
和歌山といえば、熊野古道や高野山など歴史的な観光資源があり、ユネスコ世界遺産にも登録されている土地です。
世界中の人から注目される中、年々外国人観光客が増え、賑わいを見せています。
また、ユネスコの世界遺産指定から少し遅れ、世界文化遺産として「和食」も登録されました。
これによって観光地とともに観光の目玉は日本食になりつつあります。和歌山の郷土料理といえば、イタドリ煮物、いがみの煮つけ、鮎ずし、クエ鍋や鯨料理など他の地方ではなかなか味わえないものばかり。
それらの郷土料理とマリアージュする日本酒にも注目が集まっており、多くの優秀な日本酒が誕生しています。
ここでは世界から注目されている和歌山の日本酒の歴史や特徴をご紹介します。
また贈答品などにピッタリな和歌山のおすすめ日本酒を6つご紹介しましょう。
和歌山の日本酒の歴史
和歌山はその昔、紀州と呼ばれ江戸時代には紀州徳川家として周囲の大名よりも重宝され栄えた歴史を持つ土地です。
他エリアの大名よりも御三家として優遇されている土地ですから、それだけ恵まれており、人口も多くさまざまな商売が盛んな土地でした。
このため和歌山では、江戸時代から日本酒造りも盛んになったという歴史を持っています。
紀州徳川家のご用達などの献上品としての品質の高い日本酒が製造されていたため、現在でも高級志向な日本酒の製造が盛んにおこなわれています。
和歌山には世界遺産にも指定される自然が多くあり、同時に海に囲まれた土地であるため、山の幸も海の幸にも恵まれています。
料理にマリアージュするように配慮された日本酒が多いというのが特徴で、和歌山北部は米どころとして全国的にも有名ですが、海の幸を使った代表的な料理である鮨と一緒に楽しめるような日本酒が多いのも特徴です。
純米酒が多く造られ、昔ながらの製法を守って伝統を受け継いでいるのも大きな特徴になります。
戦時中に蔵元が消失し、近場の酒どころでもある京都伏見に移転した蔵元もありましたが、戦後には市内の別の場所に再び作られ、再開しているという歴史もあります。
和歌山の日本酒の特徴
和歌山の日本酒の特徴は、歴史のところでも紹介しましたが、お殿様の献上品として納められていたこともあり、品質の高い日本酒であることです。
また海の幸と一緒に食してもベストマッチするような純米酒が多く造られ、地元の酒米にこだわり製造されています。
海外でも販売されていたり、海外の高級ホテルやレストランなどで取り扱われていることも多いです。
伊勢志摩サミットが行われたことで、日本酒が世界的に注目されましたが、和歌山の地酒もSAKEコンペティションや、モンドセレクションなどの品評会で金賞を受賞したものが出てくるなど実績は十分です。
日本酒づくりは酒米も重要ですが、それと同じくらい重要とされているのが仕込み水です。
和歌山には日本でも有数の降水量を誇っている大台ケ原が源流となっている紀ノ川が存在しており、その伏流水は日本酒の仕込み水としては最適と言われる軟水です。
上質な伏流水で仕込まれた和歌山の日本酒の特徴は、全体的にキリリとしていて、コクのある味わいを持つタイプが多く見られます。
蔵元の数は、全国の有名どころと比較して決して多くはないものの、数々のコンテストで最高賞や金賞を獲得しているものが多く、酒造業界の中でプレゼンスを高めている状況なのです。
江戸時代には庶民が手にすることができない超高級日本酒を製造していた背景もあることから、酒造りの技術に関しては、古き良きものを伝承しています。
更にそれにプラスして現在の時代の流れに合わせた最新技術も取り入れ、現代日本人の食文化に合わせた日本酒造りも行われているのです。
和歌山でおすすめの日本酒6選
黒牛 純米大吟醸
和歌山県の地酒でありながらも、世界中の酒造関係者が絶賛したと言われているのが、黒牛純米大吟醸です。
黒牛というネーミングどおり、どっしりとした飲みごたえがある純米づくりとなっており、まさに黒色の大きな牛のようなイメージを感じさせる日本酒になります。
酒造適合米の中でもトップクラスとされている兵庫県産の山田錦を利用しており、口当たりはまろやかでありながら、深い味わいが感じられます。
純米大吟醸は、黒牛のフラッグシップ商品であり、2018年に開催された全米日本酒鑑評会の大吟醸A部門で金賞を獲得した一本です。
蔵元は名手酒造。和歌山市の南方10kmに位置している海南市の黒江に立地しており、室町時代という昔から漆器の産地として栄えた歴史のある町です。
