宮城 日本酒 浦霞

宮城県といえば、有名であり人気の高い戦国武将である「伊達政宗」が発展させた土地として有名な杜の都。

日本酒づくりに関しても、日本酒が好きだった伊達政宗公自らの差配でわざわざ大和(現在の奈良県)の地から酒造職人を呼び寄せて厚遇し、日本酒づくりを行わせていたという記録が残っているほどです。

東北エリアは、どこのエリアも米どころとして盛んに米が作られ、日本酒づくりに適した厳しい冬という環境を利用することができる土地。

宮城県も例に漏れることなく、個性的な日本酒造りを行っており、全国的にも高評価されている銘柄を沢山排出しています。

特に純米の県という宣言をしたことから、純米酒づくりが盛んなエリアとしても日本酒ファンの中では有名です。

そんな宮城県のおすすめの日本酒をここではご紹介します。

宮城県の日本酒のあゆみ

宮城 日本酒 浦霞

冒頭でも触れましたが、宮城県はもともと仙台藩が治めており、その当主は独眼竜として恐れられた伊達政宗公。

宮城県の日本酒づくりは江戸時代の慶長13年(1608年)だとされています。

こちらも有名人の柳生但馬守宗矩が紹介役となり、大和の酒蔵職人である又五郎に対して、当時、榧森(かやのもり)という場所に住んでいたことから、榧森又右衛門(かやのもりまやえもん)という姓名を与え、切米十両と十人扶助と住居も与えて酒造蔵を準備して御用酒屋を開かせたというのが、宮城県の日本酒づくりのスタートになります。

榧森家は初代又右衛門から十二代に至るまで御酒御用を勤め続け、二十種類以上の醸造酒を製造したとされています。

その技術は仙台領内における醸造技術の発展と向上に大きな影響を与えたというのは言うまでもありません。

仙台藩御用達酒屋の発展とともに、仙台藩城下では町酒屋も生まれるよういなり、お互いが酒造技術を競い合う中で、宮城県の酒造りは現在のような洗練されたものになっていくのです。

昭和61年には、みやぎ純米酒の県宣言というものを行い、ササニシキ100%の純米酒づくりプロジェクトがスタートしたことをきっかけにして、いい酒、うまい酒づくりに真摯に向き合うという現在の宮城県の酒造りの基本姿勢が出来上がりました。

宮城県の日本酒の特徴

宮城 日本酒 伯楽星

宮城県の日本酒の特徴は、日本三大杜氏とされる越後杜氏(新潟県)、丹波杜氏(兵庫県)とともに南部杜氏と呼ばれる流れを酌んでおり、伝統の技で醸された日本酒は、高い評価を受けています。

それを証明するように全国新酒鑑評会では2016年と2017年の2年連続で金賞受賞率1位に輝いています。

宮城県の日本酒の特徴は、冴えわたるキレの良いキリリとした口当たりの端麗辛口であることが多いです。

というのも、東北の厳しい冬の寒さでのみ実現可能な低温長期発酵という技法が利用できるためです。厳しい冬の寒さと長い年月が淡麗で辛口の日本酒を作り出し、日本酒業界全体に一つのジャンルを築き上げたというのは周知の事実です。

あゆみのところでも触れたように昭和61年に純米の県宣言を行い、プロジェクトをスタートさせたこともあって、純米酒の比率が多いことでも有名です。

純米酒の出荷比率は、全国平均ではたったの2割しかないものの、宮城県の純米酒出荷比率は50%を超えるものになっています。

淡麗辛口、そして純米酒が多いということが宮城県の日本酒の大きな特徴といえるでしょう。

宮城県のおすすめ日本酒7選

宮城 阿部勘 酒蔵

浦霞 禅

ほどよい吟醸香と柔らかい味わいを持った宮城県の純米酒らしい端麗辛口の代表格ともいえる存在なのが浦霞 禅です。中でも純米吟醸は浦霞のフラッグシップ商品といえます。

一度見たら忘れられない禅画のデザインと、味のある墨文字のラベルは非常に味があり、見てるだけでも飽きません。

全米日本酒鑑評会の吟醸酒部門では、毎年のように金賞・銀賞を受賞しており、国内での評価が高いのはもちろん、海外でも需要が高い銘柄です。

蔵元は株式会社佐浦で、創業は「暴れん坊将軍」のモデルになった徳川吉宗が将軍であった享保9年(1724年)とかなりの老舗です。

誠実な酒造りと地元を中心とした信頼関係の構築という世界的酒蔵ながら素朴すぎるほどのコンセプトで酒造りを行っている酒蔵でもあります。

メーカー 株式会社 佐浦
ホームページ http://www.urakasumi.com/
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伯楽星 特別純米

