【日本酒の発酵】が地球を救う?『酒バイオテクノロジー』驚きの実態

【日本酒の発酵】が地球を救う?『酒バイオテクノロジー』驚きの実態

【日本酒の発酵】が地球を救う?『酒バイオテクノロジー』驚きの実態

日本酒,発酵photo by RRice on 写真ACより筆者加工

皆さんは、地球温暖化防止のために何をしていますか?

様々な取り組みがある中でもっとも身近にあるのが「ゴミの分別」です。

可燃ゴミの量は年間6000万tと言われており、この膨大な廃棄物の再利用が急がれています。

では、ゴミ分別以外で家庭でエコ活動を進めるにはどうしたら良いのでしょうか。

実は、ガソリンを大量に使う運輸部門と同程度に、私たちの家庭が二酸化炭素を排出して地球を温めているのはご存知でしょうか。

日本酒,発酵🔗温室効果ガスインベントリオフィスを参照して筆者作成

その原因はガス、灯油、ガソリン、電気等を使う事で発生する二酸化炭素。

…とは言っても、地球のために電気を止めたり車を使うのを今すぐやめる、なんてことは非現実的です。

そこで石油燃料に変わる代替エネルギーが必要になってきますが、そのクリーンなエネルギーの生産のために、日本酒の発酵技術が生かされています。

中国やインドでは、微生物で廃棄物をクリーンエネルギー変える方法も使われはじめています。

今回の記事では、

  • 地球温暖化によって稲作はどんな影響を受けるのか
  • 稲ワラを「バイオエタノール」に変える日本酒の発酵技術「バイオテクノロジー」
  • 産業廃棄物を「微生物」でバイオエタノールや天然ガスに変える、中国の巨大「バイオエタノール」工場

について説明いたします。

目次

【日本酒と発酵】地球は「医者から見放された患者」

 

 

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Max Seigalさん(@maxwilderness)がシェアした投稿 – 2019年 6月月25日午後2時35分PDT

地球は、すでに産業革命当時(18世紀後半から19世紀)から1℃温度が上昇しています。

そんな地球の状態は、どんな手を打っても無駄と診断された「医者から見放された患者の状態」と例える科学者もいます。

皆さんは「まさか!たった1℃温度が上がっただけで?」と驚きませんでしたか?

 

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Wildlife | Nature | Adventureさん(@wildlifenooky)がシェアした投稿 – 2019年 7月月7日午後8時43分PDT

 

しかし、これは現実です。ほんの1℃の上昇で、南極では氷山が急速に溶け始め、世界的に嵐や竜巻、森林火災、干ばつ、熱波が発生しているのです。

日本に来る台風にも影響

それだけではありません。

海外の事例だけではなく、日本を毎年襲う台風もこれまでにないダメージを私たちに与えています。

その原因は、

  • 極地での温暖化が急速に進むことで、これまでの気圧の勾配に変化が生じ、熱帯低気圧を移動させる風が弱まっている
  • それが原因で台風上陸後の移動速度は30%遅くなり、いつまでも同じ地域に居座り、家屋倒壊や洪水などの災害を起こす

科学者たちは、早ければ今後11年以内に、さらに地球の温度は0.5℃上昇する、つまり1.5℃に到達する、と予想しています*1

そうなると日本では、真夏日が、さらに53日も増える計算になります。

稲作への影響

日本酒,発酵Photo credit: amika_san on Visual Hunt / CC BY-ND

私たちが地球温暖化の進行に対してなんの手も打たなかった場合(今から手を打っても地球温暖化は阻むことができない、と言う意見もありますが)、2081年から2100年つまり、約60年後からの日本の米は、収量が増加する地域と減少する地域の差が大きくなる、との研究結果もあります。

北海道が米どころになり、山田錦は収量が減少

日本酒,発酵出典:環境省 [🔗地球温暖化「日本への影響」ー新たなシナリオに基づく総合的影響予測と適応策ー]