職人が多く集まる街であり、こだわりがある職人に向けて満足できる日本酒造りを慶応2年(1865年)スタートしたのが名手酒造の歴史の始まりです。
和歌山県名水50選に選ばれている中言神社の井戸水と同水脈の水を仕込み水として使用しており、中空糸繊維で精密ろ過をするという最先端の処理を行っています。
そんなこだわりを持って製造されている黒牛は、心がこもった人々に愛されるという名手酒造のコンセプトを満たす優れた一本といえるでしょう。
メーカー | 株式会社 名手酒造店 |
ホームページ | https://kuroushi.co.jp/ |
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羅生門 純米大吟醸 龍寿
田端酒造といえば、羅生門というのは、日本酒ファンの多くの方が知っていることでしょう。
中でも純米大吟醸 龍寿は、1989年に開催されたモンドセレクションで、すべての出品酒の中での最高得点を取った証である特別金賞を日本のお酒で初めて獲得した逸品です。
その後もモンドセレクション最高金賞を31年に渡り、連続受賞をしていおり、2019年度に最高金賞を受賞して世界最高記録となりました。
アルコールだけではなく、ビールやワイン、その他の飲料はもちろん、食品や菓子、タバコに至るまで評価をするモンドセレクションの価値は、それぞれに意見があると思います。
しかし、31年連続で最高金賞を受賞したという実力は、まさに世界が認めた和歌山の日本酒と評価しても良いでしょう。
地元和歌山はもちろん、日本全国はおろか、アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジアなど世界中にファンがおり、海外でも販売されています。
優雅であり上品な吟醸香と米が本来持つ旨味を十分に引き出し、爽やかなのど越しを感じられる一本であり、芳醇という表現がぴったりの大吟醸酒です。
ちなみに6代目田端酒造社長長谷川香代さんの娘が考案した「さとこのお酒」は、小さな蔵元の娘が造ったお酒として日本酒ファンに愛されています。
メーカー | 田端酒造株式会社 |
ホームページ | https://www.rashomon-kuramoto.co.jp/ |
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南方 純米吟醸
ワイングラスで日本酒を飲むという楽しみ方が広がっていますが、ワイングラスが似合う日本酒というのは、まだまだ少ない状況です。
そんな中で、2018年に開催された「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」のプレミアム純米部門において、金賞を見事に受賞した純米吟醸酒こそ、南方 純米吟醸です。
南方を製造する世界一統は内閣総理大臣であった大隈重信が名付けたとされており、酒界の一統たれという願いを込められています。
また日本が世界に誇る偉人である博物学、生物学、民俗学者である南方熊楠の実家としても有名な蔵元です。
南方の純米吟醸は、華やかさを感じる吟醸香と、芳醇な口当たり、そして後味のキレの良さという三拍子が揃った調和のとれた純米吟醸酒として高い評価を得ています。
それでいて値段が手ごろなことから、コスパの良い日本酒として人気を集めているのです。
ご紹介した南方の他にも、本醸造・大吟醸熊楠、本醸造五十五万石、世界一統、純米酒紀州など多くの銘柄が有名な蔵元でもあります。
メーカー | 株式会社 世界一統 |
ホームページ | http://www.sekaiitto.co.jp/index.html |
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紀土KID 大吟醸
紀土を製造している平和酒造は、海南市にあります。海南市といえば、紀州の大自然に囲まれている豊かな場所です。
この自然から抽出される独特の軟水を仕込み水にし、最高の好適米とされる山田錦を原料に造られた純米酒が紀土KIDになります。
もともと平和酒造は梅酒を製造しており、トップクラスの人気を誇っていいる蔵元です。
2017年に開催されたSAKEコンペティションの吟醸部門では金賞を受賞した一本であり、長期低温発酵を行って醸造された大吟醸酒は、高い評価を受けています。