日本で初めて西洋音楽として作られた荒城の月。その作詞家である土井晩翠がこよなく愛し、口にしていたとされている日本酒が伯楽星。

この伯楽星の原点ともいわれているのが、伯楽星 特別純米です。原料米は山田錦を使用し、辛口白ワインの代表格である「シャブリ」を思わせるような酸味と甘みのバランスの絶妙さを持つ日本酒になります。

1730点もの出品酒があったサケ・コンペティション2017の純米酒部門においてGOLD6位を獲得した一本でもあります。

蔵元の新澤醸造店は明治6年(1873年)の創業ですが、2011年の震災で蔵が全壊してしまい、経営も危ぶまれる状態まで追い込まれました。

しかし「究極の3杯目」や「究極の食中酒」をコンセプトに研究・開発を続け、2013年にはJAL国際線のファーストクラスに純米大吟醸が採用。

更にFIFAワールドカップのオフィシャル酒に採用されるといった快挙を成し遂げました。

苦難を物とすることなく、ハイレベルな酒造りに向き合う姿勢には頭が下がる思いです。

メーカー 株式会社 新澤醸造店
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阿部勘 純米吟醸ひより

銘柄にある「ひより」とは、山田錦を親に持つ宮城県生まれの酒蔵好適米のことであり、ひよりを原料に造られた日本酒が阿部勘 純米吟醸ひよりです。

ほんのりと上り立つフルーティーな吟醸香と、口にふくんだときに広がる米の旨みが特徴的な一本。

後味はすっきりとしており、甘味と酸味のバランスが良く取れている純米吟醸酒になります。

蔵元は阿部勘酒造は享保元年(1716年)の創業であり、当時の伊達藩の命を受けて酒蔵株を譲り受けて塩竃神社への御神酒を専門に造る御用酒屋として誕生しました。

決して大きな蔵ではありませんが、小規模であるからこその仕込みから製品出荷。販売後のお客さんへの対応や管理が細かく行えるという考えて酒蔵の経営を行っています。

メーカー 阿部勘酒造株式会社
ホームページ http://www.abekan.com/index.html
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天上夢幻 特別純米

原料米に宮城県生まれの「蔵の華」とトヨニシキを60%精米して、同じく宮城生まれの酵母で醸して誕生したのが天上夢幻 特別純米です。

日本酒度は+7となっており、すっきりとした辛口の中には、ほどよい米の旨みとコク、そして香りが閉じ込められています。

宮城県の純米酒はバランスが絶妙に取れていることで高評価をされていますが、この天上夢幻 特別純米も非常にバランス感覚に優れた一本に仕上がっているのです。

蔵元は明治39年(1906年)に創業した中勇酒造店。500石程度の小さな蔵ですが、米は手磨きにこだわり、昔ながらの和釜と酒米を蒸すために使う蒸し器である甑(こしき)という道具を使って酒造りを行っています。

貯蔵に関しても、全てが瓶貯蔵というスタイルを取っており、昔ながらの伝統的な酒造りを行っている蔵元としても有名です。

また地元学校への体験学習などで蔵見学を行わせたりなど、地域活動にも積極的な酒蔵です。

メーカー 株式会社中勇酒造店
ホームページ http://www.mugen-kuramoto.co.jp/
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勝山 献(けん)純米吟醸

1688年創業で300年以上の歴史を持つ蔵元、勝山酒株式会社が生み出した日本酒が、勝山です。

江戸時代には、仙台伊達家の御酒御用酒屋として重宝され、依頼、仙台藩の酒蔵の模範的な存在として活躍してきた蔵元です。

仙台藩そのものが初代伊達政宗の頃から美食を追求する風土であったことからも、戦後には調理師専門学校を開設したのも勝山酒株式会社です。

日本酒の他にも無添加ソーセージの製造販売なども行っている「美味しいお酒づくり」にこだわった蔵元といえるでしょう。

献 純米吟醸は、マイナス5度氷温貯蔵といった徹底した品質管理で製造された純米吟醸酒であり、華やかすぎない上品な吟醸香と米の旨みがバランス良くマッチした飲み心地の良い食中酒として高い評価を受けています。

