3つの日本酒が入ったおしょこ

お酒好きな方への贈り物として、とっておきの日本酒を贈りたいと考えていても、お酒選びはちょっとハードルが高いのが悩みどころですよね。特に、ご自身があまり日本酒を飲まれない場合には、どのようなお酒が喜ばれるのかわかりにくいこともあるでしょう。そこで今回は、お酒好きな方への贈り物として、受け取った方に喜ばれる日本酒についてアンケート調査してみました。大切な方へ日本酒をプレゼントする際は、ぜひご紹介する内容を参考にしてみてください。

 

お酒好きがもらって嬉しいお酒のギフトは?

まずは、日本酒が好きな方や、日本酒をギフトとしてもらったことのある方を対象にした、アンケート調査の結果をご紹介します。

もらって嬉しかった日本酒ギフトは何かという質問の統計

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<アンケート内容>

Q1.【日本酒好き・日本酒のギフトをもらったことがある20~60代の男女】もらって嬉しい(嬉しかった)日本酒のギフトはなんですか?

また、コメントにてそのギフトをもらって嬉しい(嬉しかった)理由を教えてください。

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「自分ではとても買えないような日本酒を貰った時は、舞い上がるほど嬉しい。どんな味なんだろうとか、想像しただけで期待が高まります。」( 『自分では買わない高級な日本酒』・女性・38歳)

「私の好きな蔵元がつくっている限定販売の高級な日本酒を頂きました。貴重な品をプレゼントしてくれてとても嬉しかったです。」( 『自分では買わない高級な日本酒』・女性・49歳)

「昇進祝いで酒好きの上司から自分では買えないようなものをもらったときは嬉しかったです。すぐに同期と飲んでしまいました。」( 『自分では買わない高級な日本酒』・男性・30歳)

「有名な銘柄は一度飲んだ経験があるとお酒の話題が出たときに話のネタとして使えるので嬉しかったです。」( 『有名な銘柄の日本酒』・男性・29歳)

「有名で名前だけ知っていてもなかなか買えない銘柄もありますので、それを頂くととても嬉しいです。」(『有名な銘柄の日本酒』・女性・39歳)

「蔵元の期間限定、数量限定の日本酒。正直味はちょっと好みと違ったけれど、限定ものをくれたという事そのものが嬉しかった。」( 『貴重な日本酒』・女性・50歳)

贈られてうれしいのは“高級感”がある有名な日本酒
徳利からおちょこに日本酒をそそぐ

アンケート結果で約3割もの方がもらって喜んでいたのは、高級感のある日本酒でした。一般的に、高級な日本酒として知られている銘柄の一例としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 北雪 大吟醸 YK35雫酒チタンゴールド…日本最高額の日本酒です。
  • 15年熟成 柏盛…1年間でたったの5本のみ出荷される貴重なお酒です。
  • 山川草木 純米吟醸 無濾過 生々…古代米を使用した希少な高級日本酒です。
  • 黒龍 石田屋…プレゼントに人気がある大吟醸純米酒です。
  • 十四代 純米大吟醸 秘蔵酒…限定品である秘蔵の大吟醸古酒です。

高級な日本酒をご紹介しましたが、単に高級な日本酒を贈ればよいというわけではありません。日本酒には価格とは別に好みがあるため、プレゼントしたい方の好みや気持ちに寄り添いながら贈り物を決めましょう。

贈る前に知っておきたい日本酒の種類

日本酒を贈り物として選ぶために、日本酒の種類についての基礎知識をご紹介します。大切な方の好みに合わせたプレゼントができるように、ぜひ参考にしてみてください。

●日本酒の分類

「日本酒」と呼ばれるお酒のうちで、酒税法という法律に基づき、原料や作り方の違いにより8種類に分類されているのが「特定名称酒」です。このうち、お米と米麹を原料に作られたものが「純米酒」、これらの材料にアルコールが添加されたものが「本醸造酒」となっています。純米酒と本醸造酒は、それぞれ原料であるお米の精米歩合などによって、さらに細かく分類されています。

精米歩合とは、日本酒を作るときにお米をどれくらい削るかを表した数値です。たとえば、精米歩合が60%と表記されているときは、お米の外側から4割程度を削って廃棄し、6割を原料として使っていることになります。この精米歩合が高ければ高いほど、日本酒の味わいは香り高くすっきりとしたものになり、また廃棄する部分が多くなることから価格はより高額になります。

純米酒に分類される日本酒のうち、精米歩合が50%以下で吟醸造りをされているものは「純米大吟醸酒」と呼ばれます。精米歩合が60%以下で吟醸造りをされているものは「純米吟醸酒」です。また、精米歩合が60%以下であるか、あるいは特別な製造方法で作られた日本酒は「特別純米酒」となります。上記の条件以外の日本酒は「純米酒」に分類されます。

本醸造酒に分類される日本酒のうち、精米歩合が50%以下で吟醸造りをされているものは「大吟醸酒」と呼ばれます。精米歩合が60%以下で吟醸造りをされているものは「吟醸酒」です。また、精米歩合が60%以下であるか、あるいは特別な製造方法で作られた日本酒は「特別本醸造酒」となります。精米歩合が70%以下のものは「本醸造酒」に分類されます。

●普通酒

上記の特定名称酒に含まれない日本酒は、「普通酒」に分類されます。普通酒は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで、紙パックやカップに入って販売されています。価格帯は特定名称酒と比べてリーズナブルであり、プレゼントなどの贈り物というよりは、日常的に気軽に飲める日本酒という位置づけにあります。