グラスに注ぐとリンゴやサクランボを思わせるような甘い果実香が上りたち、軽快な口当たりながら上品で優しい飲み口が特徴です。
そんな中にも、好適米の王様と言われる山田錦の味わいを深く感じることができる一本に仕上がっています。
口に含んだ時に広がる華やかさと、スッと消える儚い余韻の対比が多くの日本酒ファンを唸らせているのです。
メーカー | 平和酒造株式会社 |
ホームページ | http://www.heiwashuzou.co.jp/ |
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太平洋 純米酒
2017年にフランスにて開催された日本酒のコンクール、KURAMASTER。
このコンクールの純米部門でプラチナ賞を受賞した純米酒が「太平洋 純米酒」です。
更に同年に開催されたワイングラスでおいしい日本酒アワードでも最高金賞を受賞し、まさに2017年は太平洋の当たり年と言ってよいほどに好成績を収め、一気に知名度を高めることに成功しました。
世界遺産に指定された熊野古道における熊野三山の中心に位置する酒蔵であり、本州で最南端にある酒蔵としても有名です。
信仰と歴史、ロマンの秘境である奥熊野に源がある熊野川の伏流水を仕込み水に使用。
尾崎酒造が作る日本酒には、手作り醸造ならではの旨味と、キレの良いすっきりとした後味が魅力的です。
原料米は熊野産のコシヒカリを全量使用しており、味わいは濃厚でありながらふくよかさを感じると評判。
米の旨味を存分に引き出しつつ、辛さを抑えることに成功したやさしい口当たりが魅力です。
常温やぬる燗で飲むのがベストな日本酒であり、ワイングラスでおいしいと評価されるのにも納得できます。
メーカー | 尾崎酒造株式会社 |
ホームページ | http://ozakisyuzou.jp/ |
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雑賀 山田錦 純米吟醸
日本酒の他にも、食酢や梅酒の製造をしている株式会社九重雑賀が醸じた純米吟醸酒「雑賀」も、フルーティーな吟醸香とすっきりした飲み口が魅力と評価されている和歌山県の日本酒です。
2018年のほとんどの日本酒コンクールで結果を出したのが、この雑賀です。ワイングラスでおいしい日本酒、KURAMASTER、全米日本酒鑑評会という3つのコンテストで全て金賞を受賞した実力派です。
食酢を造っている会社ということもあり、酸にこだわりを持って製造されているところが特徴で、他の蔵元には出せない独特の味わいが癖になると評判です。
メーカー | 株式会社九重雑賀 |
ホームページ | https://www.kokonoesaika.co.jp/ |
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和歌山の日本酒を手に入れる方法
和歌山の日本酒も前述で紹介したように伊勢志摩サミットや、各日本酒コンクールの受賞によって、入手が困難な銘柄も存在します。
ですが基本的には、インターネット通販を利用すれば、紀州の日本酒はほとんどが手に入れることができるでしょう。
「和歌山 地酒」や「和歌山 日本酒」と検索すれば、多くの酒蔵や酒造メーカー、取扱い店がヒットします。
その中から飲みたい和歌山の日本酒を購入すればいいだけです。他にも大手通販サイトでも販売していますから、和歌山まで出向き、対面購入しなければ手に入れられないといった銘柄はほとんどありません。
古くから上品質と評価が高い紀州の日本酒を
いかがでしたか。
和歌山の日本酒は、その昔紀州と呼ばれ、将軍家のおひざ元であったことから、上質なものが造られてきたという歴史があります。
世界遺産にも指定された豊かな自然が残り、良質な仕込み水を使って昔ながらの製法を守って造られる日本酒は、日本を越えて世界から注目されている状況です。
ワイングラスで日本酒を愉しむ慣習が世界中に広がっていますが、ワイングラスにぴったりな「冷や」で味わうのが最も美味しいとされる日本酒を多く製造しているのも和歌山の日本酒の特徴の一つです。
お値段も他の有名酒どころの日本酒とは違い、お手頃な価格に設定されていることが多く、誰にでも手に入れられやすいという魅力を持ちます。
上品質ながらも安いというコスパが最良な和歌山の日本酒を是非愉しんでみてはいかがでしょうか。