秋田 日本酒 高清水 居酒屋 

全国各地に酒蔵は存在していますが、日本酒ファンから絶大な信頼を集めている土地が、東北の秋田県。

秋田と言えば米どころ。日本酒の原料は米ですから、お米が美味しい秋田で造られる日本酒も日本酒ファンからは人気が高く、絶大な支持を得ている状況です。

秋田酒こまちを代表とする酒米と、自然が残る土地から湧き出る美味しい仕込み水で造られた日本酒は、まさに本物です。

美酒王国とも呼ばれる秋田県で造られている日本酒の中でも、お土産などにぴったりなおすすめの10本をご紹介します。

秋田の日本酒の歴史

あきたこまち 田んぼ

秋田の日本酒造りは、江戸時代に入り、大きな発展を遂げます。というのも、慶長11年(1606年)に銀が発見されたことにより、全国各地から鉱山技術者や大工、商人などが集まってきたのです。

山中では娯楽が少なく、このため日本酒は欠かせない必需品として需要が高かったことから、日本酒造りを始める蔵元も増え始めました。

秋田県の前身である「佐竹藩」では、最盛期には746軒もの酒屋が存在していたという記録が残っています。

つまり、日本酒造りの熾烈な競争が江戸の昔から行われており、切磋琢磨した結果が現在の秋田の日本酒の美味しさや評価につながっていると言えるのです。

明治の中期にもなると、酒造業の近代化が進んだことから、地元のみならず東北各地や北海道にまで秋田の日本酒が出荷されるようになりました。

このことから全国的にも秋田の日本酒は広がりをみせ、大正2年(1913年)に開催された第4回全国清酒品評会では、秋田県で製造された日本酒8種類が優等賞を受賞して脚光を浴びたという歴史もあります。

そこから酒造家が研鑽を重ね、平成3年(1991年)に開催された全国新酒鑑評会では蔵元25社で金賞を26も受賞するという快挙を成し遂げています。

特に秋田流・花酵母という吟醸用の新しい酵母が開発され、平成八酒造年度から「醸造きょうかい15号酵母」として日本全国の酒蔵に頒布されているのは特筆すべきことでしょう。

秋田の日本酒の特徴

秋田 日本酒 居酒屋

秋田の日本酒の特徴は、なめらかときめ細やかさと日本酒ファンの間では評価がされています。

雪国の気候を上手に利用できることから、低温でじっくりと時間をかけて仕込むことができます。

秋田独自の風土を利用した仕込みは、秋田流低温長期発酵と呼ばれ、広く知られるようになりました。

日本酒といえば、やはり原料であるお米も忘れてはいけません。もともと米どころ秋田は全国に誇る「あきたこまち」というトップクラスのお米の生産地です。

酒造好適米に関してもいくつも存在しています。

秋田酒こまち

あきたこまちは有名ですが、いくら美味しいとは言っても食用のお米は粒が小さく、米を精米して利用される日本酒づくりには適していません。

そこで秋田県はオリジナルの酒造好適米を誕生させました。それが秋田酒こまちであり、それまでは「秋田酒77号」という名称で呼ばれていました。

日本酒に雑味を与えてしまうとされているたんぱく質の含有量が少なく、酒米の王様とも言われている山田錦と比較しても、高いでんぷん質を持つことで知られています。

吟の精

秋田の日本酒造りでは、以前までは盛んに長野生まれである酒造適合米「美山錦」を利用していましたが、吟醸酒や大吟醸酒といった品質の高い日本酒には不向きであり、オリジナルの吟醸用適合米を作ることになりました。

そこで生まれた酒造適合米が「吟の精」です。秋田酒こまちとは真逆と言ってもよい特徴を持っており、心白の割合が少なく、雑味が生まれやすいとされるたんぱく質は多めです。

しかし精米歩合が50%を超える吟醸酒や大吟醸酒では、精米の時点でたんぱく質を取り除くことになり、弱点をカバーできる酒米になります。

また吟の精はお米が割れづらく、処理がしやすいという特徴もあるため、酒造に人気が高い酒米として全国に知られているのです。

美郷錦

美郷錦も秋田を代表する酒造好適米のひとつ。長野で生まれ、秋田でも盛んに栽培されている美山錦と、酒米の王様と言われている山田錦とを掛け合わせて作られた酒米です。

酒造りには最適な大きな粒のお米であり、心白がしっかりとしており、表面まで透けるような特徴を持っているため、酒造りの場では非常に使いやすく、甘味を取り出しやすい特徴を持っているのです。

