取り入れる酒造りのスタイルは、北海道のみならず、全国の酒蔵からも注目されている状況です。

そんな歴史と革新を併せ持つ合同精米株式会社が送り出した純米吟醸 大雪乃蔵絹雪は是非口にしておきたい北海道の日本酒の一本です。

メーカー 合同酒精株式会社 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ https://www.oenon.jp/product/sake/taisetsunokura 大雪乃蔵

北海道の日本酒でおすすめ その4:「上川大雪」

真冬になると、なんとマイナス20度にまで冷え込む上川郡上川町に立地する上川大雪酒造。北海道にある大雪山系のふもとにある土地であり、日本酒づくりに適した土地だと創業者が一目ぼれをし、2016年に誕生した酒造です。

北海道が誇る彗星と吟風、きたしずくという3種類の米を原料にして、純米吟醸酒、純米大吟醸酒だけを造るというこだわりを持っています。

原料のお米は、顔が分かる生産者が作った品質の高いものを使用。北海道弁で「ついつい飲んでしまう酒」という意味である「飲まさる酒」づくりをテーマにして製造される日本酒は、あくまでも地元優先。

家庭で扱いやすいようにと気遣われて造られる日本酒は、四合瓶を中心にラインナップされています。

クラウドファンディングで資金を集めて建築したという背景も含め、今後を期待されている注目蔵が自信を持って送り出した日本酒は、一度は口にしておきたい一本と言えるでしょう。

メーカー 上川大雪酒造 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ http://kamikawa-taisetsu.co.jp/ 上川大雪

北海道の日本酒でおすすめ その5:「国士無双 純米」

高砂酒造が製造している国士無双も北海道を代表する日本酒のひとつです。

酒造り適合米として有名な美山錦を原料として、独特のコクと旨味を引き出した正統派の日本酒として人気を博してきましたが、この度、原料を地元産にこだわって、北海道産米に変え、まろやかな飲み口と爽やかな後味の良さを実現しました。

中でも純米は、精米歩合60%、日本酒度+3、アルコール度数15~16となっており、冷や、ぬる燗でバツグンの美味しさを発揮してくれます。

従来の日本酒ファンで国士無双をご存知の方にも、北海道産米で生まれ変わった国士無双を是非ご賞味いただきたいと言える一本です。

メーカー 高砂酒造 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ https://www.takasagoshuzo.com/ 国士無双

北海道の日本酒でおすすめ その6:「海底力 純米吟醸」

北海道の日本酒の特徴は、端麗辛口ですから飲みやすいと評判ですが、そんな北海道の日本酒の中でも「飲みやすく水のように飲める」と評判なのが、福司酒造の「海底力(そこぢから)」です。

福司酒造は1919年(大正8年)に創業した歴史のある酒蔵であり、釧路でただ一つある蔵元です。

太平洋に伸びる海底炭鉱を保有しており、その坑道で貯蔵され、紫外線が当たらないように大切に保管されています。

このような工夫をすることで柔らかく、まろやかな味わいを実現させることに成功しました。

中でもおだやかな吟醸香を持つ辛口の純米吟醸は、是非手にしたい一本と言えるでしょう。

メーカー 福司酒造 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ https://www.fukutsukasa.jp/ 福司酒造

北海道の日本酒でおすすめ その7:「北の勝 鳳凰」

北海道東エリアでは、定番酒として有名な北の勝。以前にあった日本酒級別制度でいうところの1級酒の上撰クラスにあたるのが、北の勝 鳳凰です。

芯のある味わいと、飲み飽きない淡麗辛口の日本酒は、食中酒にぴったりと北海道内の飲食店では好まれており、多くのお店が仕入れるお酒です。

蔵元は日本で最東に位置する酒蔵としても有名な碓氷勝三郎商店。1887年(明治20年)創業の老舗酒蔵です。

この北の勝 鳳凰の搾りたては、毎年1月中旬~下旬に予告もなく限定販売をされます。地元の日本酒マニアが長蛇の列を取扱い店に作る様は、地元メディアにも取り上げられ、すっかり根室の風物詩ともなっています。

メーカー 碓氷勝三郎商店 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ http://www.marimo.or.jp/~honda/cybermkt/mall/usui/ 北の勝 鳳凰

北海道の日本酒でおすすめ その8:「千歳鶴 北海道限定 特別純米」

自然豊かな山々が水源となっている豊平川の伏流水というこだわりの仕込み水を使用し、北海道産日本酒好適米である「吟風」を原料に米の旨味を十分に引き出した純米酒が「千歳鶴 北海道限定 特別純米」です。

札幌エリアでは唯一の蔵元である日本清酒が製造を行っており、ワイナリーや味噌蔵なども経営している大手企業になります。

全国新酒鑑評会においては、14年連続で金賞受賞を達成しており、吟醸酒造りの実力は、全国トップクラスとの声も少なくありません。

メーカー 日本清酒 Amazon販売サイトはこちら
ホームページ https://www.nipponseishu.co.jp/ 千歳鶴 北海道限定

北海道の日本酒の入手方法

松本商店 千歳鶴

魅力的な特徴のある北海道の日本酒ですが、北海道産の日本酒を仕入れるためには、どうすれば良いのでしょうか。

北海道産の日本酒を手に入れる方法は、インターネット上の通販サイトなどを利用する方法もありますが、大手サイトを利用するよりも、日本酒を専門に取り扱っている卸問屋を利用されることをおすすめします。

他にも、現在では各酒蔵がホームページを保有している時代ですので、本記事でご紹介したような有名蔵元から直接仕入れる方法も可能です。

蔵元のホームページを閲覧すれば、どのようなこだわりを持って造られている日本酒なのか。

原料や酒造りの工程などを紹介していますので、安心して口にすることができるでしょう。

淡麗辛口の北海道の日本酒をお試しあれ

北海道の日本酒を飲みたいと話す男性

日本酒造りに適した極寒の北海道という環境だからこそできる日本酒は、多くの魅力を持った商品が多いです。

北海道には北海道の日本酒づくりの歴史があります。これまでは他県から原料の米を仕入れてきましたが、現在では地元産の好適米を利用している酒蔵が多くみられ、純米酒を中心に日本酒づくりが盛り上がっています。

淡麗辛口の特徴を持つ、北海道の日本酒を是非一度お試し下さい。