利き酒

皆さんはどんなお酒が好きですか?ビールが好きな人、焼酎が好きな人、ハイボールが好きな人、好きなお酒の種類は人によって様々だと思います。

今回は日本酒について解説記事を書いていきます。日本酒を飲んだことがある人ならわかると思いますが、日本酒には「純米酒」「大吟醸」などたくさんの種類があります。日本酒は種類を覚えることでより楽しく飲むことができるので、日本酒の種類についてよくわからないという方はぜひ今回に記事を読んでみてくださいね。

日本酒の種類は大きく分けて16種類!

以前では、日本酒は特級、一級、二級という級別で分類されていましたが、現在では原料や精米歩合、麹歩合、アルコール添加量などにより分類されています。そのため以前よりも分類数が多くなり、日本酒の種類について理解している人が少なくなってしまいました。

種類は多くなりましたが、代表的な種類はその中の5つ程度ですので、それだけを覚えるだけで今よりも日本酒を楽しく飲むことができるようになります。全てを覚えるひついうはないので、自分が見聞きしたことがあるものや飲んだことがあるものだけでもぜひ覚えてみてくださいね。

 

特定名称酒

日本酒には大きく分類して16種類あるのですが、その中の8種類は特定名称酒と呼ばれています。特定名称酒は酒税法によって区別されているもので、「普通酒」とは区別して「特定名称」と表示することができます。

 

日本酒は基本的に米と水で作られていますが、中にはアルコールが添加されているものもあります。特定名称酒のうち、アルコールが添加されていないものを純米酒、アルコールが添加されているものを本醸造酒と呼んでいます。

 

以下、特定名称酒8種類を、純米酒と本醸造酒に分けて紹介していきます。なおここからは専門的な用語が出てくるため、記事をスムーズに読むことができるように事前に用語を説明しておきます。

酒蔵

・精米歩合

精米歩合とは、精米後の白米が元の玄米に対してどれくらいの重量があるかを示しているものです。もっと噛み砕いて言えば、製造過程でどれだけお米が削られているかを示す数値となります。

日本酒は心白(お米の中心部)使うことで、雑味のない仕上がりにすることができます。そのため基本的に精米歩合の数値が低いほど、雑味がない高級な日本酒になります。

 

・純米酒

純米酒の中には以下の4種類があります。

 

・純米大吟醸酒

純米大吟醸酒は、原料米の精米歩合が50%以下のものを指します。精米歩合が低いため、平均価格としては少し高くなっており、香りと色艶が良好な種類です。

 

・純米吟醸酒

純米吟醸酒は、原料米の精米歩合が60%以下のものを指します。価格帯としては純米大吟醸酒よりも低くなります。

 

・特別純米酒

特別純米酒は、原料米の精米歩合が60%以下または特別な製造方法で作られたものを指します。原材料の種類によって酒質に違いが出るというのが大きな特徴です。

 

・純米酒

純米酒は、精米歩合による規定はありません。原料が水、米麹、水であるものを純米酒と呼んでいます。日本古来のお酒であり、比較的安価で手に入れることができるため、たくさんの人に愛されているお酒です。

 

・本醸造酒

原料(米、米麹、水)に加えて、醸造用のアルコールを添加したものを「醸造酒」と呼んでいます。醸造酒は添加するアルコールの量が白米の総重量の10%未満と決められています。本醸造酒と呼ばれるものには、以下の4つがあります。

 

・大吟醸酒

大吟醸酒は、原料米の精米歩合が50%以下のものを指します。アルコールを添加する目的は、発酵中の酵母に影響を与え旨味を引き出すためであるため、添加されるアルコールはごくわずかです。

 

・吟醸酒

吟醸酒は、原料米の精米歩合が60%以下のものを指します。こちらも大吟醸と同じように、添加される醸造用アルコールの量は少ないです。

 

・特別本醸造酒

特別本醸造酒は、原料米の精米歩合が60%以下のものを指します。アルコールを増量させる目的で醸造用アルコールを加えているため、醸造用アルコールの風味が感じられるものもあります。

 

・本醸造酒

原料米の精米歩合が70%以下のものを指します。醸造用アルコールの量で言えば、原料米1トン当たりに、120リットル以下の醸造用アルコールを添加した酒となります。

 

このように、精米歩合や製造方法、アルコールの有無によって特定名称酒は8つに分類されています。精米歩合が低いものほど値段は高くなりますが、人によっては純米大吟醸よりも純米酒の方が美味しいと感じる場合もあります。

家に日本酒がある方は、どの種類に当てはまるのかぜひ確認してみてくださいね。

 

普通酒(一般酒)

普通酒は、特定名称酒に分類されない日本酒で、日本酒全体およそ7割を占めている日本酒の種類です。醸造酒は醸造用アルコールが原料米の10%以下という指定がありましたが、普通酒にはそのような指定はありません。