美郷錦が誕生したことにより、山田錦を原料にした日本酒のようにフルーティーな香りを持ちながら、深みや重みのある日本酒の製造が可能になりました。

秋の精

美郷錦と同様に、美山錦を交配して栽培されて誕生したのが「秋の精」であり、秋田を代表する酒米の一つになります。

特に地元の酒蔵から親しまれており、辛口の日本酒を製造する際に重宝されている酒米です。

秋田産日本酒で一度は味わいたい5本はコレ

秋田 日本酒 新政

新政

まるでシャンパンやワインのようなデザインをしている「プレゼントをしたくなるおしゃれな日本酒」としても全国的に有名な日本酒といえば、「新政」です。

秋田で育ったお米しか原料にはしないという徹底したこだわりを持って酒造りを行っているのが新政酒造。

美味しいだけではなく、ルックス面でも工夫が凝らされており、従来の日本酒のイメージを覆す1本。

新政には、古くからの伝統をそのまま保つ「No.6」と、火入れした「Colors」、従来の日本酒造りの常識を覆し、新しいチャレンジを行っている「PRIVATE LAB」という異なるコンセプトを持つ3つのブランドを保有しています。

寛永5年(1852年)創業という長い歴史を持ちながら、時代に合わせた日本酒造りを行い、地元の飲食店でも簡単には手に入れられない独自の販売ルートを構築している酒蔵です。

秋田県民でもなかなか手にできない「新政」は贈答品としては非常に喜ばれる逸品と言えるでしょう。

メーカー 新政酒造株式会社
ホームページ http://www.aramasa.jp/
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雪の茅舎

深々と降り積る柔らかく、冷たい雪でありながら、どこかに温かさも感じる秋田の雪。

そんな澄み切った光景をそのまま日本酒として表現したような日本酒こそ、雪の茅舎です。

料理でも日本酒でも、足りないものを加えて、従来品よりもよりよいものを作るという発想が多い中、余計なものは徹底して取り除き、日本酒本来の旨味を引き出すことにこだわって製造されている日本酒が本商品です。

通常日本酒の製造では「炭素ろ過」を行うものですが、雪の茅舎の場合には、日本酒本来の旨味を消してしまう「余計なもの」として一切濾過作業は行われません。

本来の日本酒とは、こういうものだという主張が非常に感じられる一本が雪の茅舎 純米大吟醸です。

すっきりと軽快さを感じるような飲み口であるにも関わらず、どっしりとした厚みを感じることができるという一見矛盾した体験が得られます。

株式会社 齋彌酒造店は明治35年(1902年)と秋田の酒蔵では比較的若い酒蔵ではあるものの、自社培養酵母と米の磨きにこだわって、雪の茅舎というブランドを一気に広めることに成功しました。

メーカー 株式会社 齋彌酒造店
ホームページ http://www.yukinobousha.jp/index.html
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飛良泉

飛良泉は室町時代中期に創業された非常に歴史のある酒蔵が製造している日本酒です。

26代にも渡り、創業家が酒造りを続けており、日本国内の酒蔵でも3番目に古い歴史を持つ蔵元になります。

飛良泉最大の特徴は、酒母を山廃仕込みにて作ること。蒸米、麹、水を仕込んだ後で通常は山卸というすり潰す山卸という作業を行わないことで実現するのが山廃仕込み。

山廃仕込みをすることで、空気中に漂う乳酸菌などの微生物の持つ力を十二分に取り込むことが可能になります。

酵母がしっかりと育つ環境を整えて造られた日本酒は、自然そのままの摂理に逆らわずに製造した日本酒と言えるでしょう。

山廃は山卸を利用して製造される日本酒と比べ、手間暇がかかり、時間も有します。

そういったものを惜しむことなく製造される飛良泉は、杜氏の魂が込められた一本と言えるでしょう。

メーカー 株式会社 飛良泉本社
ホームページ https://www.hiraizumi.co.jp/
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福小町 大吟醸秋田酒こまち仕込み

