田んぼの稲を刈る耕運機

アメリカ最大の米生産地アーカンソー州で、2018年度の最優秀農家「2018 ARKANSAS FARMER OF THE YEAR」が決定しました。選ばれたのは、3000エーカーの農地で米作りをしているChris Isbell 一家

農業関連の研究が好きなChrisは、米への水やりの実践を通して、地球温暖化の原因となるメタンガスの量を最小限にする努力が認められ表彰されています。

しかし、今回の記事の話題は温暖化についてではなく、Chrisが作っている山田錦です。

彼は、日本以外では栽培不可能、と言われた世界で最高と言われる酒米に挑戦。現在では山田錦以外の酒米も数種類栽培しています。

今回の記事では、今後日本酒業界に影響を与える存在になるかもしれない、

  • アメリカ産山田錦
  • アメリカンクラフト酒

についてご紹介します。

山田錦の需要・生産量共に減少する日本

日本では、今まで好調だった特定名称酒の出荷量の鈍化がみられています。それを受けて各酒造は特定名称酒の製造計画を下方修正。

同じく、山田錦の生産量も29年度と比べて30年度は88.6%に減少しています。

農林水産省ではこの現象を「山田錦の需要量が減っているから生産量も減っているだけ。需要と供給のバランスが取れている状態」としていますが、やはり高品質な日本酒醸造に欠かせない山田錦の生産量が減少しているのは少々気がかりです。

今後、山田錦生産地での高齢化や離農が進行すれば、これまで高級日本酒を支えてきた山田錦の生産量はさらに減少していくことが危惧されます。

伸び続けるアメリカンクラフト酒

 

この投稿をInstagramで見る

 

Blue Current Breweryさん(@americansake)がシェアした投稿 – 2018年10月月8日午後2時55分PDT

酒造数がだんだんと減っていく日本とは裏腹に、アメリカでは日本酒を作っているクラフト酒メーカーの数は2000年の5社から21社に増加

現在アメリカで飲まれている日本酒総量は年間2万5千キロリットル、そのうち日本産は7千キロリットルだけで、1万8千キロリットルはアメリカ産日本酒です。

実に、日本から輸入された日本酒の約2.6倍量のアメリカ産日本酒が消費されているのです。

品質の差別化を図りだしたアメリカンクラフト酒

 

この投稿をInstagramで見る

 

Hunter Grimesさん(@farmer_grimes)がシェアした投稿 – 2017年 4月月8日午前11時37分PDT

一昔前のクラフト酒と違って現在のアメリカでは、最高級の酒米山田錦を原料米にして日本酒を作っています。山田錦を使うことで作業効率はよくなり、日本酒の味もフルーティーで上品に仕上がることで、より日本の日本酒に近い味わいになり、価格にも反映されます。

山田錦を生産しているChrisの農地は東京ドームに換算すれば260個分、という想像を絶する広さ

もちろん、山田錦だけを生産しているわけではなく、他の種類の米も生産していますが、今後山田錦の需要が増えれば柔軟に生産量を増していくことでしょう。

しかし、山田錦のような育てにくい酒米を栽培できるのは日本人だけでは?と私たちは思い込んでいませんでしたか?

カリフォルニア米から山田錦へグレードアップするアメリカンクラフト酒

 

アメリカのクラフト酒メーカーは、もともとはカリフォルニア米を使って醸造していました。

原料米は、酒造りで人気があるカルローズ。「山田錦」の親種「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」から生み出された品種で、アメリカでは最高の酒米とされていました。

そういえばニューヨーク州にアメリカ蔵建設中の旭酒造も、アメリカ版お試し獺祭にカルローズを使っていましたね。

 

「獺祭が造ったカルローズ米日本酒」についてはこちら

🍶日本酒メディア

🔸【獺祭】純米大吟醸級が1,000円?買わなきゃ損!お買い得種類と値段🔸

プロトタイプとして造られた純米大吟醸クラスの日本酒が「獺祭試(ためし)米国産米カルローズ80%使用」。精米歩合は「獺祭二割三分」と同じ23%、酵母も同じ種類。ネットでは味わいも遜色ない、とのレビューが多く見られました…