例えば、赤で示されるゾーン。寒冷な北海道や岩手県などですが、そこでの米は120%の増収

それに反して紫色で示された山田錦生産地の兵庫県、山陰・山陽地方は米栽培不適地になるとの予測です。

上記の画像は2081年以降の推定図ですが、2081年まで待たなくても、

  • 土地の気候が変わるので、今まで栽培していた稲では対応できなくなる
  • 特に酒米は気温が上がると収穫量が落ちる
  • カメムシが多量に繁殖し変色米が多くなり、一等米と認められなくなる

との状況に陥り、酒造りに用いる良質な原料米の確保が難しくなりそうです。

また、発酵温度が上がりすぎることで酒質の低下が発生、冷却装置のためにさらなる出費が必要となり、電気を使うことで、ますます地球温暖化への片棒を担ぐことになる、ということで事態は堂々巡りです。

実際に、アイスドームで保存した日本酒がウリだったのに、地球温暖化の影響でアイスドームが溶けてしまうことで−15℃以下にならず、醸造不能になった酒造も存在します(現在は氷温庫を設置して貯蔵)。

【日本酒と発酵】「パリ協定」は画期的と言われたが

日本酒,発酵

経済産業省資源エネルギー庁「日本のエネルギー2018 エネルギーの今を知る10の質問」より筆者作成

中国の経済成長には目覚ましいものがあり、環境への配慮も現在進行中です。

しかし、アメリカはパリ協定を離脱する、と言い出しています。ロシアもいまだにパリ協定を批准していない状況で、各国の足並みが揃っていません。

そうは言うものの、温暖化の影響を防ぐためには、少しでも温暖化をくい止める努力が必要であることは言うまでもありません。

そのために、今まで利用していなかった「バイオマス」から新しいエネルギー源を創出しよう、との動きが世界中で活発になっています。

【日本酒と発酵】日本酒発酵技術を利用して稲ワラからバイオ燃料

日本酒,発酵出典:農林水産省[(1)地球温暖化対策の加速化 エ バイオマス利活用の加速化]

バイオマスとは、再生可能な有機物の総称です。

バイオマスは地球の温暖化防止に「待った!」をかける力強い味方。ちなみに、石油の原料になっている化石資源は含まれません。

バイオマスの特徴は、生物が作った有機物であるがゆえに「環境を汚染しない」ということ。

BIOは「生物資源」、MASSは「量」を表し、以下の種類があります。

  • 木質系バイオマス…間伐材、建設発生木材、廃材、流木、竹など
  • 家畜系バイオマス…排泄物など
  • 食品系バイオマス…生ゴミ、食品廃棄物など
  • 植物系バイオマス…稲わら、麦わら、籾がらなど

このうち植物系バイオマスに日本酒の発酵技術が使われ、バイオ燃料(ガソリン代替燃料:バイオエタノール)を作り出しているのです。

バイオエタノールは、燃焼しても大気中の二酸化炭素を増加させない、という特性を持っています。

日本酒発酵技術を利用した、バイオマスからバイオエタノール生成への過程

日本酒,発酵Photo credit: kawabek on Visual Hunt / CC BY-NC-SA

さて、皆さんは日本にはどれくらいのバイオマスがあるのかご存知ですか?

「農産物非食用部」に分類されている稲わらや籾がらなどに限って言えば、その年間発生量は約1200万トン(2015年)。そのうち利用された量はわずか31%のみ*2

日本酒発酵技術で、植物系バイオマスからバイオエタノールを作る方法

日本酒,発酵

response[稲わらからバイオ燃料を一貫生産 三菱重工が技術を確立]より写真ACを利用して筆者作成

誰もが地球の未来に不安を抱く中、三菱重工は日本酒の発酵技術を利用してバイオ燃料を製造することに挑戦しました。

このプロジェクトは、三菱重工が前処理と糖化を受け持ちましたが、その後の発酵過程では白鶴酒造が酵母を加えて発酵させています。

  1. 三菱重工は、熱水と酵素だけで植物バイオマスから糖を精製。
  2. 白鶴酒造は神戸大学と協力して、様々な酵母から適正な酵母を選抜。その酵母を遺伝子組換えを行うことなく育成し、稲わらなどからバイオエタノールに変換する技術を確立。
  3. 関西化学機械製作は、自動車燃料としての規格を満たすエタノール精製技術を磨き、石油代替として使えるように蒸留・脱水、さらに精製。

3社協力のもと、地球温暖化防止、そして脱二酸化炭素化の1つの切り札として、新たなエネルギーシステムの構築が行われたのです。

なぜビールでもワインでもなくて日本酒の発酵技術を使う?