吟醸酒独特の吟醸香が存分に味わうことができる日本酒が福小町です。

上品な中にも、華やかさを感じる香りは、福小町でしか味わうことができません。

味に関しては吟醸酒のイメージを裏切ることのない端麗辛口タイプ。

フルーティで澄み切った味わいの中にも、矛盾するようなふくらみ感のある他エリアの吟醸酒ではお目に掛かれない独特の味わいが最大の特徴です。

吟醸酒・大吟醸酒用に生産された「あきた酒こまち」を原料に使用しており、こまち酵母を使って完全な地産地消を行ったからこそ生まれた日本酒が福小町になります。

2012年に開催されたインターナショナルワインチャレンジで689銘柄の頂点に立つ、チャンオンサケを受賞した日本が誇ってよい一本です。

メーカー 株式会社 木村酒造
ホームページ http://www.fukukomachi.com/
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両関 山廃特別純米

雪国の厳しい環境で造られる酒だからこそ、飲む場合には熱燗が美味しいお酒も豊富に誕生しています。

中でも燗がおすすめの純米酒が「両関 山廃特別純米」です。2006年度秋季の全国酒造コンクール純米部門で堂々のグランプリを受賞した一本。

山廃仕込みをした場合、どうしても濃いめの味わいを持ってしまうものですが、この両関に関しては、驚くほどすっきりとして淡麗な味わいと人気を博しています。

ぬる燗の状態でいただくと、米の旨味が一層引き立たされ、本格派の純米酒としておすすめできる一本です。

両関酒造は1874年(明治7年)創業の老舗であり、日本の名水百選にも選ばれている「力水」を仕込み水として利用していることでも有名です。

全国清酒品評会では優秀賞を獲得しており、全国の日本酒ファンに愛される蔵元の一つともいえるでしょう。

メーカー 両関酒造 株式会社
ホームページ http://www.ryozeki.co.jp/
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秋田の日本酒を手に入れるには

秋田 日本酒 雪の茅舎

以前は秋田の日本酒のような地方の日本酒の銘柄は、知る人ぞ知るマニアだけの愉しみでした。

しかし近年になってインターネットが普及し、さまざまな情報が得られるようになり、インターネット通販で多くの日本酒や地酒が販売されるようになったことから、全国に流通しました。

誰でも簡単に入手できるようになったことから、逆に古くから付き合いのある飲食店などが、以前までのように簡単に入手をすることが出来なくなっているという現象が起こっています。

しかしここでご紹介した秋田の日本酒は、大手インターネット通販サイトや、日本酒を専門に扱っている通販サイトを利用すれば、比較的簡単に入手することが可能になっています。

ご紹介した中で人気が高く、品薄でなかなか手に入れられない入手困難酒は、新政酒造の新政。ご紹介していないものでは、レア日本酒として日本酒ファンの中では有名な花邑(はなむら)の純米大吟醸などになります。

花邑はご紹介した両関酒造が製造している日本酒で、中でも純米酒は滅多に出回ることがなく、飲むことが難しいとされている一本です。

Amazon花邑はこちら

同じ東北にあり、幻の銘酒と評価される「十四代」を製造している高木酒造の高木社長から異例の技術指導が行われ誕生したという逸話も持っている花邑は、日本酒ファンなら一度は口にしたいレア日本酒といえるのです。

現地で取り扱っている飲食店などを知りたい場合には、秋田県酒造協同組合が運営しているホームページ「美酒王国秋田」をご覧になれば、取り扱っているところをリサーチすることができます。

また地元秋田ばかりではなく、東京都など他の都道府県で取り扱っている飲食店の紹介もされています。

米どころの名に恥じない銘酒たちをご堪能あれ

秋田の日本酒を飲んでみようと話す男性

いかがでしたか。

秋田の日本酒が全国的に評価されている理由がお分かりになったのではないでしょうか。

秋田県には創業100年以上を超える蔵元が沢山存在しており、古き良き伝統を守りつつも、時代の変化に合わせた新しい日本酒造りに取り組んでいます。

食用米だけではなく、酒造適合米の生産にも優れ、雪国の気候を上手に活用した独特の製法で造られる日本酒を是非一度ご堪能下さい。