今までは山田錦の存在は知っていたものの、日本から輸入していては高額になるためやむなくカルローズを使っていたアメリカですが、山田錦がアメリカ国内で手に入るようになった現在では、山田錦で醸造するクラフト酒メーカーが増加しています。

その山田錦栽培をアメリカで可能にしたのは、一農家であるChris。

彼はどのような経緯で山田錦を作ることになったのでしょうか。

Chrisと日本人学者との運命的出会い

地球儀

実はChrisは、もともとはロンググレイン米を栽培していた農家にすぎませんでした。

彼が日本米の栽培にチャレンジする気になったきっかけは、ある日本人とおしゃべりをしたことです。

Chris、農業研究会に入会する

米を作るだけではなく研究にも熱心なChrisは、当時「窒素を効率的に利用する方法」を模索中でした。

彼は自分の研究のために、学者たちの勉強会である「Rice Technical Working Group」に参加。農家である彼に対して、学者たちはChrisの実体験に興味をそそられ、Chrisを友好的に受け入れました。

そんな中、ある日の勉強会で、日本人男性が一人で壁際にいるのを発見。アーカンソー特有のホスピタリティーを持ったChrisは、その日本人に愛想よく話しかけたのが「運命の始まり」です。

Chris、日本人学者と出会い、日本の米を知る

この学者は、元九州大学大学院農学研究院教授(現在、九州大学名誉教授で桃園ファーム代表取締役) 伊東正一氏です。

伊東氏は、当時アーカンソー大学に留学中。その後テキサスA&M大学農業経済学科で大学院博士号を取得したコメの経済学者。

2人はアメリカと日本の米の違いについて話が弾み、Chrisはこの時初めて、

  • 日本の米の繊細さ
  • 日本は米を育てるには世界で最高の地域
  • コシヒカリは最高の米だが日本でしか育たない

という事実を知ったのです。

しかし、研究熱心なChrisは諦めません。彼は自宅に帰って「日本でしか作れない米なんてあるのだろうか」と地球儀を回してみます。すると、なんと自分が住むアーカンソー州の町は日本と同じ緯度にあるではありませんか!

「もしかしたら、コシヒカリをここで作れるかも!」研究が大好きな彼はきっとテンションが上がったに違いありません。

Chris、コシヒカリにチャレンジ

 

この投稿をInstagramで見る

 

赤倉温泉 お宿ふるやさん(@oyadofuruya)がシェアした投稿 – 2019年 7月月7日午後6時26分PDT

Chrisはなんとかコシヒカリの種もみを入手して、苦労の末にコシヒカリの栽培に成功!

そのコシヒカリの味は今までの長粒米とは違い、香り豊かで自然な甘みがありました。粘り気もあり、柔らかい米は寿司には最適で、現在でもChrisはコシヒカリを食べ続けているそうです。

そんな美味しいコシヒカリを日本の商社に試食してもらおうと試みましたが、各社の反応は「アメリカでできたコシヒカリなんて」と鼻であしらわれるだけ。

しかし、ある商社が試食して、その味を認めたことから、Chrisのコシヒカリは1992年、初めて市場に出回ることになりました。

コシヒカリは日系アメリカ人から好評を得ただけではなく、日本でしか栽培できないと思い込んでいた本家本元の日本でも話題となり、テレビ局や新聞、雑誌の取材を受け、Chrisのコシヒカリは日本でも販売される運びとなります。

Chris、日本の講演で余裕のユーモア見せる

 

この投稿をInstagramで見る

 

CoHelms AgServicesさん(@cohelms_agservices)がシェアした投稿 – 2019年 2月月11日午前9時15分PST

そして、ついに日本の国際農業者交流協会から講演までも依頼されるほど有名になったのです。

その講演会では、Chrisの人柄を思わせるアメリカ人らしいエピソードがあります。

日本を訪れ、壇上に立ったChrisに、ある日本人男性が興奮したかのようにまくし立てたのです。「日本で米は自給自足できるのに、なぜアメリカからわざわざ輸入しなければならないのか」と。会場は彼の荒い語調に一瞬凍りつきました。

当時、アメリカ産の米はファミリーマートなどで1kg500円で売られており、日本の米農家としては危機感を抱かれていたのでしょう。
※ちなみにカルローズは、現在でも1kg弱550円で購入できます。