その理由は、世界でも稀と言われる日本酒の並行複発酵技術を用いることで、純度の高いエタノールを生成できるからです。

 

  • ビールの発酵方法…単行複発酵と呼ばれ、糖化とアルコール発酵は別々に行われます。
  • ワインの発酵方法…単発酵と呼ばれ、すでにぶどうに糖分が含まれているのでアルコール発酵だけが行われます。
  • それに対して、日本酒はデンプンの糖化とアルコール発酵を1つのタンクの中で同時に行う並行複発酵です。

日本酒の原料である米にはそれ単体で発酵できる糖分が含まれていないため、アルコール発酵はできません。

 

日本酒,発酵LovePik.comを利用して筆者作成

そこで、まず、蒸した米に麹を加えて米のデンプンを糖化させブドウ糖に変えます。

その後酵母を加えて、アルコール発酵をさせます。これを1つのタンクの中で同時に行うので並行複発酵と呼ばれ、高品質のアルコールを作ることが可能です。

 

「日本酒の並行複発酵」についてはこちら

🍶日本酒メディア

🔸日本酒に関する素朴な疑問を解決!これを読んで日本酒にもっと詳しくなろう🔸

日本酒ビギナーの方向けに、日本酒に関する素朴な疑問をいくつか紹介し解決したいと思います…

完成したエタノールのランニングコストは1Lにつき90円未満(2009年当時)。エタノール濃度は99.5%で純度が高く、当時の軽油よりも安価に仕上がっています。

【日本酒と発酵】日本酒のバイオテクノロジーがさらに進化

三菱重工と白鶴酒造等のバイオエタノール生成とは別に、月桂冠はスーパー酵母を開発し、効率的にエタノールを作り出すことに成功しています*3

これは、日本酒酵母に麹菌のセルロース分解酵素の遺伝子を組み込む、という方法を用いたものです。

セルロース分解酵素が組み込まれた日本酒酵母は「スーパー酵母」と呼ばれ、単独で糖化と発酵を同時に行い、さらに多くのアルコールの生産が可能になります。

また、強力なセルロース分解酵素を大量に生産できる機能を麹菌に持たせた「スーパー麹菌」も開発しています。

植物原料の前処理まで麹菌に行わせ、その後、スーパー酵母にグルコースへの分解とエタノールへの変換を担わせることで、バイオ燃料生産がますます現実的なものとなりました。

【日本酒と発酵】バイオマスを利用したバイオエタノール生産の現状

日本酒の発酵技術を利用したバイオエタノール生産技術ですが、現在ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

日本酒発酵技術利用は、日本ではまだ一部実用化の段階

2019年現在では、

木質系、草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸、アルカリ、糖化酵素等を利用して前処理・糖化した上でエタノール発酵を行う技術で、技術的には研究・実証段階…

出典:農林水産省[バイオマス利用技術の現状とロードマップについて]

と発表されています。

古来からの日本酒バイオテクノロジーを使ったバイオエタノールがそろそろお目見えして、石油燃料依存から脱却し始めるのは時間の問題のようにもうかがえますね。

日本酒発酵技術から発展したゼオライト

日本酒,発酵photo by fujiwara on 写真AC

三菱重工を中心としたバイオマス利用のエタノール製造についてご説明してきましたが、研究が始まった当時は脱水・精製は関西化学機械製作が担当していました。

しかし、現在では三菱グループの三菱ケミカルが「多数の分子サイズの隙間を持つ、触媒や吸着材に使用されるゼオライト」に発展させています。

このゼオライトは、最先端のゼオライト膜脱水システムで「ZEBREX」と名付けられ、アメリカのバイオテクノロジー企業「Aemetis」に納入。

アメリカではこのゼオライト膜を利用することで、1年間で約1万6千tの二酸化炭素排出量を削減することが可能になるとのことです。

日本酒の醸造技術を使って成功したバイオエタノール製造ですが、それぞれの研究が発展して地球温暖化防止のために使われるとは、一日本酒ファンとしても非常に誇らしく思えます。