●火入れの有無による種類

日本酒の種類には、製造工程において火を使用して加熱するかどうかによる分類もあります。「生酒」と呼ばれる種類の日本酒は、一般的な日本酒の製造工程で行われる2回の加熱処理を、1回も行いません。独特の味わいが楽しめますが、味が変化しやすかったり、常温保存できなかったりするため、ほかの日本酒とは異なる取り扱いが必要となります。

「生貯蔵酒」と呼ばれる種類の日本酒は、生酒の状態のままで出荷前まで保存されて、1回のみ加熱処理が行われます。「生詰め酒」は、貯蔵する前の段階で1回のみ加熱処理が行われ、その後に熟成されたものです。「ひやおろし」と呼ばれる秋に出荷される日本酒は、春夏シーズンに熟成された生詰め酒となっています。火入れの有無によっても、これだけ多くの種類があります。

●貯蔵期間による種類

日本酒を貯蔵している期間によっても、いくつかの種類があります。そもそも日本酒には消費期限がないため、長年にわたり熟成させた日本酒は「古酒」と呼ばれ、独特の味わいや希少価値などから珍重されているのです。古酒には主に2種類があり、常温で熟成された純米酒や本醸造酒は「濃熟型」、低温で熟成された吟醸酒は「淡熟型」と呼ばれています。ほかに、両者の中間に位置する「中間型」もあります。また、古酒のうちでも5年以上にわたり貯蔵して熟成させたものを「秘蔵酒」といい、長い時間をかけて熟成された味わいのある古酒として、特別に表記することがあります。

●その他の日本酒の種類

日本酒にはその他にも、作り方の違いによってさまざまな種類があります。製造工程において、ろ過を行わずあえて複雑な味わいを残したものを「無濾過」と呼びます。加水せずに作られた度数の高い日本酒は「原酒」です。「新酒」と呼ばれるのは、できたばかりのフレッシュな日本酒を指します。白濁した「にごり酒」は、絞るときに目の粗い布を使用しているのが特徴です。

初心者でも失敗しない! 贈り物の日本酒を選ぶポイント

虫眼鏡で夕方の都会の様子を眺める

これだけたくさんの種類のある日本酒の中から、どのようなお酒をプレゼントすれば、日本酒好きな方に喜んでもらえるのでしょうか。ここでは、日本酒を選ぶポイントをご紹介します。

●日本酒のラベルの見方

日本酒を選ぶときは、ラベルを見るとどんな特徴があるのかがひと目で分かります。ラベルに記載されている日本酒の分類や原材料、アルコール度数や製造した時期などの情報は、日本酒の味わいの目安になるでしょう。銘柄によっては、「甘口」や「辛口」といったように、ラベルに味わいの説明が記載されている場合もあります。プレゼントを贈る相手の方の好みが事前に分かる場合には、まずラベルを確認して日本酒の情報を確認してみてください。

●香りと味による分類について

日本酒の味わいは複雑であり、一つひとつの銘柄に個性がありますが、大きく4つのタイプに分類できます。まず、香り高い「葷酒(くんしゅ)」と呼ばれるのは、大吟醸酒や吟醸酒などです。爽やかさのある「爽酒(そうしゅ)」は本増醸酒や生酒が当てはまります。熟成されて濃厚な味わいがあるのは「熟酒(じゅくしゅ)」と呼ばれるタイプで、古酒や秘蔵酒などがその一例です。コクのある味わいがあるのは「醇酒(じゅんしゅ)」であり、純米酒などがこれに相当します。

贈り物としておすすめの秘蔵酒

さまざまな日本酒がある中で、贈り物として特におすすめしたいのは、「秘蔵酒」です。大切な方へプレゼントする日本酒選びで迷ったら、秘蔵酒の中から選んでみてはいかがでしょうか。

●秘蔵酒が贈り物としておすすめな理由

日本酒好きな方へのアンケート調査の結果では、自分ではなかなか手が出せないような、高級で貴重な日本酒をもらうと嬉しいという意見が多くみられました。長期間にわたり熟成させた秘蔵酒は、希少価値があるため特別な日の贈り物にも最適だといえます。一度は飲んでみたいと思いながら、これまでに一度も秘蔵酒を飲んだことのない日本酒ファンも多くいらっしゃるようです。

特に、今回のアンケート調査の結果では、希少な日本酒や有名な銘柄の日本酒に人気が集中し、6割近くの方がもらって嬉しいと回答していました。日本酒好きの方なら名前を知らない人はいない、有名な銘柄の秘蔵酒をプレゼントに選べば、話題にもしやすく喜んでいただけますね。

まとめ

氷でガラスのおちょこに入った日本酒を冷やす

日本酒好きな方へのギフトで迷ったときは、少し珍しい「秘蔵酒」を選んでみてください。普段からよく日本酒を飲まれる方でも、秘蔵酒はまだ飲んだことがないという場合が少なくありません。特別なプレゼントを贈りたいときは、ちょっとしたサプライズの意味も込めて、自分ではなかなか買わないお酒をチョイスしてみましょう。日本酒好きな方なら、ご自身の味の好みとは別に、いろいろなお酒を飲んでみたいという好奇心があるはずです。相手の方を驚かせて、喜んでいただけるような贈り物にするために、ぜひ秘蔵酒をお選びください。

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<調査概要>

調査対象:日本酒好き・もしくは日本酒をギフトとしてもらったことがある20~60代の男女

有効回答者数:100名

調査方法:インターネットリサーチ

調査時期:2018年11月

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