サケ・コンペティションでは、2015年と2016年の2年連続で純米酒部門のナンバーワンを獲得した超実力派の一本といえるでしょう。

メーカー 仙台伊達家 勝山酒株式会社
ホームページ https://www.katsu-yama.com/
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真鶴(まなつる)本醸造

酸味が少ない辛口タイプの日本酒で宮城県の日本酒らしい銘酒と言われているのが、真鶴です。

原料米は宮城県産米を利用し、酵母には山廃酒母を使用しているという一本。酒質はしっかりとしており、ふくよかな香りとしっかりとした旨味を感じることができます。

2016年全国燗酒コンテストにおけるお値打ち熱燗部門において、最高金賞を受賞した醸造酒でもあります。

もともとは東華正宗という名前でしたが、当時の伊達藩重臣只野図書が真鶴にせよと命じ、以来真鶴という銘柄になったとされています。

蔵元は田中酒造店で、江戸時代に金融業と呉服屋で財をなして手に入れた田畑を使って、生産調整のための副業で酒づくりを始めたという逸話を持つ酒蔵です。

現在でも当時の建物をそのままに使用しており、まるで時代劇のセットのような漆喰塗の壁は日本酒ファンに人気があり、蔵見学に訪れる方も珍しくありません。

メーカー 株式会社田中酒造店
ホームページ http://www.manatsuru.co.jp/index.php
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宮寒梅 純米吟醸45%

さまざまなメディアに取り上げられ、こころに春を呼ぶお酒のコンセプトで日本酒づくりをしている寒梅酒蔵が送り出した一本が宮寒梅です。

盃に注ぐと梅の花がほころぶような華やかな吟醸香が感じられる純米吟醸45%は、特におすすめの一本です。

酒造りは米作りからの考えを持っており、自社が保有する田畑に美山錦や愛国、ひよりといった酒造好適米を栽培しており、それらを原料米として使用しています。

お酒の仕込みは機械を一切使わない手作業で行うといったこだわりも多くの日本酒ファンを魅了している理由でしょう。

のど越しが爽やかですっきりとしており、お祝い事に欲しい一本です。

メーカー 合名会社 寒梅酒造
ホームページ http://miyakanbai.com/?lang=ja

宮城県の日本酒を手に入れる方法

宮城 日本酒 真鶴

宮城県の高品質な日本酒を手に入れる方法は、一般的な酒卸業者では、地元であったり、特別なコネクションがない限り、限定酒等を手に入れることは難しいでしょう。

こういった場合には、恵まれた環境を十分に利用していくべきです。現在ではインターネット環境が発展しているため、宮城県の日本酒を多く取り扱っている業者をすぐに発見することができます。

そういったものを活用したり、宮城県酒造組合が運営する「宮城の酒」というウェブサイトを使って情報収集をしてみるのもおすすめの方法です。

ご紹介したように日本酒はもちろん、美食にこだわりを持つ県民性が宮城県にはありますから、グルメ情報を取り扱ったコンテンツを沢山見つけることができます。

こういった情報サイトを上手に利用すれば、宮城県以外では滅多にお目に掛かれない銘酒も口にできるチャンスが生まれるというものです。

美食の街の上手い酒を一度お試しあれ

宮城県の日本酒を飲みたい!と話す男性

宮城県は伊達政宗の時代から美食と美味しい日本酒づくりに力を注いできた街という歴史があります。

牛タンや笹かまぼこ、はらこ飯や白石温麺、ずんだ餅や萩の月、気仙沼ホルモンなどA級からB級まで名物を挙げればきりがありません。

負けず劣らず日本酒も高品質なものが多くあり、さまざまなコンテストなどで金賞を受賞している銘酒が揃っています。

おいしい宮城県のグルメとともに、純米の県の一滴を楽しんでみてはいかがでしょうか。