Chrisは、彼が自分と同じく誇りを持って米を作っている農家であることを承知しています。海外から米が入ってくることに不快感を持つことも十分に理解できていました。

そこで、件の日本人男性の質問にはこう答えています。

「そうですよね、あなたのお気持ちはよくわかります。アメリカでも自動車は自給自足できるんですけど…(それなのにトヨタやホンダはアメリカで車を売っています、と言外に意味を込めて)」とユーモアで返すと、会場全体が笑いの渦に包まれ、その場は一転して和やかな空気に変わったとのことです。

Chris、山田錦栽培開始

Chrisのコシヒカリが有名になるにつれて、カリフォルニア州でもコシヒカリを栽培し「カルヒカリ」と名付けて販売する農家が増加。カリフォルニア州は、コシヒカリを輸出するのにも地の利を得た場所です。

そんなことから、2009年、Chrisはコシヒカリ栽培を断念することにしました。しかし、彼は悔しがることはありませんでした。

「コシヒカリは食用米のキャデラックかもしれないが、もっと高価で取引されている米がある。それは酒米の王者、山田錦だ」と日本人から聞いたからです。

お金が稼げなくてもいい、ただチャレンジしたい、と望むChrisの頭の中は、すでに山田錦のことでいっぱいでした。

そして、以前に手に入れた日本の種もみを育てた中に、ひときわ背が高く、米粒がコシヒカリより大きめの稲を発見。それが山田錦だったのです。

そして、いよいよChrisの「山田錦」への挑戦が始まりました。

日本市場の半額で販売!Chrisのアメリカ産山田錦

 

この投稿をInstagramで見る

 

Takara Sake USA Inc.さん(@takarasakeusa)がシェアした投稿 – 2017年12月月6日午後11時21分PST

山田錦は一筋縄で栽培できるような稲ではありません。しかし、研究熱心なChrisはようやく生産へとこぎ着けました。

そうこうするうちに、Chrisが山田錦を作っているとの噂を聞きつけて、アメリカで最大規模を誇る日本酒造会社「アメリカ宝酒造」がコンタクトを求めてきたのです。Chrisは宝酒造の意向を受け、日本で売っている山田錦の半値で卸すことで契約成立

その後、宝酒造のフィードバックを受けて試行錯誤の末、Chrisの山田錦は現在、高品質の山田錦に到達しています。

アメリカンクラフト酒も山田錦日本酒をローンチ

 

この投稿をInstagramで見る

 

Sake Competitionさん(@sake_competition)がシェアした投稿 – 2019年 5月月6日午後11時10分PDT

アメリカのクラフト酒メーカーでも山田錦を使ってプレミアム日本酒を作り始めました。

Chrisの山田錦はアメリカ以外でもニュージーランド初の酒蔵「全黒(ぜんくろ)」、イギリスの英国初の酒造「カンパイ」でも使われているほど海外の酒造界では有名です。

現在、アメリカ酒蔵を建設中の獺祭・旭酒造社長もインタビューに答えて、「アメリカでも山田錦を作っていることが分かったんですよ」と、喜んでいた、とのことですから、アメリカ製獺祭はChrisの山田錦で醸される可能性は高そうです。

獺祭はアメリカ人に人気があるブランド。山田錦を使いつつも低価格に抑えた獺祭や、もともとアメリカで庶民に受け入れられているクラフト酒が山田錦使いで高品質になったら、高価な日本産日本酒の入る余地はなくなるのでは…。ちょっと心配になってきました。

アメリカで低下する日本産日本酒価格

しかし、日本にとって悪い話ばかりではありません。平成28年(2016年)に発表された農林水産省の資料によると、

獺祭 純米大吟醸磨き三割九分 720mlは、日本でのメーカー小売価格2,418円(2015年当時)に対して、アメリカでの日本酒販売価格は$65.99(7120円)

として、「海外での日本酒売値は約3〜4倍の価格に跳ね上がる、それが、海外での日本酒のさらなる普及を邪魔している原因」と指摘していますが、現在アメリカでの獺祭大吟醸の価格は$30.98(3,300円)にまで下がっています。