【日本酒と発酵】三菱ケミカルは日本酒と化学を融合

日本酒,発酵パブリック・ドメイン, Link

ゼオライトとは

ゼオライトが地球温暖化を食い止める一端として性能を発揮していることはわかりましたが、聞きなれない言葉なので調べてみました。

その結果、私のお粗末な例えで申し訳ないのですが、どうもスポンジをナノサイズまで小さくしたようなもの、という印象です。

  • 粘土鉱物の一種である
  • 主に火山や温泉付近にあり、日本でも天然の鉱物資源として産出されている
  • ゼオライトの特徴であるサブナノサイズの細孔による「分子ふるい効果」があるので、分離膜として利用できる
  • そのほか、吸着剤、乾燥剤、自動車から排出されるガスの除去剤としても使われている
  • 食品に関しては、旨味成分濃縮のために使われる

ゼオライトで濃縮日本酒 第一弾「琥珀露(こはくつゆ)」

さて、海外でも活躍しているゼオライトですが、用途開発はさらに進展し、食品用脱水濃縮ゼオライト膜「KonKer™」に進化

そして、香川県の酒造メーカーが食品用ゼオライト膜を使って、高アルコール度数の日本酒を作り出しています。

その日本酒が西野金陵酒造「琥珀露」2015年のミラノ万博に出展された日本初の「KonKer酒」で、ゼオライト膜の食品への応用性を大いに示しました。

「琥珀露」の味わいとは

純米大吟醸を通常の2倍に近いアルコール度数(30〜31度)に濃縮したもの、と説明されていますが、実際はゼオライト膜を通過した水分子だけを取り除いたものです。したがって、ゼオライト膜を通らなかった酒類側の水分は減少して、旨味も香りも高濃度に濃縮されています。

上質なお酒の余韻を楽しみたい人の、大人のお酒と言えますね。

「伊勢・志摩サミット」に登場!第2弾「Concentration 作 凝縮H」

こちらは、2016年 伊勢・志摩サミットで提供された、「日本の美味しい食文化(日本酒)」と「日本の高い技術(化学)」のコラボ。日本の伝統的な文化と最新の技術を世界中に発信した「作 凝縮H」です

アルコール度数は「琥珀露」と同じく30度。

「作 凝縮H」を並べたサミットのブースには開幕後すぐにプレスの人たちが長蛇の列を作り、「美味しい!」「酒の名前はなんだ!どこに売っているんだ」と次々に驚きの言葉を発しています。

特に女性には好評で、「上質なデザートワインのよう!」という声も上がりました。

来賓の評判も上々で、その後の限定販売では即売り切れ状態になるほどの人気だったとの事です。

※アルコール度数が高い「琥珀露」「作 凝縮H」は、酒税法によって「雑酒」に分類されます。

 

「デザートワインを超えるデザート日本酒」についてはこちら

🍶日本酒メディア

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デザート日本酒とはどんなお酒?、おすすめのデザート日本酒ベスト5、デザート日本酒に合う「日本酒を使ったスイーツ」ベスト3、などをご紹介しています…

 

サミット成功にはホロリと来る酒造裏話が…

実は、伊勢・志摩サミットを前にして、三菱ケミカルが「KonKer™」を日本酒の濃縮に応用するプロジェクトを立ち上げる時、コンタクトを取った三重県のほとんどの酒造が化学会社と協力することに懸念を示しています。

それはもっとも至極。日本伝統の日本酒に化学的なものが添加されているのではないか、と消費者から印象を持たれては売り上げにも響きます。

そんな中、三重県鈴鹿市の清水清三郎商店だけが「お話を聞いてみましょう」と言ってくれたことで「作 凝縮H」が誕生したのです。

利益を超えた酒造の協力

日本酒,発酵Creative Designed By Charising-Man From LovePik.com

しかし、「作 凝縮H」を造る前に、問題が起こりました

高アルコールの日本酒は酒税法によって雑酒に分類されますが、清水清三郎商店は雑酒製造の免許は取得していたものの雑酒製造は休眠状態。酒税法の規則によって雑酒を作ることはできないし、これを復活させるにはかなりの期間を要します。2ヶ月後のサミットに出展する予定だったのに、これでは間に合わない…。

