新潟 日本酒 越乃寒梅

新潟県といえば、米どころであり、日本酒がおいしい酒どころとしても広く知られている地域です。

冬は豪雪に見舞われ、地域によっては建物がすっぽりと覆われるようなところも存在しますが、厳しい冬の寒さと、豊富な雪解け水は良質な日本酒造りに非常に適しています。

酒どころと呼ばれているエリアは、新潟県以外にも存在していますが、100に近い酒蔵を有している都道府県は、新潟の他には存在しません。

酒蔵が100に近い数に迫っているわけですから、生産している日本酒の銘柄の数となると想像を絶する数にまでのぼります。

そんな中から、新潟の日本酒を飲みたいという方。贈答品用におすすめの日本酒を探しているという方向けに、新潟県のおすすめの人気の日本酒を7本ご紹介します。

新潟の日本酒の歩み

新潟 日本酒 純

日本酒は新潟のもののみならず、地元の酒米や水、オリジナルの酵母といったもので醸造されることが多いことから、ご当地グルメの一種と言っても過言ではありません。

日本酒というのは、原料だけではなく、その土地や土地の気候、環境や歴史といったものが複雑に絡み合うことで生まれる商品でもあります。

これまで長い間、甘みが強く感じられる日本酒がスタンダードで売れ筋の商品でしたが、淡麗辛口の傾向に変わってきています。

そんな流れを作ったのが新潟県に存在する多くの蔵元です。創業から長く酒造りをしており、200年や300年という歴史を持つ蔵元も少なくありません。

これらの老舗の蔵元は、もともとは本醸造や一般酒といったものを地元の家庭などに向けて造っていたことがほとんどでした。

しかし、ビール業界がプレミア傾向を示し、消費者が安くて手に入れやすいものから、少々高値でも本当に美味しいものを求めることが分かったのです。

結果として日本酒造りも純米酒や純米吟醸酒など、時間が掛かり、値段が高くついたとしても、それぞれの蔵元の個性を出し、本当においしいものを造るという傾向になりました。

新潟県の日本酒造りが盛んな理由の一つは、お米の生産が多い県ということもあります。

食用米のコシヒカリは有名ですが、酒米に関しても、「五百万石」や「越端麗」の生産も行われており、この2種類の酒造米は新潟を代表とするものです。

特に「五百万石」は兵庫県産の山田錦と並び、日本の2大酒米とも称される超有名酒造好適米として広く知られています。

五百万石は、米一粒あたりの大きさが小さいことが特徴であるため、精米歩合を上げることが難しく、大吟醸酒には不向きという弱点がありました。

それを補い新潟を筆頭に全国の吟醸酒造りの原料となっているのが、山田錦と五百万石をハイブリッドして生産された越端麗になります。

つまり、新潟には酒造りに最適な酒米が大量に摂れることが酒造りが盛んになっている理由になります。

新潟の日本酒の特徴

新潟 日本酒 越乃寒梅

新潟県の日本酒は、数多くの特徴を持っています。新潟県は、蔵元の集積地と言っても良いほどに多くの蔵元が存在していることから、競争が激しく、原料へのこだわりや造りの改良や開発に積極的という特徴があります。

一時期日本酒の消費量が減ってしまったことに危機感を覚えたことから、新潟の日本酒のブランド力を使用し、それぞれに独自の特徴を持たせるようになりました。

新潟県は冬の時期が長いため、日本酒の長期低温発酵に適しており、長期低温発酵は雑菌の増殖を抑えてくれる製法です。

日本酒の製造工程において、「発酵」が最も重要だと言われていることからも低い温度でじっくりと発酵できる環境というのは、非常にありがたいといえますし、あっさりしたお酒が出来上がります。

水の綺麗なことも広く知られている新潟県は、名水百選に6か所、新潟県が指定する名水は58か所にも上ります。

新潟の日本酒の精米歩合は、平均して58.7%となっており、全国でトップクラスです。全国平均が67.6%となっていますので、いかに品質の高い日本酒であるかがお分かりになるでしょう。