この価格低下の原因は、以前はアメリカ国内での卸売小売マージンが小売価格の50%を占めていたのが、

  • 流通経路の短縮化
  • 輸入業者機能+卸売機能といった複数の機能を持つ現地事業者と取引する

などと見直しを図ったことで、複雑な流通機能にかかる費用が減少したためと思われます。

日本製日本酒とクラフト酒の値段がほぼ同じレベルに

 

この投稿をInstagramで見る

 

John Yehさん(@johncandrink)がシェアした投稿 – 2019年 2月月23日午前8時19分PST

安価とされてきたアメリカンクラフト酒の価格も変わりつつあります。そこで、賞も獲得している高品質のクラフト酒の価格を調べてみました。

例えば、サンフランシスコのクラフト酒メーカー「Sequoia Sake」。2019年に金賞を受賞した「COASTAL GINJO」の価格は750mlで$26(2,800円)です。

それに対して、獺祭純米大吟醸は$30.98(3,300円)と、価格は僅差です。どちらを買うかと問われれば、迷うことなく獺祭の純米大吟醸を選ぶ人が多いでしょう。

流通の改善で価格が低下した日本製日本酒。それに対してクラフト酒は、山田錦を使っている、品質の見直しをする、などで価格は上昇中

このことはアメリカに日本酒をもっと普及させたい日本の酒造にとっては、ある意味ラッキーなことではないでしょうか。

「アメリカ産日本酒は安かろう、悪かろう」は昔の話

農林水産省の資料(作成年は不明、しかし内容から2015〜2016年頃と推定)には、「一般的に、現地(アメリカ)生産の日本酒は安く品質も低く、日本人以外が経営するレストランで提供されている。」と酷評されていますが、アメリカの日本酒が山田錦で造られ、高品質に変化するとは、当時は思いもよらなかったことでしょう。
※は筆者加筆

アメリカンクラフト酒に歴史や常識は不必要

 

この投稿をInstagramで見る

 

Blue Current Breweryさん(@americansake)がシェアした投稿 – 2019年 2月月21日午後5時38分PST

2016年度のLondon Saké Challenge では、なんと160年の歴史を誇る日本の老舗酒造と並んで、わずか1年の酒作り経験のみで金メダルを取ったクラフト酒 がありました。

メーカー名は「Blue Current Brewery」。金融会社をリストラされたアメリカ人男性が、2015年に東海岸ポーツマス近くに創立した酒造です。

蔵を立ち上げて1年、そして、ほぼ一人での日本酒作りなのに、老舗酒造と同じ金賞を受賞したとは驚きです。

彼は、CSP(Certified Sake Professionals )に認定されているほどなので、日本酒に対して深い造詣はあったと想像できますが、日本酒作りの経験はないにも等しいのです。

もはや日本酒造りには、歴史も経験も勘も必要ない、ということなのでしょうか…。

 

「日本酒の常識は現代にも通用している?」についてはこちら

🍶日本酒メディア

🔸【日本酒の常識】は非常識!?磨かない米、水道水仕込みでも売れる新常識🔸

米を磨くほど日本酒は美味しくなる、という「常識」は本当か、精米歩合が「高い・低い」の意味を知っていることは「常識」か、自然の水を使えば日本酒は美味しくなる「常識」は本当か…について検証しています。

「日本酒のレプリカは作らない」アメリカンクラフトマンシップ

現在のアメリカンクラフト酒には、今までの日本酒にはない独自性が詰め込まれています。

それは、ほとんどがクラフトビール醸造を経験した人たちが作っている日本酒だからです。

クラフトビールを作っていた人たちがクラフト酒作りに転向すると、一体どのようなことが起こるのか想像がつきますか?

そうです、彼らはビールに加える様々なフレーバープロファイルを持っているから、日本酒にもフレーバーを加えるのは目に見えています。

例えば、North American Sake Brewery では、マンゴー、ライム、ハラペーニョなどの果汁や香辛料を加えた6種類の日本酒を作って販売。

 

この投稿をInstagramで見る

 