この時、救いの手を差し伸べたのが、ミラノ万博でタッグを組んだ「琥珀露」の西野金陵酒造。日本酒文化を盛り上げるためなら、と手を差し伸べてくれたのです。

香川県の西野金陵、三重県鈴鹿市の清水清三郎商店、そして三菱ケミカルの合同チームのなみなみならぬ努力で「作 凝縮H」は完成し、見事に伊勢志摩サミットで日本酒の素晴らしさを世界中にアピールすることができましたが、この時、西野金陵の手助けがなかったら現在の「作 凝縮H」は生まれていなかったことでしょう。

※その後、清水清三郎商店は雑酒製造免許を復活させて「作 凝縮H」造りに励んでいます。

【日本酒と発酵】ゼオライトなくても高アルコール!女性も飲みやすい甕熟成日本酒『吟醸 龍甕 』

https://www.instagram.com/p/Bl5WPbIlvQX/?utm_source=ig_web_copy_link

ゼオライトを通した日本酒のアルコール度数は30度。お酒に弱い人なら、すぐに酔ってしまいそうで心配ですよね。

そんな方には「吟醸 龍甕(りゅうがめ)熟成生原酒 直詰め 1800ml」をおすすめします。

数々の賞を取得している新潟の老舗「白龍酒造」が醸した吟醸香溢れる日本酒です。

吟醸生原酒を低温でじっくりと熟成させたお酒を、まずは柄杓ですくってグラスに注いで飲んでみてください。19度のアルコールとは思えないほど柔らかな味で、女性にも人気♪

後味もすっきりとキレるので、「もう一杯だけ!」と飲んでいるうちに1800mlのお酒はすぐになくなってしまいます。

日本酒,発酵

 

【日本酒と発酵】まとめ:お米のためにも環境問題解決が急がれる日本

日本酒,発酵Photo Designed By 小青年 From LovePik.com

2017年、日本では積水化学工業が埼玉県にパイロットプラント(実際の工場を作る前の実験的な小規模工場)を稼働しています。

そこでは、分別されていない可燃ゴミを使い、微生物を利用してエタノールを作り出し、さらにエチレンに作り変えてプラスチックに再生する工程を試験的に行なっています。

この微生物(嫌気性細菌:うさぎの排泄物に含まれているもので、アメリカのLanzaTech社製)は今までの微生物の10倍以上のスピードでエタノールを生産して、従来のごみ焼却と比較して二酸化炭素を135%削減*4させる、というパワーを持っています。

ところが、積水化学工業は、いまだに年に20KLのエタノールを生産しているに過ぎません。

しかし、中国ではすでに巨大な工場が建設されて稼働*5しており、同じ微生物を使って、産業廃棄物を年間4万6000トンのエタノール、7650万トンのタンパク質飼料、および330万立方メートルの圧縮天然ガスに変えている*6とのことです。

2011年に三菱重工と白鶴酒造等の連携でエタノールを製造する一貫技術の確立に成功したこともこの記事でご紹介しましたが、2019年の国の報告書ではいまだに「実証段階」となっています…。これは、8年の月日を経ても「まだ、実用段階ではない」ということなのでしょうか。

せっかくの日本酒発酵技術がありながら、なぜか世界より環境問題解決の遅れをとっている日本…。大変なことだとは思いますが、日本には実力があるのだから、もう少し頑張ってほしいものです。

しかし、焦っても仕方がありませんよね。いつまでも美味しいお米が日本で採れるように祈りながら、今晩はお気に入りの日本酒をしみじみと味わいましょう。


参照サイト

1、National Geographic [地球温暖化の影響は想定より深刻、IPCCが警告]

2、農林水産省[バイオマスの活用の推進]

3、月桂冠[麹菌・酵母菌を活用しバイオマスからバイオエタノールやバイオプラスチック原料を生産]

4、未来コトハジメ[ごみを資源に変える]

5、aclima[World’s First Commercial Waste Gas to Ethanol Plant Now in Operation]

6、 XianJiChina[首钢京唐:钢铁尾气经加工后成为燃料乙醇、天然气和高蛋白饲料]










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