高い品質とまろやかで端正な飲み口が新潟の日本酒の特徴です。

新潟でおすすめの人気の日本酒7選

新潟 日本酒 純米大吟醸 八海山しぼりたて原酒 越後で候

久保田 千寿

地元の米と水を用いて、先人たちから受け継がれてきた技術を使って喜んでもらえる酒を造る。

酒の品質は原料の品質を越えられない。先人の森氏の言葉を心に留め、米作りから取り組み、品質にこだわって造られたのが全国的にも有名な「久保田」です。

久保田を製造しているのは朝日酒造ですが、創業時の屋号として用いていたのが久保田。

まさに朝日酒造のフラッグシップ商品であることから、久保田と名付けられ、現在に至ります。

中でも「千寿」はすっきりとした味わいと上品で澄んだ吟醸香が漂う吟醸酒として人気が高い一本です。

米本来の旨味と酸味を持ち合わせ、喉をサラリと通るキレの良さは、濃厚な料理から繊細で淡白な料理まで幅広くマリアージュすると評判です。

新潟の日本酒といえば、久保田というくらいの代表的な日本酒。さまざまな銘柄がありますが、久保田の飲み口を知りたいなら千寿を味わうのが一番です。

メーカー 朝日酒造株式会社
ホームページ https://www.asahi-shuzo.co.jp/index.html
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〆張鶴(しめはりづる)純米吟醸 越淡麗(こしたんれい)

新潟の日本酒の中で、最も上品な味わいと評価されているのが〆張鶴です。フルーティーさの中にも、気品の高さを感じさせる香りがあり、圧倒的なキレの良さを感じられる一本です。

あまりの上品な味わいに一度飲んだら止めらないという愛好家を大勢に生んでいる商品です。

酒質が高く、日本酒の初心者でもその質の違いを実感することができるでしょう。

初心者にはスタンダードな「花」から飲むべきという声もありますが、フルーティーさと上品さ。品質の高さを感じたいなら、分かりやすい純米吟醸酒である越淡麗をおすすめします。

蔵元は文政2年(1819年)創業の宮尾酒造。蔵が立地する村上というエリアは、五百万石や高嶺錦といった良質な酒造好適米を生産している米どころであり、清冽な井戸水を仕込み水を始め、洗い水などに惜しげもなく使用しています。

メーカー 宮尾酒造株式会社
ホームページ http://www.shimeharitsuru.co.jp/index.html
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越乃寒梅 吟醸 別撰

越乃寒梅(こしのかんばい)も日本酒ファンではなくても、全国的に有名な日本酒であるため、一度は耳にした方も多いのではないでしょうか。

新潟の日本酒の歴史のところでも紹介しましたが、全国的に甘い日本酒が主流だった酒造業界に一石を投じたのが、淡麗辛口という特徴を持つ新潟の日本酒でした。

越乃寒梅の中でも軽快ですっきりとした飲み口が特徴で、軽やかな特徴を持つ酵母と、酒造好適米である五百万石と山田錦を55%精米して醸される「吟醸 別撰」は淡麗辛口という表現がベストマッチする一本です。

お祝い事やちょっと良いことがあったときの贅沢品、また贈答品用として選ばれている越乃寒梅の中でも、高級感溢れる商品です。

頑なに極め、越乃寒梅らしくあることをモットーに酒造りをする蔵元は石本酒造です。

越乃寒梅の白ラベルは石本酒造を代表する普通酒であり、どんな料理にも合わせることができると評判です。

メーカー 石本酒造株式会社
ホームページ https://koshinokanbai.co.jp/
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花柳界 甘口 純米吟醸

淡麗辛口で酒造業界をあっと言わせた新潟県の日本酒ですが、甘口の日本酒にも実力派が揃っています。

その代表格が今代司酒造が送り出す花柳界 甘口 純米吟醸です。

その昔、今代司酒造の近くには繁華街があり、京都の祇園、江戸の赤坂・新橋と並ぶ、日本三大花街と呼ばれたほどでした。

当時の甘美な世界を表現したとされているのが、この一本。華やかであり、極めて甘く、後味はすっきりとした飲み口が特徴の日本酒であり、ピクルスやチョコレートといったアテが似合う日本酒です。