Mitsuwa Marketplaceさん(@mitsuwa_marketplace)がシェアした投稿 – 2019年 6月月26日午後7時11分PDT

TY KU には、ココナッツ入りにごり酒やきゅうりの酒まであります。

伝統的な日本酒を真似るよりも、日本では見られない新しい日本酒を作ることに喜びを見出すクラフトマンシップが旺盛なのです。

日本でのフレーバー酒と古酒人気で納得!クラフト酒のフレーバー酒

アメリカでのフレーバークラフト酒には日本と共通する点もあります。それは、昨今の日本でのフレーバー酒と熟成古酒ブーム

4種類の味が楽しめる♪欲張りさんの『アミュレ コンプリートセット』

クラフト日本酒

とっつきにくい、と日本酒を避けていた人でも、日本酒初めてさんでも「美味しい!」の歓声が上がるアミュレ。ハート型の瓶入りで4つの味が楽しめます。1本が200mlなので飲みきりサイズ。お持ち寄り女子会にも最適です。みんなでわいわい飲み比べしましょう♪

 

Amazonアミュレ果実リキュールはこちら

 

いつもの日本酒とは違う深い味わい!20年熟成古酒『since1999』

今までは、フルーティーでスルリと喉を滑っていくような日本酒が好まれていましたが、最近では日本酒とは違った熟成古酒の味わいに夢中になっている人も多くなってきています。

 

「熟成古酒」についてはこちら

🍶日本酒メディア

🔸日本酒を知り尽くした大人の酒!おすすめ【ワンランク上の長期熟成古酒】🔸

熟成古酒の種類と特徴、熟成古酒に合う食材、熟成古酒の健康上のメリットなどをご紹介します…

日本で好まれる日本酒の味には10年サイクルがあると言われており、

甘口⇨辛口⇨無濾過や濁り⇨フルーティで繊細⇨???

と移り変わっている、という説もあります。

したがって、次のブームはクセがある日本酒、つまり古酒が来るのではないでしょうか

最初は今までの日本酒の味わいとの差に違和感を感じますが、古酒を飲み慣れると「コレじゃなきゃ!」になっていくから不思議なものです。

クラフト日本酒

「クセのある日本酒」がブームになりつつある、ということで、今回ご紹介したい熟成古酒は『ヴィンテージ秘蔵酒・』

1999年に山田錦を使用して醸造した大吟醸酒をじっくりと熟成させた古酒です。

20年間、低温熟成された古酒の色はやや黄色がかっていますが、古酒特有のクセはなく、まろやかで深みのある味わい。個性的なチーズとの相性も抜群です。

新潟県中川酒造で大切に秘蔵された古酒は市販では手に入れることはほぼ不可能

この機会にぜひ、20年の時を経て目覚めた熟成古酒の深い味わいをご堪能ください

Amazonシンス1999はこちら

『アメリカン クラフト酒 』のまとめ

 

この投稿をInstagramで見る

 

North American Sake Breweryさん(@northamericansake)がシェアした投稿 – 2019年 2月月23日午前11時13分PST

日本酒がアメリカでブーム、とは言っても、アメリカ人が飲んでいる総アルコール量の中で日本酒が占める割合は、なんと1%以下。まだ、伸び代は十分にあります。

今の所、日本酒業界は海外での日本酒需要の裾野を広げるために、彼らのようなクラフトビール出身者の参加も歓迎しています。

例えば、新中野工業はサクラメントに精米所を作り、高性能な精米機で磨いた米をクラフト酒メーカーに提供しています。

南部美人の社長も海外醸造家を対象とした本格的な醸造技術セミナーを開催するなど、日本酒ファンの掘り起こしに努力されています。

どうせ造るならおいしいお酒を世界中で醸してもらう事で、日本酒を飲むお客さんの底上げにつながると信じています。そのためには最新の日本の酒造りの技術や外国人が本場日本で酒を造る意味や意義、そして小さなサイズで酒を仕込む工夫など、まさに今アメリカで、世界で欲しい情報を出すことで、海外の蔵の味のレベルが上がり素晴らしい相乗効果を生むと信じています。

出典:南部美人「南部美人inサクラメント・サンフランシスコ」

彼らの並々ならぬ努力が実って、日本酒がアメリカ全土で家庭でも飲まれるようになり、日本からの輸出量もさらに増加していくことを願って止みません。


参照サイト

・農林水産省 [米に関するマンスリーレポート]

・農林水産省[コメ・コメ加工品部会(日本酒分科会)における調査報告書]

・Wedge [「変化し続けること」が獺祭の社是]

・Isbell Farms [ Isbell Farms]

※2019年7月の為替レートを使用しています。