普通酒には大きく以下の2種類があります。

 

・普通醸造酒

普通醸造酒の原料は、米、米麹、水、醸造用アルコールと醸造酒と違いはありません。異なる点は醸造用アルコールの量が本醸造よりも多いことにあります。

 

・増醸酒

増醸酒は、三倍増醸酒をブレンドした日本酒です。三倍増醸酒とは、もろみの段階で醸造用アルコール、醸造用糖類を添加して三倍に増やしたお酒のことで、戦後間もない米や糖が不足していた時代によく作られていたものです。

 

 

製造過程で分けられる3種類

おちょこに入っている日本酒

日本酒は製造方法でも種類が分けられています。わかりやすく言えば、火を入れるかどうか、いつ火を入れるかによって種類が分けられているというのは非常に面白いですね。

 

一般的な日本酒の製造工程では、以下の手順で行われています。

【絞り】→【火入れ】→【貯蔵】→【火入れ】→【完成】

 

この製造過程を頭に入れて、以下の3種類についてどこが違うのかみていきましょう。

 

・生貯蔵酒

生貯蔵酒は以下の工程で作られています。

【絞り】→【貯蔵】→【火入れ】→【完成】

絞りと貯蔵の間に火を入れない場合、生貯蔵酒になります。

 

・生詰め酒

生詰め酒は以下の工程で作られています。

【絞り】→【火入れ】→【貯蔵】→【完成】

貯蔵の後に火入れを行わない場合、生詰め酒となります。

 

・生酒(本生)

生酒は以下の工程で作られています。

【絞り】→【貯蔵】→【完成】

生酒は火入れを行うことなく作られている日本酒を指します。火入れを行っていないことで、フレッシュな味わいと香りを楽しむことができますが、劣化のスピードが早いため一般的には蔵所の近くでしか飲むことはできません。

 

日本酒の製造過程で火入れを行うのは、酒の中の「酵素の停止」「細菌の死滅」を目的としています。火入れを行うことで、安定した酒を作ることができると言われており、火入れのタイミングや火入れを行わずして作られた上記3種類は珍しい日本酒だと言えるでしょう。

 

 

貯蔵期間で分けられる3種類

以下の3種類は、貯蔵期間で分類されています。

 

・新酒

新酒は、製造後間もない日本酒を指します。一般的には製造されてから加熱処理される前の状態や製造後半年くらいしか経っていない日本酒を新酒と呼びます。

 

・古酒

古酒は、製造後1年以上貯蔵された日本酒のことです。

 

・長期貯蔵酒

長期貯蔵酒は、製造後3年以上貯蔵された日本酒のことです。長期間熟成させていることから、長期熟成酒とも呼びます。長期間貯蔵していることで、独特の香りや風味が楽しめます。

 

以上、日本酒16種類を簡単にですが紹介してきました。ここには日本酒好きでないと目にすることはないものもありますが、1つ1つ味や香り、風味は異なります。日本酒好きな人はぜひ自分の好きな日本酒の種類を探してみてくださいね。

 

■味や香りで日本酒を分類した場合

2つの日本酒が入ったおちょこ

ここまで、製造法や原料で分類された16種類の日本酒を紹介してきました。しかし日本酒好きでなければ全ての種類を試すことは難しいと思います。そこでここからは香りや味で分類された日本酒の種類を紹介していきます。

日本酒を味や香りで分類した場合、以下の4つのどれかに当てはまります。

 

・薫酒

薫酒は、フルーティーな味わいが特徴の日本酒です。吟醸系に多く、普段はお酒をあまり飲まない若い女性を中心に人気となっています。

 

・爽酒

爽酒は、すっきりとした飲みやすさが特徴の日本酒です。普通酒や本醸造酒が爽酒として多く、淡麗辛口な味わいとなっています。

 

・醇酒

醇酒は、お米本来が持っているコクを特徴とした日本酒です。純米系の日本酒に多く、味の濃い料理にもしっかりと個性を発揮します。

 

・熟酒

熟酒はスパイシーな香りとトロリとした飲み口が特徴の日本酒です。古酒や熟成酒などに多くみられます。

 

日本酒は現在でも1000以上の銘柄が販売されています。全ての銘柄を試してみることは難しいので、上記4つの中で自分が好きな種類を見つけ、そこから自分の好きな1本を見つけ出すのがおすすめです。

 

■まとめ

自分だけの1本を探してみようと話す女性

今回は日本酒の種類について解説してきました。あまり知られていませんが、日本酒には大きく16種類あり、それぞれ香りや味に独特な特徴を持っています。ただなんとなく飲むのではなく、日本酒の種類を頭に入れて飲んだ方が何倍も日本酒を楽しむことができるようになります。ぜひ自分だけの1本を探し出してみてくださいね。