甘口ですが原料は新潟を代表する端麗辛口酒の王道「五百万石」を使用しているというから尚更驚かされます。

甘口のデザートワインのような日本酒は、日本広しといえども、花柳界以外なかなか見つけられるものではありません。

メーカー 今代司酒造株式会社
ホームページ https://www.imayotsukasa.com/

山間 純米吟醸

山間は2007年に誕生した他の新潟の日本酒と比較すると、非常に若い日本酒になります。

しかし、丁寧でこだわりを持った造りによって実現された新潟酒の理想形ともいえる味わいが評判を呼び、一気に全国に広がりました。

まさに「美しい日本酒」と表現するにふさわしい一本。淡麗辛口とは一線を画し、果物をそのまま口に入れたようなみずみずしい口当たりと味わい。

涼しげに流れていくのど越しの後には、ほのかに甘い後味が残るというタイプの日本酒になります。

銘酒が多い新潟県の日本酒の中でも最高峰の3本に入ると評判の一本になります。

創業は1992年と非常に若いですが、新しいからこその最先端の技術と発想を取り入れた日本酒造りが可能になっているといえるでしょう。

メーカー 新潟第一酒造株式会社
ホームページ https://www.hakucho-sake.com/

八海山 純米吟醸

ここまでご覧になられた日本酒ファンの方の中には、新潟県の日本酒なのに、なぜあの銘柄が出てこないのかと疑問に思われている方も少なくないでしょう。

お待たせしました。新潟を代表する日本酒のメジャーどころといえば、八海山ではないでしょうか。

新潟を代表する日本酒といえば、前述で紹介した久保田とこの八海山といって間違いありません。

八海山におけるフラッグシップ商品が純米吟醸です。ザ・淡麗辛口の新潟酒といえば、八海山の純米吟醸という声は非常に多く聞かれます。

淡麗辛口の特徴をそのままにし、純米酒特有の柔らかな飲み口にきっちりと仕上げている造りはさすがの一言。

舌と喉にスルリと溶け込み、儚く消えていく様は、まさに新潟の白雪のようで、美しい日本酒と表現できる一本です。

新潟の端麗辛口の日本酒の中での頂に位置する日本酒といっても過言ではないのが八海山の純米吟醸といえるでしょう。

メーカー 八海醸造株式会社
ホームページ https://www.hakkaisan.co.jp/
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北雪 大吟醸

北雪(ほくせつ)を造っている北雪酒造は、本土ではなく佐渡島に立地し、創業から140年以上を超える歴史を持つ酒蔵になります。

伝統を重んじ、昔ながらの酒造りを行っている匠の技は、ハリウッドスターも魅了しており、有名ハリウッド俳優であるロバート・デ・ニーロが愛飲する日本酒としても有名です。

大吟醸は2019年度全米日本酒鑑評会大吟醸カテゴリーにおいて銀賞を受賞した作品。

ワイングラスでおいしい日本酒アワード2014の大吟醸部門では最高金賞を受賞するなど、さまざまなコンクール受賞歴のある一本です。

酒造好適米山田錦を35%まで磨き、長期低温醗酵でじっくりと育てた完全手造りの大吟醸酒は至極の一言がふさわしいといえるでしょう。

他にも北雪超大辛口は、これまでの辛口の概念を大幅に超えた日本酒度+15~17という驚きの日本酒であり、常識を覆すアプローチには頭が下がる酒蔵でもあります。

メーカー 株式会社北雪酒造
ホームページ https://sake-hokusetsu.com/
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新潟の日本酒の入手方法

新潟 日本酒 越後伝衛門 蔵

新潟の日本酒は、個性的なものも多く、プレミアがついている期間限定酒も存在しますが、同じような酒どころである山形と比較すると手に入れやすい環境になっています。

それぞれの酒蔵がホームページを持っており、取扱い特約店や飲食店などの情報も掲載してくれているため、入手するのに困難はありませんし、定価を驚くほど超えるようなプレミア価格の日本酒はあまり出ていませんので、初心者の方にも手に入れやすい環境が整っているといえるでしょう。

幅広く奥深い本物の新潟日本酒を是非お試しあれ

新潟の日本酒を飲んでみようと話す男性

米どころ、酒どころの新潟県。

日本一ともいえる酒蔵が群雄割拠している新潟の日本酒は、日々技術革新がなされ、より美味しく新しい日本酒の生産にあけくれています。

これまでのブームを打ち破り、淡麗辛口というムーブメントを日本中に巻き起こした新潟酒。

幅広く、しかも奥深い本物の日本酒を味わいたいなら、新潟の日本酒を手に取ってみてはいかがでしょうか。